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04
Dec.2019
Rock oN

Ableton Live10 CV TOOLS誕生アイデアの源泉を聞く:Dylan Wood氏インタビュー

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Live 10 Suite 向けに10種類の Max for Liveデバイスを収録した 「CV Tools」 は、ピッチ、コントロール、クロック、トリガーといったCV信号の生成と受信を行う事が可能。 互換性のあるDCカップリング対応のオーディオインターフェースを使って、モジュラーシンセやその他のCV機材をAbleton Liveに接続することで、CV信号の送受信やモジュレーションを可能にします。今回はAbleton本社サウンド部門責任者 Dylan Wood氏に 「CV Tools」 誕生アイデアの源泉を聞く事が出来ました!

CV TOOLSに関する詳細はこちらをチェック!

Rock oN (以下略 R) : ようこそRock oNへ! まず始めに、Dylanさんの自己紹介をお願いします。

Dylan Wood氏 (以下略 W) : ニュージーランドのオークランド出身で、音響機器業界に20年以上携わっています。まずは音楽機材の販売店でキャリアをスタートしました。その後、テレビや映画音楽、サウンドデザインなど音楽制作の仕事を経て、Seratoにて7年ほど製品開発をしていました。それからAbletonに入社し、本社で製品開発を5年ほどやっていまして、現在は生活の拠点をニュージーランドにおいています。元々ギタリストで、その後、エレクトロニックミュージックの制作を始め、今ではドラムやシンセも演奏します。Abletonの仕事で世界を飛び回る事が多くて日本には度々来ています。

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R : Seratoではどんなお仕事をされていたんですか?
W : DJコントローラー等のハードウェア開発をしていました。開発を進めるために日本に来る事がよくあり、当時はVestaxやDenon、Pioneer、Korg といった会社を訪れていました。他社とのコラボレーション業務で、プロジェクトマネージメントの仕事をやっていました。

R : Dylanさんはどんな音楽が好きなんですか?

W : 最近聞いているのはボニーフェイルというバンドやクロアチアン・アモールというアンビエントミュージックですが、時代を超えて新旧問わず聞きます。元々ギターやシンセサイザーを置いているお店で働いていたのがきっかけかもしれません。お店で色々と楽器や機材を触っている内に、テクノロジーに関してすごく関心を持ち、色々な機材を使うのが得意になりました。Ableton Liveはバージョン1が出た頃、お店で販売をしていましたが、その頃にDJを始めて、Boards of CanadaやDJ Shadowといったアーティストに影響され、最終的にはサンプラーやシンセを使って音楽を作るようになりました。働いていたお店がオークランドで一番大きいレコードショップの隣にあって、稼いだお金をレコードやシンセに全部費やしていました(笑)。

R : ニュージーランドの音楽シーンの情報は日本にあまり入ってこないんですが、どういう感じですか?

W : 音楽をやっている人はたくさん居るんですけど、ニュージーランドは人口約400万の小さい国で、実際に音楽を職業としている人はごく少数です。素敵なミュージシャンもたくさん居ますけど、金銭的な面で成功している人は少ないですね。エレクトロニックミュージックのシーンはさらに小さいのですが、野外フェスは多くて、モジュラーシンセを公園の中で演奏し合うといった事の出来るModular on the spotもあります。 Modular on the spotはカリフォルニアで始まったフェスですが、いくつかルールがあって、そのルールにさえ従えば自分の持って来たモジュラーをセットアップして飛び込みスタイルで演奏できます。

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R : 今のAbletonでの仕事の内容や役割を教えて頂けますか?

W : 本社サウンド部門の責任者をやっています。サウンド部門がどういった事をやっているのかと言いますと、ソフトウェアインストゥルメントのデザイン、エフェクトやデバイスなど、あとはサウンドパックなどのサウンドライブラリのデザインを行なっています。サウンド部門には多くのスタッフがおり、その中で誰がリーダーシップを取って開発するのか、という決定を行なったり、プロダクトのデザインやコンセプトを考える仕事を担当しています。作る事が好きなので、他のエキサイティングな社員とエキサイティングな物を作る時が一番楽しいですね。

R : ベルリンのAbleton本社にはよく行かれるのですか?

W : 年に3~4回です。ニュージーランドからだと片道36時間かかり、とても遠いですね、、、スラックやスカイプを使ってコミュニケーションしています。

R : AbletonにはDylanさんのようにベルリンに居ないスタッフは多いのですか?

W : そんなに多くはなく、本社で仕事をしている社員がほとんどですが、ベルリン本社の他にロサンゼルスのパサデナと日本に支社があります。

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R : ここからLive10に新たに備わったCV TOOLSについて聞いていきます。CV TOOLSのアイディアはどうやって出て来たのでしょうか?

W : モジュラーシンセを10年ほど前から、半田ごてを持って自分で作り始めました。理由は、ニュージーランドで買うととても高いので「自分で作っちゃえ」と思ったんです。ベルリン本社開発部門にも、モジュラーシンセやアナログシンセが好きな社員がたくさんいて、モジュラーとAbleton Liveを一緒に使う事を以前から社員が行い、その際に、モジュラーとコンピューターを繋げるためにExpert Sleepers ES-3 を使っていました。ただ、セットアップの面で複雑だと感じていて、エンドユーザーが使いやすくなる製品を目指し開発に至りました。モジュラーシンセだけで全部やろうとすると、とてつもない数のモジュールが必要になりますが、コンピューターとLiveを一緒に使う事でシンプルになりますし、費用も抑えられる。そう思ったんです。

R : Expert Sleepersと業務提携は行ったんですか?

W : 公式な連携ではなかったのですが、Expert Sleepersのスタッフと話したりベータテスティングをしてもらったり、また個人的に機材を買っていたので、彼らとはたくさんの会話を行なっていました。Expert Sleepersの機材が一番簡単にコンピューターとモジュラーを繋げる事が実現できるので便利です。また、DCカップリング機能が搭載されていないオーディオインターフェースでもクロックだけでしたらCV TOOLSを使う事は可能です。

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R : オーディオインターフェースで、DCカップリングが出来るモデルが最近登場していますが、インプットが出来るモデルがあまりないなと思っていますが、お勧めはやはりExpert Sleepersなのかなと思っています。

W : お勧め機種に関しては、ただ録音したいというだけであれば普通に出回っているオーディオインターフェースで問題ないと思いますが、CVをコンピューターに送るという意味ではやはりExpert SleepersのES-6がお勧めです。私が使っているセットアップではES-6で6個のインプット、ES-8では8個のアウトプットがある物を使っていて、その2つをADATケーブルで繋げています。そうすると私のモジュラーシンセとラップトップのシステムでは、スタジオで繋げる時にケーブルが2つしか要らないので、とてもシンプルにセットアップできます。

私にとってCV TOOLSは「糊」のような物だと考えています。色々な機材を使ってミュージシャンが音楽を作っている中、MIDIが使える機材を使っている人も居ますし、そうでないアナログハードウェアを使っている人もたくさん居て、色々なセットアップの例がありますが、より簡単にシームレスに繋げられるように一つのシステムとして使えるための糊。CV TOOLSはそんなイメージですね。

Rock oN 解説 :

DCカップリング対応のオーディオインターフェースや、CV信号、ゲート信号などについて詳しく解説されたAbletonチュートリアルページもご参考に!

R : シーケンスのデータをモジュラーシンセとLive間で行き来させる具体的な面白い使い方はありますか?

W : 私のスタイルでいうと、即興性を大切にしてパフォーマンスしています。CV TOOLSを使ってマルチトラッキングできる土台を構築してからクロッキングして、即興パフォーマンスを行います。なおかつマルチトラックでレコーディングした物を後で編集する事も簡単なので、制作物のクリエートもスムーズです。

他には、Berlinのデュオ Skinnerboxの例https://www.ableton.com/ja/packs/by/skinnerbox/)だと、Liveをミキサーやエフェクターとして使ってパフォーマンスする方法もありますよね。ユーザーによって本当に様々な使い方があると思います。個人的にお勧めな使い方はLiveのグルーヴ摘出機能を使う事です。摘出したグルーヴをモジュラーシンセに送るクロックに適用させる事で、シーケンスの機械的な感じに人間味を加味できる。モジュラーシンセだけでは人間味を出すのが難しいけど、Liveと一緒に使う事で人間味あるリズムに出来ますね。

R : 最後に、日本のユーザーに向けてメッセージをお願いします!

W : 音楽を作る事は労力もかかるし難しい事です。それでもやり甲斐のある事で、音楽を作っている時に楽しむという事を忘れないようにして下さい! 出来た音楽からまた楽しさを一つ一つ見つけて行く事を忘れずに、Liveを使って音楽制作に取り組んで頂けたら嬉しいです!

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記事内に掲載されている価格は 2019年12月4日 時点での価格となります。

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