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イベント
05
Nov.2025
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【レポート】1コイン ワークショップ / LV1 Classic デジ卓初心者向け体験会

LV1は「DAWユーザーにの入門にも最適なライブコンソール」

2025年10月30日にRock oN渋谷で開催された「LV1 Classic デジ卓初心者向け体験会」では、Media Integration 佐藤氏を講師に招き、WavesのライブコンソールLV1を題材にDAWユーザーに向けてライブコンソールでのオペレーションを紹介。DAWユーザーがライブコンソールを触る際につまづくことや、従来のライブコンソールが抱えていたエフェクト数の課題や、ライブサウンドとレコーディングの音作りの考え方の違いについて解説されました。

また、WavesはレコーディングやDAWユーザーでは当たり前のブランドだが、ライブサウンドへの参入は後発であり、そのため他コンソールとは考え方の違うユニークな機能が豊富でありながら、外すことのできないライブコンソールの基礎基本が詰まっており、DAW経験者にとってLV1は最適なライブコンソールだと解説しました。

講師:クーパー天野、Media Integration 佐藤

1. 従来のライブコンソールの課題とLV1のポイント

従来のライブコンソールは、利用できるエフェクトの数に限りがあり、プラグインの考え方がDTMユーザーと異なります。多くのライブコンソールでは、エフェクトはチャンネル外の「エフェクトラック」として扱われ、ラックの数に制限があるため、全チャンネルにクリエイティブなエフェクトを活用するにはスペックできに難しいものでした。

• 全チャンネル最大8プラグインインサート
LV1では、全チャンネルに最大8つのエフェクトプラグインをインサート可能です。これは、従来のDAWで使用されていたWavesプラグインや、ライブ向けに操作が簡素化された新しいエフェクトも含むものです。

• スタジオライクな音作り
LV1の音質は非常に「素直」であると評価されており、エフェクトでいくらでも音作りができるスタジオライクな特性を持っています。これはAvid S6Lに近いアプローチです。

• 少ないパラメーターで「正解の音」へ
ライブでの仕込み時間の短さを考慮し、LV1は少ないパラメーターで「正解の音」に近づけることを目的としたエフェクトが導入されています。例として、「Scheps Omni Channel 」が挙げられました。これは、特定のプリセット(例えばキック)を選択肢、focusボタンを押すことで、触るべきポイントが色分けされ、迅速な音作りを可能にします。

• 1本のフェーダーでステレオ駆動
多くのライブコンソールではステレオトラックを活用する際には2本のフェーダーをリンクさせたり、ステレオトラックを使う際に遅い番号のインプットが使えなくなるケースがあります。
LV1はモノラル、ステレオにかかわらず、フェーダー数がインプットの上限になるため、DAWユーザーさんがライブコンソールデビューする際の混乱が減ります。

Scheps Omni Channel

2. DAWとライブコンソールの概念の違い

DAWユーザーがライブコンソールに触れる際に理解すべき独特な概念について解説。

バスの概念
DAWにおけるバスと異なり、ライブコンソールでの「バス」は「出口」という意味合いが強くなります。ライブでは、転がしモニターやイヤモニへの送りのためにバスが不可欠であり、LV1では最大52バスまで設定可能です。
*リバーブやディレイなどもこのバストラックにまとめることが可能です。

送りポイントの重要性

ライブでは送りポイント(プリフェーダー/ポストフェーダー)の選択が重要です。
• リバーブのようにフェーダー操作に連動させる場合はポストフェーダーが都合が良い。
• 演者へのモニター(転がしなど)は、演奏者がフェーダーバランスによって演奏に影響を与えないよう、プリフェーダーで送ることが多いです。

PA事故を防ぐ「ソロ」機能
DAWのソロ機能は選択トラック以外を遮断しますが、ライブコンソールのソロ機能はPAにおける事故を防ぐため、設計思想が異なります。多くのライブコンソールのソロは、メインLRを遮断せずにヘッドホンアウトにのみソロで音が聞こえるように設計されています。演奏中にソロを選択しても、メインスピーカーからの音は途絶えません。

3. ライブ特有の機能と操作性

A. モニターミックスのためのフリップ機能
ライブではモニター用のミックス作成の迅速さが求められます。LV1のフリップ機能は、瞬時にチャンネルのアウトプットフェーダーをモニターへの送り量調整フェーダーに切り替える機能です。これにより、演者からの要求があった際に即座に調整を行うことができます。

B. マトリックスの活用
ライブでは最終的にマトリックスを介することが多いです。マトリックスの主な用途は以下の通りです。

1. アンプ保護
内部処理のフルビットを維持しつつ、アンプ保護のためのリミッター設定を行う。LV1は32ビットフロート処理のため、マスターLRがクリップしていてもマトリックスで下げれば音質を維持できる。

2. 音源ミックス
館内放送などの他の音源のミックスに利用される。

3. 複数のスピーカーの調整
ディレイスピーカーやサイドフィルの音量調整に複数のマトリックスが使われる。
*限定的なケース

C. シーン機能とミュートグループ
ライブコンソール独自の機能として、ミュートグループとシーン(スナップショット)機能の重要性が挙げられました。

• ミュートグループ
対バン時やアイドルグループのメンバー入れ替わりなど、瞬時の切り替えが必要な場面など、複数のチャンネルを一括でミュートするために活用されます。

• シーン機能
曲に合わせてエフェクトの状態やフェーダーの位置などを、音切れなく瞬時に切り替えるために使用されます。これはレコーディングにおけるセッションリコールとは異なり、ライブ特有の考え方です。楽曲ごとの設定やバンドごと設定などを保存、読み込みが可能です。

まとめと推奨ユーザー

LV1は、従来のコンソールとは異なり、1本のフェーダーでステレオチャンネルを扱え、チャンネル数に影響を与えない設計が特徴です。LV1の音質は「素直」であり、エフェクトで音作りをするというレコーディングクオリティーのアプローチが可能です。

LV1は、DAW経験者が初めてライブコンソールを触る際に最も馴染みやすく操作できるデジタルコンソールであると言えます。また加えて、まず、LV1に慣れると、その知識をベースに応用してAvid S6L、DigiCo、YAMAHAといった主要なライブコンソールにも対応できるようになる(はず)、と解説しました。

1コインワークショップは毎週木曜開催中!

※料金は全てワンコイン(500円(税込))
詳細、お申し込みはこちらから!

https://www.miroc.co.jp/rock-on/1coin_workshop_schedule/

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記事内に掲載されている価格は 2025年11月5日 時点での価格となります。

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