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Jul.2022
製品情報

ROLAND UVC-02徹底レビュー!by大須賀 淳

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RolandがWeb会議やプレゼンを高品質の映像と音声で届けるデスクトップ用ドッキング・ステーションとして、2022年3月に発売したUVC-02について、Rock oNメールマガジンでもお馴染み大須賀 淳氏に、基本的な使い方やワンランク上の裏技まで、その使い勝手をレビューして頂きました。


ROLAND UVC-02は「Web Presentation Dock」と銘打たれたハードで、映像機器やマイクを接続することで、パソコン経由での高品質な配信やプレゼンテーションを行う事のできるデバイスです。

この製品、メーカーのWebサイトhttps://proav.roland.com/jp/products/uvc-02/でもかなり「ビジネス色」の強い印象で掲載されていますが、実は「さすがROLAND!」というレベルで、ミュージシャンが気楽に演奏を配信するのにも最適な機能や仕様を備えています。

今回は完全に「音楽視点」で、UVC-02の基本からちょっとした裏技までをご紹介します!

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●ポイントその1:「ビジュアル性」の高い演奏配信・収録

UVC-02の主な機能の一つに、HDMI端子から映像信号を入力し、それをパソコン上の会議ソフトや配信ソフトに送るというものがあります。現在はスマホのカメラもかなりの高画質ですが、例えば一眼カメラなどの動画は深みや細部の質感がまるで違い、それを使うことで演奏動画も「格」が一段上がったようなレベルアップが望めます。

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接続は非常に簡単で、多くのカメラに搭載されているHDMI出力から、UVC-02のHDMI入力に接続し、さらにUSB端子をパソコンに接続するだけ。

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UVC-02の映像信号は、ほぼ全ての会議ソフトや配信ソフトで、ノートパソコンの内蔵カメラと同じように「カメラデバイス」として認識され、選択肢に表示されます。同じ演奏でも、映像のクオリティがあがるとさらにその魅力を余す所なく伝えることができるでしょう。

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●ポイントその2:本格的なコンデンサーマイクを接続可能!

さて、この辺りから「楽器メーカー」製品の本領が出てきます。UVC-02の上面にはXLR端子が備えられており、レコーディング等に使われる本格的なマイクが接続可能です。

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UVC-02はUSBのバスパワーのみで動作しますが、XLR端子にはコンデンサーマイク用のファンタム電源を供給可能!

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これにより、ノートPCを使えば、コンセントのない場所でも本格的なコンデンサーマイクを使うことができます。持ち歩きはもちろん、ネット回線があれば野外での配信も不可能ではありません。

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マイクなど音声ソースの音量は、本体上面のノブで手軽に調整できるほか、TALKボタン(マイクのアイコンが表示された大きなボタン)を押すことでワンタッチのオン・オフができるので、1人での配信でもミスを防ぎながら簡単に操作することができます!

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●ポイントその3:充実のエフェクト!

UVC-02は、専用のユーティリティ「UVC-02 Setup Tool」を使って、パソコン上から細かな設定を行うことができます。中でも特筆すべきなのが、マイク音声に適用できるエフェクトが充実している点。

まず、あらかじめお勧めの設定が施されたテンプレートも用意されているので、最初はそれを選ぶだけでも構いません。その下には、空調ノイズなどを抑える「NOISE SUPPRESSOR」や、「サシスセソ」の音を抑えて聴きやすくする「DE-ESSER」などを備えており、基本的な音声クオリティを高くキープできます。

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さらに、ハイカット、ローカットと3つのバンドを持った、本格的なミキサーに入っているレベルの高性能EQや、

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音量のばらつきを揃えるCOMPRESSOR、一定以下の音量をさらに抑えてトークの合間などの雑音を抑えられるEXPANDERといったダイナミクス系も備えています。

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そのほか、部屋の残響を抑える「ECHO CANCELLER」、ハウリングを防ぐ「ANTI-FEEDBACK」、声が入った時のみBGM等の音量を下げるDUCKER、全体の音量を揃えるAUTO LEVELERといった、非常に充実した構成となっています。一般的な小型ミキサーなどではサポートされていないものがほとんどなので、まさに音楽配信にピッタリの「ワンクラス上」の配信音質を実現可能です!

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エフェクトは、パネル上のボタンで簡単にオン・オフできるので、演奏中とトーク中で切り替えるなどの場合でも、ワンオペで確実に切り替えることができます。

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●ポイント04:「なんでもつながる」AUX IN

UVC-02は、XLRのマイク入力、パソコンのミニジャック端子向けのヘッドセットマイクに加え、ステレオで音声入力できるAUX IN端子を備えています。ミニジャックなので、スマホや音楽プレイヤーのヘッドホンアウトからBGMを入れるような用途がまず浮かびますが、

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AUX INはミニジャック仕様なので前述のような機器ばかりが浮かんでしまいがちですが、標準フォンやRCAピンプラグとの変換ケーブルを使えば、シンセサイザーや電子ピアノなどの楽器や、チャンネル数の多い外部ミキサーといったあらゆる機器をつなぐ事ができます。UVC-02に入った信号は、特別な設定などを行わなくても全てミックスされて配信に出力されるので、不慣れな人でも「聴こえているそのまま」が送信されているという安心感を持って使うことができます。

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●ポイント05:HDMIの「音声」を活用しよう!

さて、ここからは音響機器に多少慣れている方でも見落としがちな部分を使った応用技です!

UVC-02はHDMI端子から入力された音声も、他のソースと同様に使用してパネル上部で簡単に音量調整できますが、

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例えば一眼カメラを接続した場合などは、カメラ内蔵マイクの音がそのまま流れ込んでいる場合が大半だと思います。正直、内蔵マイクは余計な音も雑多に入り、性能もそこそこなので、音質に拘りたい配信にはちょっと不向き。

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そこでぜひ、カメラのマイク入力に外付けマイクを接続して「使える」音声ソースにすることをお勧めします。

機種によりますが、カメラに接続できるマイクは何もいわゆる「カメラ用マイク」だけに限らず、様々な選択肢が存在します。

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例えば、筆者が普段メインで使用しているPanasonic GH5sでは、XLRとミニプラグの変換ケーブルを使うことで

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ステージや収録で多用されている一般的なダイナミックマイクを使う事が可能で、セッティングの幅が大きく広がります!

カメラによっては、本体標準、またはオプションでファンタム電源つきのXLR端子を持っているものもあり、通常はいわゆる「ガンマイク」をつなぐことが多いものの、レコーディング向けのラージダイアフラム型コンデンサーマイクを接続しても普通に使うことが可能です。

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一眼カメラや様々なマイクを使った高品質配信は魅力ながら、セッティングはもちろん、操作が複雑だと高いハードルを感じてしまいます。

その点、UVC-02は元のコンセプトが「ビジネス向け」だけあって、普段とくに映像・音声やガジェット類に詳しくない方でも使いやすい工夫が随所になされています。そしてそこに、世界中のミュージシャンに絶大な信頼を持つ「ROLANDクオリティ」が加われば…これはもう、音楽用途に使わない手は全くありません!

今回は完全に「配信」視点でご紹介しましたが、UVC-02はDAWからは普通に「オーディオインターフェース」として認識されるので、普段の楽曲作りにも活用することができます。「色々やりたいけど簡単なのが良い!」という初心者の方には、特に魅力的な選択肢の一つと言えるでしょう。

ROLAND
UVC-02 WEB PRESENTATION DOCK
¥31,900
本体価格:¥29,000
479ポイント還元

unnamed大須賀淳 プロフィール

映像作家・音楽家

1975年生まれ、福島県出身
企業ビデオ等様々な映像・音楽コンテンツを制作すると同時に、書籍や雑誌での執筆、大学やeラーニング等での講師、製品デモなども数多く務める。
2014年、日本初のシンセサイザードキュメント映画「ナニワのシンセ界」を監督。近著は「ネット時代の動画活用講座」(玄光社)ほか。

Twitter:
https://twitter.com/jun_oosuga

YouTube:
https://www.youtube.com/c/studionekoyanagi

記事内に掲載されている価格は 2022年7月20日 時点での価格となります。

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