最大58in / 64 outをこのサイズ/価格で実現。Danteで未来につながるI/O
1 : Pro Tools 12.6シフトが提供する魅力
12.6への進化でHDソフトウェアが3rdパーティー製I/Oを使用可能になり、ユーザーはI/Oを選ぶ自由を手に入れましたが、やはり核となるPro Toolsソフトウェアの選択はこれまで通り慎重に行いたいところ。 『HD Native』 or 『HDX』それぞれにメリットがあります。
HD Nativeのメリット
・多チャンネルI/Oコンフィグレーション
HD Softwareのみでは、最大32chまでのI/O設定となりますが、HD Nativeを使えば倍増の64chのI/O設定が可能。大規模なシステムを構成したいからはこちら。サードパーティー製品のインターフェースカードとしても活躍します。
・他システムとのインテグレーションSYNC HDの利用
外部機器との同期、SMPTE/LTCを使った同期はもちろん、9-PINを利用したMachine Controlを使えるのもHD Native以上のシステムが必要。Video Ref(BB/Tri-level sync)との調走などポストプロとして必要な機能を提供します。
HDXのメリット
・安定度抜群のDSPシステム
音声処理専用に設計されたDSPエンジンを利用するHDXシステムは、汎用プロセッサーによるCPUベースとは別次元の安定度。コストの掛かるDSPボードではありますが、その恩恵は、プロフェッショナルな作業環境にとって必須と言えるでしょう。
・低レイテンシーの恩恵
専用設計のDSPを利用することによる、恩恵として低レイテンシーの環境を手に入れることが出来ます。スループットレイテンシーは業界最速レベル。バッファーサイズを下げること無く全てのチャンネルで低レイテンシー動作を実現するのは、DSPカードを統合したシステムならでは。
・DSPエフェクト
HDXシステムだけが利用できるAAX DSPプラグイン。CPUパワーに頼ることなくDSPのパワーでプラグインを動作せることが出来ます。処理を分散することで、より多くのプラグインの利用が可能となります。まさにハイエンドシステムならではのメリットと言えます。
2 : 高いコストパフォーマンスで最大58イン64アウトを実現!
Focusrite Red 4Preは最大24bit/最高192kHzDA/ADを誇る、オーディオI/O。接続フォーマットはDiGiLink(2基)に加え、Thunderbolt 2(DiGiLinkと排他)、Danteに対応。Rupert Neve氏が残したFocusriteのアナログ技術とこれまでのオーディオI/O開発の技術が高度に融合しています。
Re 4Preの大きな魅力の一つは、非常に多くの入出力を備えるところ。Dante接続でA16RなどのIn/Outボックスを拡張することで、最大58in/64outを実現します!1chあたりのコストパフォーマンスは群を抜いて高い。
図は26in/32outで、ここにDanteで32in/32outを追加可能。Dante入出力は排他的関係のDiGiLinkもしくはThunderbolt 2へアサインされていますが、将来的にこのルーティングが自在にできれば、異フォーマットのハブとしてスタジオでさらなる活躍が期待できます。メーカーの対応が気になるところ。
3 : Dante インターフェースによる高い運用性
Red 4Preの2つあるDanteコネクタは、Pro Tools – Danteブリッジとして機能する他、Dante対応DA/ADのA16RやA8Rなどの入出力拡張ボックスを接続することが念頭に置かれたものでしょう。
この入出力の拡張は単に数を増やすだけではなく、Danteネットワークオーディオの徳ちょうを活かし、メインルームから録音ブースをつなぎ、遠隔操作によるレコーディングを実現。もちろんネットワーク上で複数台のDante機器を同時に使用し、ホストとI/Oが1対1の関係だった従来の制作スタイルでは考えられなかった、汎用性あるソリューション構築を可能とします。
今ではマイクロフォンやモニタースピーカーもDanteコネクタを持つモデルが登場しています。将来的にあらゆる機材がネットワーク上のEtherケーブルでつながるDanteソリューションが現実化するのももう間も無くでしょう。Co Working化、複雑化する業務を無駄無く手早く確実にこなすためのDanteのコアシステムになる、Red 4Preの導く未来のワークフローが業務を変えていきます。
4 : HD Native環境でも低いレイテンシーを実現!
Focusriteは、Red 4PreのHost DAW別のレイテンシーを公開中。
Red 4PreはHDX接続に話題が集中するが、HD Nativeで使用するとしてもこれほどにレイテンシーを抑えています(96kHzの場合、HDXシステムが0.7ms、旧HD Accel systemが0.96ms)。
オーディオI/OメーカーがDAW別にレイテンシーを数値で公開することは珍しく、この表はFocusriteの自身のほどが窺えるものです。
5 : 伝統のサウンドシミュレートするAir機能搭載!
元はといえばRupert Neveが創設したFocusrite社。当時の代表的な製品といえば、伝説のForteコンソールでしょう。
ForteはLundahl L1538トランス・マイクプリにより、80年代を象徴するきらびやかで特徴的なサウンド傾向を持ちながらも、音響特性にも優れ万能ともいえる高い音質を誇りましたが、当時「億単位」という高額製品だっため、世界中のスタジオエンジニアが憧れるコンソールとしても有名でした。
このForteコンソールの設計を受け継ぎ、定番サウンドとなっているのがトランスベースのマイクプリアンプISAシリーズです。Red 4Preはこれのサウンドを再現する“Air”機能を搭載しました。
ONにするとすべてアナログ入力インピーダンス値が2.1Ωに設定されます。この作用と、元々フラット特性のマイクプリにトランステイストが加わり、ISAプリアンプ特有のミッドハイを繊細にブーストする周波数特性カーブへ切り替わります。
フラットでトランスパレンシーなモダンサウンドと、ハイ上がりの伝統サウンドの2つを使い分けできるのは大きなメリットでしょう。
記事内に掲載されている価格は 2016年9月26日 時点での価格となります。
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