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皆さんはDAWは何をお使いでしょうか?
様々な種類があり、どれも魅力的な特色や機能がありますが、ここ数年で急激にユーザーを増やしている要注目のDAWが、PresonusのStudio Oneです。
Studio Oneは後発ながらも新世代DAWとして人気が高く、プロの間でも他のソフトウェアからクロスグレードすることも多いと評判です。
最新バージョン7ではランチャーが統合され、コンポーズ、アレンジ、プロダクション、パフォーマンスを素早く直感的に行うための新しいクリエイティブな可能性を提供。さらにAIベースのステム分割、高度なテンポ検出、グローバルトランスポーズを含むパワフルな編集とアレンジの新しいツールは、ユーザーコミュニティから要望の多かった機能リクエストです。
30以上の新機能と機能向上を提供するStudio One Pro 7は、クリエイティブな音楽制作とパフォーマンスの新たな基準を打ち立てた、オールインワンDAWソフトウェアとなりました。
今回はStudio Oneの人気の秘密に迫ります!
Studio Oneの魅力とは?
Studio Oneは、デジタル・ミックスを定義したドイツの敏腕プログラマー達がデザインしました。長年のデジタル・オーディオ開発で培った知識と経験をベースに、最新のテクノロジーとモダンコードだけを用いてゼロから開発しています。歴史や固定概念に振り回されることなく、圧倒的なサウンド・クオリティと直感的でスピーディーな音楽制作環境のために常に進化している次世代の64Bitデジタル・オーディオ・ワークステーションです。
今回の紹介にあたり、実際にStudio One Artistを導入してみました。そのファーストインプレッションとともに紹介します。
●64bit処理による高音質
「64bit処理による高音質」を謳い文句にしているStudio Oneは、実際に出音が素直、クリア、色付けがないといった理由で乗り換えるユーザーが多いことで知られています。そこまで音質の違いが明確にわかるのだろうか・・・と懐疑的に思っていたのですが、実際に聞いてみて違いました!
普段使っているのと全く同じ環境でオーディオインターフェイス、モニタースピーカーで、聴き慣れた2mix音源や使い慣れたソフトウェアシンセを再生したところ、どれもいつも使用しているDAWで再生した時よりもクリアに、音が大きく聞こえます。
正直DAWでここまで音質が変わるとは驚きでした。ぜひこれは無償版などで一度試してみてもらえるとわかると思います。
●動作が軽く、レスポンスも軽快
ソフトウェア音源は画面右に使えるインストゥルメントが並んでいて、そこからドラッグ&ドロップするだけで音源が読み込めます。トラックを選んで一つ一つ階層に分かれている音源を探したりせずとも直感的に次々音色を読み込めるのは、制作作業でもストレスフリーで快適です!
●効率的なシングル・ウインドウのインターフェース
Studio Oneは効率的なシングル・ウインドウのインターフェースを採用し、コンソールやエディター、トラックリストやインスペクターなどをシングル・ウインドウでそのままマスタリングまで1画面で実現できます。
これまで複数のウインドウでいくつかのモニターを使って作業をしていましたが、これに慣れてしまえばしてより集中して音楽制作ができ、時間短縮や効率化が図れそうです。
●他のDAWからの乗り換えも安心
DAWを変えるとこれまで使っていたショートカットなどが使えなかったりと不便を感じることが多いと思いますが、Studio Oneは後発DAWということで、他のDAWからの乗り換えも安心な機能が設定されています。それが「キーボードマッピングスキーム」という機能で、これによって他のDAWのショートカットが使えるようになります。
メニュー左上の「Studio One」から「環境設定」→「キーボードショートカット」→「拡張」の中の「キーボードマッピングスキーム」を選びます。
ここでデフォルトはStudio Oneが使えるようになっていますが、それ以外の
・Cubase
・Logic
・Pro Tools
・SONAR
を選択することで、この機能を使えば以前のDAWと同じショートカットが使えるようになります!新たに覚える必要もなく、最初から用意されているのは非常に便利ですね。またオリジナルのショートカットを作っていた場合にも対応できるよう、インポートの機能もあります。
他にもメニュー画面右の「ヘルプ」から簡単にマニュアルが呼び出せたりと、細かいところですが初心者にも優しい設計になっているのが印象的でした。
魅力的な機能は?
●便利なコードトラックとハーモニー機能
Studio Oneのコード・トラックは、コード進行を作成したり変更したり、またコードを置き換えたり、さらにはリッチなコードをシンプルなコードに入れ替えたりと、様々なアイデアを提供してくれます。さらにスケール適用も一瞬で実現できます。
インストゥルメント・トラックだけでなく下書き状態のオーディオ・トラックにも使用可能なこのハーモニー編集機能は、ソングライティングと音楽制作プロセスの効率化に向けたStudio Oneでの取り組みの一部となるものです。
またコードを自動で検出する機能があり、オーディオ・トラックやインストゥルメント・トラックからコードを抽出することができます!パートをコード・トラックにドラッグするだけで、ハーモニー編集用のリファレンスを作成できます。これは便利ですね。
●Impact XTとSample One XTによるサンプラー機能
他にもStudio Oneの人気の一つに、Impact XTとSample One XTという2つの強力なサンプラー機能を搭載している点があります。
Impact XT
Impact XTは、ビートやループのコンプリートなワークステーションです。
パートをパッドにロードしたら、ローンチしてビート・クオンタイズやリアルタイム・ストレッチ機能を使用しましょう。ノートのドラムへのマッピングで時間を無駄にする必要はありません。「パターン」にインストゥルメントを自動挿入するので、即時にビート・クリエイションを始められます。複数のサンプルをパッドに積み重ねたり、インポート時にサンプルを自動スライスしたり、サンプル再生を反転させたり、最大8つのバンクをロードしたり、パートを色分けしたり、パッドやサンプル自体を編集したりすることが可能です。
Sample One XT
Sample One XTは単なるサンプル・プレイバックを超えたサンプリング・パワーハウスです。
Studio Oneの様々な経路(入力、バス、出力、インストゥルメント、トラック、インポート/エクスポート)からオーディオをリアルタイム・サンプリング、自動スライス、ストレッチ、プロセッシング、トリガー、分解、パワフルなパフォーマンスからビート・メイクまでをこれ1台で実現できます。
サンプラーに求められる機能の全てが搭載されているだけでなく、サンプルを加工できるシンセシスタイプのオプションも拡大しています。Sample One XTでは、サウンドのサンプリングと再生に留まらず、ワープや再構築により全く新しいクリエイティブなサウンドを生み出すことができます。
Studio One Pro 7の主な新機能
●ブラウザーにSplice連携を統合!
Studio One Pro 7 では、サンプルやループ・コンテンツのユーザー・エクスペリエンス向上を実現すべく、サウンド・コンテンツ・プラットフォームのリーディング・カンパニーであるSpliceと提携し、Spliceの豊富なサンプル・ライブラリにブラウザーから直接アクセスしサウンド検索も可能です。
Spliceタブには、カタログ全体のブラウズと検索、正しいソング・テンポとキーでのループのプレビュー、アレンジ、ランチャー、ImpactとSample One インストゥルメントにループやサンプルを直接ドラッグできます。またSplice AIを使用して1つまたは複数のイベント/ パートを選択してドラッグすることで、既存のセッションにマッチするループやサウンドを見つけることもできます!
Spliceユーザーには便利な機能ですね。
●AIベースのステム分割
最も要望の多い機能のひとつであるステム分割が、タイムライン上で直接利用できるようになりました。AI ベースのStudio Oneのステム分割アルゴリズムは、2ミックスされたオーディオ・イベントをボーカル、ドラム、ベース、コードに分離し、これらの要素をフォルダー・トラック内の新規トラックに追加します。さらに分離されたオーディオ・イベントを再び1 つのファイルにバウンスすることも可能。これにより、インストやリズムレスのバージョンを生成し、新たなリミックスをクリエイトすることが可能です。
●グローバル・トランスポーズと高度なテンポ検出
セッションを一時的または恒久的に別のキーでプレイする必要がある場合には、トランスポート・バーの新しいグローバル・トランスポーズ機能が驚くほどシンプルに解決。élastique Proピッチシフト・アルゴリズムの卓越した品質により、オーディオ・トラックとインストゥルメント・トラックの両方をリアルタイムにトランスポーズできます。
またStudio Oneのテンポ・マッピングとタイムストレッチを最大限に活用するには、オリジナル・ファイルのテンポを精密に把握することが重要Studio One Pro 7は、ディープ・ニューラル・ネットワークと最先端の統計モデルに基づいた次世代テンポ検出テクノロジーを搭載し、固定テンポのショート・ループでも、可変テンポのロング素材でも機能します。
●ループベースのトラックメイクに理想的なランチャーを統合
統合されたランチャーで新たなレコーディング、アレンジ、プロダクションを!インストゥルメントとオーディオ・ループ、サンプル用の全く新しい完全統合のランチャーは、Studio Oneのレコーディング、アレンジ、プロダクションの新しいスタイルをもたらします。ランチャーで新しいアレンジのプレビューやループ/ パターンで色々トライすることができ、アレンジの一部またはタイムラインの2 つの環境を自由に行き来することもできます。プレイリストではアレンジを素早く簡単にクリエイト、エディット、トライでき、ライブ・パフォーマンスにも理想的で、完成したらタイムラインへドラッグ&ドロップするだけです。
●ノート・エディターのImpact統合
便利なImpact エディターでドラム・パターンを簡単に編集!Impact のようなバーチャル・ドラム・インストゥルメントを編集しながら同時にパターン編集するのは、特にラップトップの小さなディスプレイ上では不便です。Impact用の新しいインプレース・エディターでは、Impact の編集ウィンドウを開かず、全てのインストゥルメント・パラメーター(パッド、パッドとサンプル・エディターのコントロール)へのフルアクセスを提供。
このエディターはパターン・エディター・ウインドウとノート・エディター・ウインドウ内にあり、パターンとノートの編集コントロールと共に並んでいます。これにより、パターン作成、パラメーター調整、バーチャル・ドラム・サウンド編集が別ウィンドウを開くことなく簡単に行えます。
●アナログ・トリガーとコントロール電圧に変換するCV Instrument
CV Instrumentを使用することで、ハードウェア・シンセサイザーやモジュラー・シンセサイザーを愛用するユーザーは、Studio Oneから直接インストゥルメントをコントロールできます。互換性のあるマルチアウト・インターフェースと組み合わせることで、インストゥルメント・トラックからのノート・トリガーとピッチ情報をアナログ・トリガーとコントロール電圧に変換し、インターフェース出力からシンセサイザーのコントロール電圧入力に直接送信できます。
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記事内に掲載されている価格は 2025年6月9日 時点での価格となります。
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