今回は人気プラグインの一つであるCenterを改めて取り上げてみようと思います。この記事をご覧の方の中には、既に使用している人もいるかもしれませんが、このプラグイン、使い込んでいくとなかなか面白い使い方が出来ます。
Centerは主にファイナルミックスやマスタリングに使用されるプラグインで、使用法としてはマスタートラックにインサートして、センター成分のボリュームやサイド成分のボリュームを調整する用途として多く使用されています。
そしてStereoにミックスダウンされた曲のリードボーカル部分を抜いたりすることができるのでリミックスなどにはもってこい!なプラグインだったりもします。プリセットにも「Karaoke」なんて直球な設定があったりして、がっつりCenter Gainがオフに設定されています。
またパラメーターをよく見ていただくとお分かりのように、OFFから+6dBまで設けられており、センター成分をカットするだけではなく、センター成分を強調することもできます。しかも、センター成分の中でもLow、High、Punchと分けられており、周波数帯域によってどれくらいセンターに寄せるのかサイドに分けるかのバランスを変更することも可能です。Punchと表記されている帯域は、トランジェントと呼ばれる帯域で、ボーカルやセリフなど、いわゆる人の声の帯域のことを指しているようです。
音楽系で使用するなら、トータルミックスにかけるだけでなく、シンセなどのステレオの楽器にインサートしてもいいかもしれませんね。リードボーカルと音域が重なっていると、どうしてもボーカルが奥に隠れてしまったりしてしまいますが、CenterでPunchのつまみをSidesへ調整してあげれば、リードボーカルとぶつからなくなります。
プリセットもいくつか用意されており(Karaokeはさて置き)、Less Vocalという設定はそのままシンセなどにかけたり・・・と、すぐに使える即戦力なプリセットが用意されています。
またCenterは音楽用途だけではなくポスプロ作業にも使用できます。先ほどご紹介したPunchのつまみがボーカルに対して楽器という関係だけではなく、セリフと効果音などにも応用できるからです。
セリフを強調できるように「Focus Dialog」というプリセットが用意されていて、インサートするとセリフがぐっと前にでてきます。また、メインのセリフの音量があまり稼げないような場面では、逆に効果音やガヤの声にCenterをかけてPunchでSidesへ寄せてメインを際立たせる…なんて使用法もいいかもしれませんね。
以前にご紹介したVocal Riderでメインボーカルやダイアログの音量を調整した後にCenterで音を配置してあげて…と、今まで以上に作業が早くなりそうな予感がしますね!!
CenterはDiamond以上のバンドル、Grand Masters Collectionに含まれています。
記事内に掲載されている価格は 2014年6月30日 時点での価格となります。
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