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ドイツMAGIX社が開発したSamplitudeはその高機能さと信頼性からクラシックの現場を中心に活躍を見せるDAW。その完成度の高さに魅了されたジャングル林が「一人のユーザー」として紹介させていただこうと思います!
ジャングル林がSamplitudeを選んだ理由
・音が良い
・動作がスムーズ
・プラグインの完成度が高い
・メータが見やすい
・キーバインドが柔軟
・オートフェードで楽々エディット
徹底された軽量・高品質なオーディオエンジン
先ず最初に使用して感じたことは音が良いと言う事。DAWではなるべくクリアかつダイナミクス感がある録音が良いと思っています。この音を聞いてから私はSamplitudeへの乗り換えを決意しましたが、皆さんにもその違いを体験していただきたく、今回Samplitudeと私が以前使用していたDAWとの比較音源を用意しました。
DAW同士のパン等も同様の設定にしたものの、デジタルサミング部の設計の違いか若干ステレオバランスが異なってしまいました。また、ピーク付近では比較対象のDAWでは鈍ってしまっているものの、Samplitudeではしっかりと立ち上がっておりこのあたりがDAWの音質の差として大きく現れる部分かと思います。
さて、いかがでしたでしょうか。私がSamplitudeを使用して特に利点を感じたのはレベルに対する音色の変化が少ない事です。以前使用していたDAWではキックやスネアを処理する際にマスターに送るレベルによってサウンドが変化してしまっていたため都度プラグインを設定し直す事がありましたが、Samplitudeを使用してからは各セクションのレベル管理もアバウトで良くなり、よりミックス作業に集中できるようになりました。
Samplitudeの特徴として非常に軽量な設計となっている事が挙げられます。検証環境ではPro toolsの立ち上げに要する時間は約25秒、使用メモリは約250MBであったのに対してSamplitudeでは立ち上げ約6秒、使用メモリ約70MBとなっており、Windows環境に最適化された設計であることが伺えます。また、マルチコアCPU環境に完全対応しており、CPUのもつパフォーマンスを効率的に使用するように設計されています。
豊富なバンドルプラグインと統合された制作ツール
次に使用して驚いた点はバンドルプラグインが非常に強力な点です。Samplitude Pro X2 Suiteでは同社開発のエフェクトスイートessentialFX、Vintage Effects Suite、Analogue Modelling Suite Plus、制作向けのIndependenceやVitaライブラリを含めると1300ドル以上のプラグイン群がバンドルされています。しかし、私が特に魅力的に感じたものは単体販売のないSamplitudeオリジナルプラグインです。
・FabFilter Pro-Gを更に強化したようなダブルスレッショルドコンプレッサー/エキスパンダ
・4バンドに対してそれぞれリミッター/コンプレッサー/エキスパンダを割り当てることができるマルチバンドダイナミクスプロセッサ
・iZotopeやNuGen Audioといったハイクラスプラグインに提供されるトゥルーピークリミッター
・36dB/octのパスフィルタ・リニアフェイズモードを搭載した6バンドEQ
・特定周波数を完全に削ることが可能なFFTフィルタ
・580を超えるインパルスレスポンスデータを収録するIRリバーブ
・ノイズプリントを使用したDeNoiser、スペクトルから選択した周波数のみを取り除くSpectralCleaning
それぞれデジタルプラグインとして性能の高いものばかりとなっています。これらは考え付く機能を網羅しており、パラメーターに対する変化も素直でSamplitudeを選択した理由の大きな部分を占めています。個人的にはデジタル系のプラグインは必要十分、あとは好みのアナログ系プラグインを買い足すのが良いと思います。
Samplitude Pro X2の大きな追加機能として、ピッチ編集機能の大幅な進化が挙げられます。従来のピッチ編集ソフトウェアのようにピッチを解析し自動補正させることが可能な他、フリーハンドでのピッチ編集をDAWに統合された環境で行う事が可能です。また、zplane社の最新アルゴリズム「elastique Pro V3」を搭載し、より違和感の少ないピッチ変化を加えることが可能になりました。
レコーディング/ミックス/マスタリングに欠かせないツールとしてメーターが挙げられると思いますが、Samplitudeでは豊富なビジュアライザが統合されています。ポピュラーなサンプルピークメータに加えRMSメータを画面下部に配置、更に200バンドまで設定が可能な周波数アナライザ「Spectroscope」やステレオの位相管理を担う「Phase oscilloscope」、ノイズを監視するのに適した「Spectrogram」といったメータ類を自由に配置することができます。頻繁に確認するものだけに、DAWに統合され自由にレイアウトが可能な面はエンジニアにとって嬉しいこの上ない機能となっています。
使う度に手に馴染む、自由度の高いカスタマイズ機能
Samplitudeは特に高機能である為、作業スピードに悪影響を及ぼしてしまうように思われるかもしれません。しかし実際にはその自由度の高いカスタマイズ機能によってオーダーメイドのような手に馴染むDAWとして機能させることが可能になっています。特に、DAWの効率的な利用に最も重要なショートカットの割り当ては全てユーザーの好きなように割り当てることができます。Pro toolsのようなワンキー操作を良く使用する機能にガシガシ割り当てていく事によって作業スピードを飛躍的に加速する事が出来るでしょう。
また、ショートカットキーと同様にマウスボタンやホイールの設定も変える事ができます。マウスホイールの初期設定は編集画面の水平移動ですが、垂直方向へ割り当てShift+Wheelを水平移動に・・・といった変更が可能で、他のDAWからの移行の際も違和感なく使用できるようになっています。
不明な点はお問い合わせ下さい!
Rock oN渋谷店では店頭にてお試し頂く事ができます。また、実際にプライベートで使用しているジャングル林も居りますので是非お問い合わせ・御相談下さい!
[eStoreClipper2A mdin=’35909′ blocklocate=’ICPB’ img=’LINK’]経験豊かな音楽家、サウンドエンジニア、プロデューサーに完璧なオーディオプロダクション環境を提供するDAW[/eStoreClipper2A]記事内に掲載されている価格は 2015年8月25日 時点での価格となります。
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