Rupert Neve Designsの誇る定番アウトボードが、ブラックカラーに一新したPortico II Master Buss Processorを発表しました!
今回、Rupert Neve Designs社創業15周年を機に、リクエストの多かったブラックカラーに一新されて発売です。
旧モデル(グレーカラー)との機能面の違いですが、下記スペックが変更となっているだけで、その他の機能は同じとなります。
・アタックタイム:20 mS – 75 mS → 20ms – 80ms
・リリースタイム:0.1s – 2.2s → 0.1s – 3.0s
・SC HPF:150 Hz → 125 Hz
Rupert Neve Designsはプロフェッショナルオーディオ業界のレジェンドエンジニア、ルパート・ニーヴ氏が2005年に立ち上げ、独自の設計哲学にこだわったスタジオ機器をつくり続けています。
数あるラインナップの中でもPortico II Master Buss Processorは2011年3月の発売以来、2チャンネルのダイナミクスプロセッサーとして数多くのスタジオで稼働しています。元々はマスタリング機器として登場しましたが、現在ではミックスエンジニア、レコーディングエンジニア、さらにはライブサウンドエンジニアにもお気に入りの機材となっています。
×なおグレーカラーの旧モデルは、在庫限りで取扱い終了となります。
マスタリング・コンプレッサー / リミッター / ステレオ・フィールド・エディター
Portico II Master Buss Processorは、Rupert Neve Designs のアナログコンソールである5088や、Portico II Channel で採用されている高電圧駆動、ディスクリートのクラスA回路をベースにしたマスタリングプロセッサーです。このクリエイティブツールは、伝統的な2チャンネルステレオのコンプレッションとリミッティング効果の枠を超え、その境界線を再定義します。
マスタリング環境のために開発されたMaster Buss Processorは、ミキシングエンジニアやレコーディングエンジニア、そしてFOHエンジニアにとって、すぐにお気に入りのプロセッサーとなるでしょう。重低音の効いたEDMサウンドのミックスから繊細な室内管弦楽のマスタリングに至るまで、このプロセッサーがジャンル、用途を問わず、特別な成果を与えてくれることでしょう。
Rupert Neve 氏が設計した入力と出力トランスフォーマーと72Vの高電圧回路を備えたMaster Buss Processorはどんなシステムにおいても完璧にマッチします。マスタリンググレードのつまみ類をその革命的なダイナミクス、トーン、ステレオコントロールに備え、精密な設定を可能とします。定評ある特徴的なRupert Neve 氏のクラシックデザインをさらに進化させた新回路によって、十二分のヘッドルームと広いダイナミックレンジ、低い歪みとノイズ、優れたスルーレート(素早い立ち上がり)と分離の良いバンド帯域、そして正確さ、精密さを誇ります。そしてもちろん数多のレコードで耳にできる甘く音楽的な Neveサウンドの魅力は、このMaster Buss Processorにもしっかりと受け継がれています。
○主な特長
・パワフルな2チャンネル仕様のコンプレッサー/リミッター/ステレオフィールドエディター
・アタック、リリース、レシオ、スレッショルドのコントロールを含むフル機能を両チャンネルに搭載したコンプレッサーセクション
・両方のコンプレッサーをコントロールするハイパスフィルター付きのサイドチェイン入力
・コンプレッサーのモダン、またはビンテージサウンドをコントロールするフィードバック/フィードフォワードモード
・クラシックなRupert Neveサウンドを付加する2つのSilkモードを持ったテクスチャコントロール
・ドライ信号をコンプレッション信号にミックスすることで、パンチを得ながらもトランジェントを実現するブレンドコントロール
・アダプティブリリーステクノロジーによるシンプルながら音楽的な動作のワンノブリミッター
・それぞれEQを持つウィズス/デプスコントロールによるステレオフィールドエディターセクションでの完璧なステレオフィールドの構築
コンプレッサー
Master Buss Processor に装備された2基のコンプレッサーは、モノラル/ステレオソースを問わず、そのダイナミクスをほぼ無限に扱う可能性を持っています。レシオ、スレッショルド、アタック、リリース、ブレンド、サイドチェイン、ハイパスフィルター(HPF)、リミッターそしてメイクアップゲインコントロールで精密かつ大胆に扱うことができます。
このコンプレッサーにはふたつのコンプレッションモード : FF(フィードフォワード)と FB(フィードバック)が用意されたを備えたVCAによる処理を行います。“FB” は音楽的かつ心地よいサウンド効果をもたらすビンテージモードで、“FF” は入力信号に対してより正確に動作し、透明感のある処理をするモダンモードとなります。また、約 0.1ms の素早いアタック処理をする “Peak” モードを装備しています。このモードによりコンプレッサーのアタックはサウンドのピークに応答し、ドラムやパーカッションなどの急激なトランジェントでも確実なコンプ処理を行います。”ピーク” スイッチをオフにした場合、コンプレッサーは通常の “RMS” モードとなり、入力レベルの平均値に対してアタックとリリースタイムの設定に従って動作します。
リミッター
Portico II Master Buss Processor には究極にシンプル、かつ多様性に富んだ透明感のある音楽的なリミッターが装備されています。このリミッターはたったひとつのノブ操作だけで、さまざまな信号に対して適切な処理をするインテリジェントタイプです。この画期的な機能は、Rupert Neve Designsが新たに設計したアダプティブリリーステクノロジー(Adaptive Release Technology)によって実現します。一定のリリースタイムを混ぜることで、トランジェントの速い信号(スナップの効いたスネアドラム)と立ち上がりが遅い信号(例えばベースギター)の両方を同時に扱います。この構成により、Master Buss Processorのリミッターは素早い動作をするリミッターに見られる変調歪みを排し、音楽本来のキャラクターを損なうことなく劇的なリミッティングを可能とします。
ステレオ・フィールド・エディター
Master Buss Processor のステレオフィールドエディター(SFE)は伝統的なM-S(ミッド-サイド)テクニックをベースにしたソース信号のステレオ空間の調整を行うプロセッサーです。その操作はウィドスとデプス、およびそれぞれのコントロールと連動したバンドパスフィルターを使用します。
ワイズはステレオ音像の広がりの増減(より広くからモノラルまで)を操作します。レコーディングに含まれているアンビエンス量の調整にも使用できます。ノブをワイド方向に回した場合、左右チャンネルの差異成分が強調され、しばしば結果としてアンビエント量を増やすことになり、ステレオリバーブにアクセントを加えることができます。逆にモノ方向に回した場合はステレオ感は狭まり、もし左右チャンネルの内容が統一のとれたもの(例えば2つのチャンネルがほぼ同じ素材で位相もずれていない内容)の場合、モノラル成分は一層強調されます。もし、片方のチャンネルの入力信号が逆相であった場合、モノラル(ステレオの中心に定位される)成分は打ち消されます。これはウィドスコントロールによるステレオ効果の量が、元素材に含まれているステレオ情報量とステレオフィールドエディターの他のコントロールとの相互作用によって得られるからです。最良の結果を得るためには、実際にその効果を確認しつつ操作を行うことをお勧めします。
デプスコントロールは奥行き感を操作するためのノブです。センターに定位したソロ楽器やボーカルをミックスの中でもう少し前面にする際に便利です。また多くのケースでは音楽に悪影響を与えることなく、それらの成分をカットすることも可能です。デプスとウィドスを組み合わせることで、ミックスのルームアンビエンスと奥行きを調整できます。
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記事内に掲載されている価格は 2021年1月18日 時点での価格となります。
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