先日の10/10(1010の日!)にblackbox firmware 2.0が発表されました。
初登場時から凄まじいスピードでバージョンアップを重ねてきたblackbox、遂に待望のメジャーバージョンアップです。1010musicは熱心なユーザーたちによる活発なフォーラムを持っていて、そこで数多く寄せられた要望が今回のバージョンアップに反映されています。内部LFOの搭載やグラニュラーモードの機能拡張など見逃せない内容になっています。
これまでのエクセルライクな表示形式から、SEQUENTIAL REV2やDSI TEMPESTを彷彿とさせる解像度の高いノブのグラフィックになりました。そしてこのパラメーターは物理ノブだけでなく、なんとタッチにも対応。目的のグラフィックの上で指を上下にスライドさせると値がスムーズに変わります。物理ノブで動かす対象範囲はマゼンタ色のカーソル内で表示されますが、このカーソル自体もタッチ操作によって動かすことができるようになりました。
フィルターにレゾナンスが付いている!これは本当に要望が多かった機能ですね。カットオフ自体は0.0%がスルーで右に行くとハイパス、左に行くとローパスというシンプルなDJエフェクター風のものでこれは変わらず。今後のアップデートでフィルタータイプも選べるようになってくるとさらに面白くなりそうです。
3:ADRモジュレーションが可能に。
そしてこのMainページの8つのパラメーターをよく見るとSUSTAIN以外の全てのノブの横にスロットが三つあります。これはモジュレーションスロットになっていて、一つのパラメーターに対して三つまでモジュレーションソースを割り振ることができます。みなさんもうお気付きですね、そうです。ATTACK/DECAY/RELEASEもモジュレーションできるようになりました!これはまさに痒いところに手が届くアップデートになっていて例えばリズムを組むときにハイハットのディケイに緩やかにモジュレーションを掛けることで、グルーヴ感をアップさせたりできます。
4:内部LFOが追加
これが一番待ち望まれていたのではないでしょうか!?前述のモジュレーションソースに内部LFOが追加されました!もはやモジュレーションソースにLFOが付いてない機種の方が珍しいくらいの当たり前の機能ですが、待ってましたよ!モジュレーションを掛けたいパラメーターを選択したら右上の「INFO」ボタンを押します。すると出ましたLFO!ボイスごとに一つのみの搭載(PADごとという方が分かり易いですかね)ではありますが、本当に嬉しい!
LFOの波形はSaw/Rev Saw/Triangle/Pos Tri/SIne/Pos Sine/Square/Pos Squa/Randomの9種類。そしてここでも嬉しいのが二つ。一つはLFOのDEPTHとRATEもモジュレーション可能で、そのソースに自ら(LFO)を選択することが出来る点。そしてもう一つがBEAT SYNCに対応している点。グルーブ系のパーカシヴなサウンドに最適です。
そしてLFOで変調したいのがこれ!ディレイ・エフェクトが強化されました。バンドパスフィルターが追加されCUTOFFとWIDTHがコントロール出来るようになり、フィードバック量もモジュレーション出来るようになっています。兄弟機種であるblueboxのアルゴリズムが継承されていますね。
blackboxのマスターエフェクトはこれまでコンプ(ON/OFF)のみでした。これはこれでなかなか味のあるコンプで個人的な印象ではDrawmerのLX20のような軽くてスコーン!となるようなサウンドです。しかしそのコンプで良い音を出そうとすると各トラックの追い込みが大変でしたが、今回マスター段に4バンドのパラメトリックEQが追加されました!これでライブパフォーマンスにblackboxを持ち出した際など現場でEQの最終調節が出来るようになりました。ノブとボタン操作以外にもタッチにも対応しています。blackboxは小型でかつ音の解像度が高く、とにかく出音が良いので積極的にライブで使って欲しいですね。FXボタンを二回押すとこの画面になります。
7:TAPテンポに対応
ライブと言えば、TAPテンポが追加されました!SONGモードに行って左上のBPMが表示されているエリアを指でタップするとBPMを検知してくれます。blackboxはサンプルの再生方式が充実していてSample/Clip/Slicer/Granularと4つ選択出来るのですが、Clipにしてリズムのループを素材などを入れておくとBPMに追従して自動でタイムストレッチ(音程が変わらないやつ)されるので、ライブパフォーマンスの時に他の出演DJに合わせてBPMを変えるなんてのも便利です。ちなみにSampleモードだとテンポに対してサンプル再生スピード等は追従しません。
8:グラニュラーシンセシスが大幅強化
サンプルモードの一つGranular。これが搭載されていることが他のサンプラーとこの1010music blackbox/bitboxが大きく違う一番のポイントと言っても過言ではありません。これまではグレインサイズ(分割した単位)とデンシティ(密度)がわずかな変更しかできませんでしたが、今回のアップデートで0.0~100%のフルレンジでコントロール出来るようになりました。そしてさらにSCATTERやWINDOW/PAN RNDが追加。PAN RNDは他のシンセサイザーで言うところのPAN SPREADのようなものでランダムにサウンドを左右に飛ばし広がりを与えてくれます。これが使ってみると非常に良い塩梅で、アンニュイなアンビエントやドローンを作る際などに効果的で、絶対使いたくなります。WINDOWはどう言うパラメーターなのか分かりませんが、サンプルの再生ポイントがノブの位置に合わせて先にずれていきます。ショートディレイのような感じで使うのが好みでした。ぜひデンシティー100%、SPEED0%近辺、GRAIN SI 0%近辺でつまみを弄り、「ギギ〜〜〜〜」と言うグラニュラー独特のサウンドを楽しんでください!
9:MIDIトリガーレコーディングに対応
これまで外部サウンドのレコーディングはスレッショルド(決めた値を超える入力がきたらスタート)又は手動で行うしかありませんでしたが、パッドごとに対応したMIDIノートナンバーを受けることでレコーディングをスタートさせることが出来るようになりました。
10:MIDI用シーケンスモードの追加
サンプルをロードしていないパッドを使って、外部MIDI機器をコントロールするためだけのMIDIシーケンスを組むことが出来るようになりました。
MIXボタンを二回押すだけでミュート画面に行くことが出来るようになりました。これまではINFOボタンを併用していました。ライブの時などはささっとできて良いですね!そしてタッチスクリーンでミュートってやりにくいのでは?と思うあなた、ご安心ください。blackboxはディスプレイ性能が良いのでパッドの上で指をさっと滑らせてON/OFFをつるっと切り替えることが出来ます。
以上が今回のアップデートの大まかな内容になります。
個人的にはパラメーター画面の見た目が変わってプロダクトとしての完成度がより一層高まったこと、そしてLFOが追加されたことが大きなトピックでした。あまりにも個性的で他に類を見ないタイプのスタンドアローン型のサンプラーblackbox。これからも進化を止めずどんどん強くなっていくでしょう!なお、blackboxは次回入荷分からメーカー希望小売価格が変更になり値上げになります。Rock oNではもっと多くの人にblackboxの魅力を知っていただきたいので、
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記事内に掲載されている価格は 2021年10月12日 時点での価格となります。
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