来たるAntelopeの新製品「Zen GO」が登場!本日1月28日より予約開始となります。
Antelopeといえば、これまでZen Tourや、Orionシリーズといった、コンパクトながらも多チャンネルのインターフェースがハイエンドとして存在しておりますが、これまでの仕様とは一転し、2in/2Out + SPDIF + ヘッドフォンがなんと2系統(ここはなかなかいいところ狙ってます)とかなり使用目的を絞ったコンセプトなインターフェースに仕上がってます。
またZen Tourのデザインを維持し、面面のコントロールパネルからのアクセスの良さ、ボタンもシンプルで操作性の良さも合間って非常に強力な相棒的な存在になるのではないかなと思います。
そんなPD安田が国内最速でそのレビューしますので是非に確認ください。今回のポイントかいつまんで4つほどズバリな機能を紹介していきます。
なお、先に基本的な仕様として押さえたいところ
・Antelope初のUSBバスパワーに対応!
・FPGA 37種類も付属(Discrete 4と同等)し、4chにインサート可能!
・コンパクトながらもハイエンドに劣らないダイナミックレンジ!です。
それではPD安田なりの押さえたいオススメポイントを述べます。
まずは、筐体をじっくり見ていきましょう!
左上にZEN GO のロゴ、カチカチと回る大きなダイヤル、そして3つのボタン。若干デザインの変更はあるものの、この点は同じZENシリーズのZEN TOURとほとんど変わりありませんね。真ん中のボタンを押すことで、ダイヤルで調節できるバランスの対象を切り替えたりすることが可能です。
前側の側面には「antelope audio」と印字がされており、その右側には2系統のヘッドホンアウト端子が備わっています。
この後詳しくお伝えしますが、このヘッドホンアウトはそれぞれ独立しているため、片方には自分用のミックス、もう片方は演者用にマイクの返しを大きくしたミックスを送ったりと、それぞれ違うソース・バランスの音を出力することが可能です。
次はバックパネルを見ていきましょう。
左からディスクリートマイクプリ、LINEIN、Hi-Z INに繋がる2つのコンボXLRジャック入力。TRS、RCA 2つの端子に対応したモニター出力。S/PDIFのデジタル入出力。リバースチャージ用のUSB-C端子とPC接続用のUSB-C端子となります。
入出力はそこまで多くはないですが、簡単にボーカルやギターを録音したいと言う方には十分ではないでしょうか。
モニター出力が2つの端子に対応しているのも嬉しいポイントです。これで大抵のアクティブ型モニタースピーカーには接続できると思います。
ZEN GOのコンパクトさ。
それは同じZENシリーズのZEN TOURと比べると一目瞭然です。
並べて見ると、まるでZEN TOURをスモールライトで照らしたかのよう。入出力は当然少なくはなりますが、この小さな筐体の中に様々なFXをかけれるDSPミキサー、ディスクリートマイクプリ、2系統のヘッドホン出力を搭載しているというのですから驚きです。
次は他社のデスクトップタイプのオーディオインターフェースと並べてみました。
いかがでしょうか?こうして比べてみると、同等かそれ以上のコンパクトなサイズであることが分かりますね。
最後に現在Rock oNでアシスタントとして働いてもらっている細川くんに実機を持ってもらいました。
片手でも楽々に持てるシックなインターフェース、ナイスですね。
Zen Goには多数のギターアンプシュミレーションが付属しています。その中のいくつかの音を聞いてみましょう。
スタック系は全てプリセットを選択しております。サウンドの設定はプリセットのデフォルトを弄らずそのまま使用。サウンドの収録方法は、一度ドライ音を収録し、ZenGoの内部ミキサーを使用し、リアンプにてエフェクトをかけたサウンドを収録しております。
マイクのポジション、そして2種類のマイクのレベルバランスの調整、またマイクの種類も57に限らず67などバリュエーションも豊富です。Rearマイクなどなどここでもユニークな設定があるのはポイントではないでしょうか!?
まず、下記のコントロールパネル画像の仕組みを押さえておきます。
Zen GoのコントロールパネルはDiscreteと近い見た目をしております。当たりまえ?かはわかりませんがZen Goの内部にミキサーの機能が備わっております。
モニター(スピーカーへの出力)とヘッドフォン出力の1番ミキサーとヘッドフォン2番用の2番ミキサーとで2種類のレベルバランスを調整することができます。
つまるところ、マイクで拾っているサウンドはHP2に出力するけども、MONITOR/HP1にはダイレクトの音は出さず、DAWでMIXされたサウンドだけを出すなどができます。
例えば下記のように設定した場合、HP2ではプリアンプの1ChとCOMPUTERPLAY1-2(オケ)3-4(クリックなど)のフェーダーを上げれば、自分の音と、DAW側でのカラオケとクリックを聴きながらレコーディングが可能です。
さて、ここまでは基本的なAntelopeのコントロールパネルの説明です。
続いて、ここからがユニークな機能ですが、このコントロールパネルの画面真ん中に「DAW I/O」という項目があります。ここでは下記の画像のように、TO DAWと、FROM DAWが登場してきます。
ここも簡単に説明をするとTO DAWの順番はDAWのInput1-8を示しております。例えば画面のようにRecord 1にはPREAMP 1が選ばれていれば、そのままDAWのInput1にはプリアンプを通したマイクなどの信号送ることになります。しかも、Record 5-6ではCOMPUTERPLAY1-2なので、DAWのinputを5-6にして、そのトラックのアウトをOutput1-2にすれば大変なことになります(音の無限ループが発生し、どえらいことになります)
逆にFROM DAWはDAWのOutput1-8のそれぞれのレベルがこのコントロールパネルに起きておりますので、意味合いとしては、COMPUTERPLAY1-8の出力がそれぞれここで振っているかが確認できます。(一応音が出ているかがわかりやすい?)
この機能、最近のインターフェースには搭載されていることが多い、いわゆる「ループバック機能」です。
色々方法はあるかと思いますが、先ほどのDAW I/Oの画像である通り、Record 7-8には「MON/HP1 MIX」というのが選ばれております。おお?これはと感がいいかたはビビッとくると思いますが、前述で紹介したあのMONITOR/HPのミキサー画面でフェーダーをいじれたかと思いますが、まさにそのままの設定がこのDAW I/Oに持ってくることが可能です。
自分の声などの返しと、バックで流れているサウンドなどなどまたはSPDIFでデジタル入力したなんかしらの外部入力と全てミックスしたものをRecord 7-8にまとめることができます。あとは配信側のアプリで音声デバイスをInput7-8にすれば完了です。ただし、配信している先の音声の返しを普通にOutput1-2とかにしているとループしますので、注意してください。(アプリ側でOFFなどもあります)また配信アプリによってはInput1-2以外認識しない!という可能性もありますが、その場合はRecord1-2にこのMixを持ってくるとベストかと思います。
この機能をバッチリ熟せば、ギタリストは内蔵しているアンプのシミュレーターを使用しつつ、カラオケに合わせてリアルタイムにソロとか配信できるかと思います。
いかがでしたでしょうか?以上が私のファーストインプレッションになります。やはりこれだけの機能と柔軟性をコンパクトな筐体に詰め込んでいることが驚きです。
このコンパクトさとUSBバスパワー対応によって、Antelopeサウンドのモバイルスタジオを構築できるのは素晴らしいですね。¥61,600という驚きの価格設定は自宅環境のアップグレードを目指す宅録ユーザーにも十分射程圏内に入ると思いますし、大規模システムを所有しているユーザーの持ち出し用サブ機としても魅力的です。個人的にはカスタムIRMと組み合わせて、最小コンパクトセットで持ち運びたいと思いました!FPGA FXをシチュエーションに合わせて保存しておけるのも便利&安心です。
ZEN GOのレビューはどんどん更新していく予定ですのでご期待ください!
PD安田
記事内に掲載されている価格は 2021年1月28日 時点での価格となります。
最新記事ピックアップ