サウンドデザインの制限を取り除いたハイブリッドインストゥルメントUVI FALCONがバージョンアップ!v1.1は8つのエフェクト追加、オシレーターの強化、100以上の音色プリセットの拡充などが強化され、自由度がさらに向上しています!
UVI FALCON
意外と知られてないUVIのエンジンレベルの高さ
UVIといえばストリーミング読み込みに基づくサンプルライブラリと無償とは思えない多機能なサンプラー・プラグインである「UVI Workstation」エンジンですよね!
プレイバックだけでなく、ループやサンプルを読み込みスライスや簡易的なEDITが施せるエンジンはかなり優秀なのです!
が、このエンジン、実は様々なところでも用いられておりMOTU Mach FiveやクリエイターのマストアイテムSpectrasonics社の以前の製品である「Atomosphere」や「Trilogy」などもUVIの高い技術力を生かし世界に名を轟かせていたのです!!
ということで、今回の新製品であるFALCONの中身に迫っていきましょう!
FALCONの驚くべきシンセサイザー機能!
UVIはサンプルライブラリーのメーカーでは…と思う方も多いかもしれません。が、今回のFALCONはフラッグシップサンプラーであり超多機能シンセサイザーでもあるのです!
まずオシレータですが、シンセシスオシレータとサンプルオシレータ合わせて15もの種類を搭載。基本的なAnalog、Wavetableオシレータはもちろんのこと音を粒状に分解し新たなサウンドテクスチャーを生み出すIRCAM Guranular、FM、ORGAN、Pluck(所謂物理モデル)などをすべて詰め込んでいるのです。各オシレータを複数立ち上げて複雑なレイヤーを組むことも簡単にできてしまうので、今までのシンセサイザーにはなかったような音のクロスオーバーがFALCONでは容易に再現できるようになりました!!
またループなどの読み込みポイントを指定することで、ワンクリックでデータをスライスしキーボードに割り当てるSLICEとよばれるオシレータなど風変わりなものも搭載しています。サンプルベースのシンセシスはさすがといったところがあり、一音一音に対して細かなアプローチができるのもFALCONの特徴です。ドラムループなどに限らずボーカルなどのトラックを過激にエディットし音ネタに変化させたりもFALCON内でできちゃうんです!
そしてなにより、それぞれのオシレータは低負荷であることは大きな魅力。マシンのスペックに頭を悩ますことなく使い込めるのはサウンドマニピュレーションの大きなアドバンテージだと言えるでしょう。
ちなみに、モジュレーションも基本的なものは全て網羅。特にマルチエンベロープが標準装備されているのは嬉しいところ。Wobble Bassなどの音色を作った際に複雑な音の変化をエンベーロープで書いておくことでFALCON内である程度の方を作りきってしまうことができるのはとても嬉しいところです。なかなかに多機能ながらこれを持ち合わせているプラグインはまだまだ少ないのでオススメできますね!
他にもアルペジエータ機能はここ最近のシンセサーザーの中でも最高峰に「つかえる」と感じました。1/64分音符から32小節までの分解能を誇り、ベロシティ以外もMIDI CCを巧みにコントロールすることが容易に可能です。とくに、アルペジエータでこの頃流行りのピッチの変化をつけられる機能が付いているのは素晴らしいなと思いました。ユーザビリティに基づいてほしい機能を余すところなく付帯させているのには脱帽です。
80以上に上るエフェクトを標準装備
次に見ていくのは内蔵エフェクト。どうしても付属しているエフェクトはサンプラーであったりするものだとそこまで大きな効果が期待できなかったりしますよね。しかし、FALCONはそんなことはございません!
一般的なエフェクトはもちろんのこと、サウンドを彩るのに欠かせないトリッキーなエフェクトが満載です!!今回は二つのエフェクトをご紹介。
THORUS
V1.1から新搭載されたTHORUSはバリアブル8ボイスコーラスエフェクト。脚色の軽減、深みと明瞭さを実現した特別設計が特徴です。非常にナチュラルで自然なコーラス効果が得られます。
Dual Delay
なんとも、不思議な見た目のDelayですよね!!これ実はステレオでの音の反響や減衰を視覚的に簡単に確認しエディット可能なほか、3Dで位相を確認することができるという、執筆者もびっくりの機能を搭載。より音の広がりをリアルにまた極端に遊んであえて幻想的な広がりを表現することもできるので、ご購入の際はぜひお試しください!プリセットも豊富なので色々試して行くだけでクールなサウンドを作れちゃうかもしれません。
Sparkveb
超低負荷のUVIの技術をフルに詰め込んだアルゴリズム演算によるリバーブ。これ単体でも販売がされており、それをFALCONに最適化されたものを内蔵しています!演算タイプの特性を活かした、空間処理だけでなくトリッピーな空間演出や過激なエフェクト演出を助長するのにも一役かうこと間違いなしでしょう!
そのほか、エフェクトを合計80以上収録しており、音作りもFALCON内で完結できるようにしようという信念が伺えます。オシレータやエフェクトをマクロコントロールにアサインし挙動できるようにすることも非常に容易。アサインも簡単。かつ、一つのノブに二つ以上のコントローラを割り当て過激な変調やサウンドデザインを手助けする機能も満載ですよ!!
UVIのサンプリングデータを追加することで音色の広がりは無限大。$100のバウチャーでライブラリーも拡張可能!
シンセサイザー機能について今まで書いていましたが、UVI十八番のサンプラー機能はもちろん健在。サンプル一音一音に対してエフェクトなどの挙動を細かく設定ができエレピ音源をわざと汚したような音色や使い古したような音色に変えることもできます。
また、UVIからでているそれぞれのライブラリやUVIサードパーティ音源はもちろん読み込み可能で、サウンドバンク画面から容易にサーチできます。それぞれのパラメータに最適化された状態で読み込まれるのですぐに編集可能ですし、さらに音源を内蔵エフェクトやシンセとレイヤーさせることがワンクリックでできちゃうのです!!
初期状態でもシンセサウンドのFalcon Factoryというライブラリが付属。しかもとっても嬉しいことにサンプルタイプの音源をすぐに導入したいという方のために、UVIのライブラリ用の$100の割引クーポンが付いてきます!!UVI往年のロングラン総合音源のPlugSound Proなどを$49で購入し追加するのもオススメですよー!!
とにかく多機能かつシンプル
今回のFALCONの印象はとにかく多機能!!今まで欲しかったシンセサイザーの機能は全て網羅していると言えます。ライブラリもサンプルベースのものが多く販売されているため、音源の広がりはまさしく無限大です!
それでいて、シンプル。基本的なシンセサイザーの機能を自分で選定し作りたい音色に到達しやすようなGUIや特性のわかりやすいオシレータやエフェクトには感動しました!KONTAKTやOmnisphereなどの大型定番の続くことができるようなポテンシャルを秘めているFALCONには期待が高まります!
記事内に掲載されている価格は 2016年3月28日 時点での価格となります。
最新記事ピックアップ