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新世代の定番候補のオーディオインターフェースを1on1で比較!
コンソールメーカーの放つオーディオインターフェースを試してわかった事
この1年間、オーディオインターフェースは非常に実り豊かな時期を迎えています。RME/Stteinberg/Motu/Metric Haloなど老舗、新入メーカーともに相乱れるラインナップとなっています。
この記事では、ここ最近リリースされた4機種を取り上げ、録音目的で比較的廉価なモデルを選ぶ場合のベストはどれなのか?をRock oNスタッフ目線で2機種ずつ紹介していきたいと思います!
本記事で取り上げるのは今年発売のこの2機種、SSL 2+(SSL) 、evo 4(Audient)です。
本当はSSLは2+ではなく2の方が In/Out数など含めて比較相手としては良いのですが、店頭に展示の用意があるのが2+の為、ご容赦ください!(まあ、2も2+も音は同じです)
SSLとAudient 両社共に源流はコンソールメーカーとしての歴史にありますが近年コンシューマーレンジの製品も多数出していますね。SiXやiDシリーズ、ASPマイクプリアンプ等、コンソールメーカーならではのレコーディングのワークフローに即したレイアウトデザイン/ユーザビリティの製品が目立ちます。
共にマイクプリアンプは2つ搭載のシンプルな構成の機種ですが、やはりそれぞれのメーカーのこだわりで全く違う使い心地になっています。
推しポイントその1! ベストな入力をアシストする4Kボタン vs Auto Gain機能!
レコーディングにおいて重要なのは録り音です。録音を失敗していてはミックスがマイナスをゼロにする作業になってしまい(非常に難しい作業でもありますが)、いわゆるプロらしい音にならない1番の原因になります。
裏を返せば、適切なマイクアレンジの機材セッティングの元でベストなパフォーマンスを記録すれば、廉価なオーディオインターフェースでも印象深くクオリティの高い録音は可能という事になります。
SSL、Audient共にこのことを良く分かっているのでしょう。レコーディングに不慣れな初心者な方に最高の音源を作って欲しい!という願いを具現化した機能を実装しています。
SSL 2+の場合
SSLは2/2+共にInput Gainツマミの下に[4K]と書かれたボタンがあります。4K、、つまり4000とはSSLのSL4000シリーズコンソールの意で、SSLのコンソールが持つクリアで煌びやかな音質を再現した回路を通ることによって高域がエンハンスされます。実際にONにしてみると、高域がブースト云々…を抜きして、[聴き慣れた音]が返ってくることに安心感があります。
ビビッドというか、カラフルな色が更に原色に寄っていくような….いわゆるレコーディングした音らしい感触がしっかりと音に乗ります。
SL4000コンソールで録られた音、楽曲はあまりにも日常で流れているので、普段意識することが無くとも、もっと言えば音楽経験の有無を問わず、極めて一般化された[レコーディングスタジオらしい音]として共通の認識があるようにすら思えます。
そんな抽象的な音を記号化し、ボタンひとつに回路として集約した挙句廉価なオーディオインターフェースの一機能として実装してしまう。。SSLが行うからこそ特別な意味を持つ機能だと思います。
evo4の場合
次にevo4ですが、evo4には入力のゲインを自動調節するAutoGain機能があります。正しいシグナルレベルでレコーディングをする事は、いわば録音の1丁目1番地、当たり前に守るべきレコーディングの大前提になりますが、レベルの読み方やベストなゲイン設定を正しく理解している方はライトユーザーにはほとんどいらっしゃらないのが現実だと思います。
オーディオインターフェースの横によくあるLEDメーター、ソフトウェアミキサーのインプットメーター、アウトプットメーター、VUメーター、DAWのミキサー画面のメーター、プラグインのメーター、、、親の顔より見たメーター、、DAWを操作していると日常的にメーターを見ますが、同じ信号を入力した時それぞれのメーターの示す数値は必ずしも同じではないはずです。
機材を扱う際にはそのメーターが何を示すメーターなのか確認するのと同じくらい、メーターの基準値が何なのか、確認する事が必須となります。適切な読み方で信号を扱うことが、次に繋がるプラグインや機材を設計意図通りの音、ポテンシャルを発揮する事に繋がる訳です。
今回の場合であればマイク入力のゲイン設定、音が割れたり、ミックスで音量を持ち上げた時にノイズが出てしまう、、、などはもちろんのこと後段のコンプレッサーが上手くかからない、という事にもなりかねません。
しかし実際には録音の際に一人で曲を考え録音を行うミュージシャンが頭の裏ではシグナルのレベルに気を払い続ける、、というのはなかなか難しいところかと思います。ともすれば抜けがちなレベル管理という概念、インターフェース側がせめて入力のゲインの決定をアシストしてくれたら、、、というのが本機能になります。
使い方としては非常に簡単です。マイクのマークの緑のボタンを押したら、次に入力を設定したいチャンネルのボタンを押し、もう一度緑のボタンを押します。そうするとevo4は入力される音量を10秒ほど測ります。この時にレコーディングする音量でマイクに入力してあげれば、自動で最適なゲインに合わせてくれます。
推しポイントその2!豊富な付属ソフトウェア
低価格帯のオーディオインターフェースにあって、中価格帯以降のオーディオインターフェースに無いもの、、、それはずばり、充実したオマケソフトです!
SSL 2+の場合
SSLはLive LiteとPro Tool Firstを中心に、loopcloud/KOMPLETE STARTなどがバンドルされています。
要注目なのはSSL NativeのVocal Strip2とDrum Strip Plug-insです!SSLクオリティのEQ/Comp/Gate/Transient Shaper/De-Esserなどの機能を有するプラグイン類が付属します。
ミックスの手助けになる事間違いなしです!
evo4の場合
evo4はCubase LEを中心に、WaldorfやSteinbergのシンセ、Loopmasters等が付属します。面白いのはTwo Notes Torpedo Woll of Soundや、LANDRの10回分のクレジットがついてくることですね。
推しポイントその3!マイクプリ&ADの実力はどれくらい?アコギを録音してみた!
というわけで、各オーディオインターフェースのマイクプリの感触を確かめてみましょう!
個人的にキングオブ宅録マイクであるSM7Bを使用してみました。このマイクを不足無く使えるかが結構性能の分かれ目な気がします。
店頭のMacBook ProでStudio Oneを使用しました。
使用するにあたり、両方ともMacで使う分には何かソフトウェアをインストールする必要等は無いのでとても簡単です。
レイテンシーはこれくらいです。実際にはインプットミキサーを使用するのでレイテンシーは気になりません。
店頭試奏用のアコースティックギターで、2テイクほどお聞きください。
いかがでしょうか?
SSL 2+の場合
SSL 2+の方はピッキングのニュアンスが拾えていながらも、決して痛くなりすぎない楽器としての魅力が可愛く飾られて収録されている印象です。絶妙なバランスです。
evo4の場合
evo4の方は….非常に柔らかな音質です!SSLのように張りのある感じとは違いますね。雰囲気があって、音数の少ない曲に良く合うと思います。個人的にはこちらの方が好きですね。どちらかというとインスタ映え(?)するような気持ちのいい音に感じます。
SSL 2+ / evo4共に今ならオマケが付きます!これから始める録音派の方にもおすすめです!!
是非是非お問い合わせお待ちしております!
Writer.クーパー天野
記事内に掲載されている価格は 2020年3月5日 時点での価格となります。
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