夏もいよいよ本番、きっと気づけば秋が来そうなタイミングですが、いかがお過ごしでしょうか?
なので早速ですが、Antelopeのコンデンサーマイク Edge Solo と Edge Note があるので、このマイクのサウンドレビューをコンテンツ化するに加えて、自分のエゴを織り交ぜつつ「ギターアンプをマイク別に録ってみた!」をやってみました。
ようやく本題
モデリングで定評あるAntelopのマイクを、通常のコンデンサーマイクとして比較試聴!
今回起点となったAntelopのコンデンサー系のマイクラインナップにはEdge Solo、Edge Duo、Edge Quadro、Edge Noteと4種類とあり、その他にUSB接続が可能なEdge Goと、インターフェース機能も備えたAxinoと違うコンセプトが用意されております。ちなみに補足として、EdgeシリーズはモデリングマイクとしてAntelopeが展開しており、Discrete 4やOrionといったインターフェースがあれば、ミキサー機能にマイクのモデリングをインサートすることが可能です。
3アンプ、3パターンマイクで比較!
Mesa Boogie Mini Rectifire
(CabinetはBootleggeを活用)
加えてFenderのアンプ、M.I.D様にご協力いただいたBootlegger Guitar Blues 20 Special Toneflake Custom、そしてRock oNスタッフ天野所有のRectifireのヘッドを使用し、怒られるのを覚悟しながらBootleggerのキャビネットを活用し3アンプ、3パターンマイクで行います。
それではやってみましょう!
U87Ai + C451
定番機種の組み合わせになります。低域はU87を、ギターの鋭いところはC451でと思って狙ったのですが、試した中で非常に太くは録れております。
C451は歪ませた時のジャキジャキも録れつつも、低音もそこそこ録れているので、中域、中低域がしっかり録れるU87と組み合わせれば、良い感じにブレンドしやすいかと思います。とても使い易く、尚且つサウンドもイメージしやすい。特にMESAアンプの耳を劈くようなサウンドは太く録れている影響もあってか、やや丸く感じますが、普通はこれぐらいで良いのかなと思います。
ギターのサウンドを録っておいて後に音を変えてみたい方にはおすすめです。
Edge Solo + Edge Note
本企画の主役ですが、U87の組み合わせと比べると高域のニュアンスがよく録れております。太さに関してはギターでは申し分はなく、多分他楽器で作曲をやっている方からするとこういうサウンドの方が好みではないでしょうか(私は好みでした)。
なおEdge Noteはペンシルタイプとして選びましたが、案外Edge Soloと音色傾向は近いような気がしつつ、Noteの方をフェーダーを上げていくとよりジャキっと感が出てきます。しかも決して軽い感じではなく、サクッと録ってサクッと上げたい方にはオススメな組み合わせです。
バンドにアコギを混ぜたい方には特にですが、弦楽器系を混ぜたいよという方にもバッチリEdgeシリーズが合うかなと思います。
LEWITT LCT240 + SHURE SM57
安価ながら、これまでのマイクと引けをとらない良サウンドを収音するLCT240ですが、こちらもU87と比べると中高域よりではありつつも、ギターには相性抜群でした。
SM57というチョイスが今となってはなぜこれにしたんだろうかと思っておりますが、前述のコンデンサー達と比べると奥行き感は少し薄れつつも、バンド全体がこんもりとパートが増える場合は、この組み合わせの方がより前面に出てきて良い感じになるかと思います。ただ、ブルージーな曲調で空間を意識したい方にはLCT240をもう少しオフにして部屋全体をとるようなイメージにするとなおベストです。今回は割とオンよりには録っているのでより顕著に結果として強調された感はあります。だいぶこの3パターンは価格別にみて参考になるのではないかなと思います。
使用したオーディオインターフェイス、ギターエフェクター
アンプ別の感想
Fender Amp
安田コメント:
まず初めにレビューをするにあたって、どうやったらわかりやすいかなと試行錯誤を重ね、ズンズン系、ギャー系、ブルースというよく分からない曲ができました。そこでクリーンのサウンドがとてもピュアで且つ、ボリュームをあげればブルージーなサウンドになるというFender Ampはどこまで表現できるか挑戦してみました。
最初はこのクリーンなサウンドなら、レクチに負けない歪みにしてもいい感じなのではと思いつつ、Verocity Rev4をフルに生かし、出音も聞いて、おおこれは良い音では無いか!?と完成度の高さにびっくりしました。ですが後述のミニレクチと比べると、やはりスピーカーのキャラ、キャビネットの違いはあるので、中域の感じが違うイメージです。低域がずんとくるのでまた違った印象を持っております。。しかし、最後のブルージーなところはやはりといったところですね。なおFenderに備わっているリバーブのみ使用し、エフェクターは歪みのみになります。
天野’s コメント:
Fender ’64 CUSTOM PRINCETON REVERB (12W)は、小型小出力ながらFenderらしいクリーンとリバーブを備えたモデルです。小型小出力と書きましたが、流石に音がデカイ!とはいえ、代表機種のDeluxe ReverbやHotRod等と比べると控えめで、歪ませやすいです。
アタックがパシっと抜けて雑味なくサステインが伸びるクリスタルクリアなサウンドも当然ながら、軽やかでギター側の演奏に鋭敏に反応するクランチサウンドも素晴らしいですね!
今回はジャンル的に歪量が足りなかったのでVerocityのMESA系のプリアンプペダルを使用しましたが、ズンズン系のヘヴィディストーションも破綻せず出力していました。
クランチになるまで歪ませたところが結構バンドの中でもちょうど良さそうな音量なので、このアンプにコンプとブースターだけのシンプルな機材構成でバンドとかやってみたいですね~
Bootlegger Guitar Blues 20 Special Toneflake Custom
安田コメント:
アメリカンなドライブサウンドをイメージしておりましたが、イメージ通りでした!っていうくらいのイメージ通りです。Fenderでは反則のレクチモデリングで歪みを再現しましたが、Bootleggerでは天野所有のSUMO STOMPオーバードライブと本体のオーバードライブを組み合わせてガンガンに攻めました。おかげで弾く前、弾いた後の余韻とかにノイズがたっぷりと乗っております。最初のズンズン系は頑張りましたが、後のギャー系はだいぶストラトのフロントピックアップのニュアンスが表現されており、これはレクチのヘッドでは表現できない部分になります。
本企画をやる前にBootleggerってどんなサウンドかな?って思い事前にYouTubeでサウンドチェックをした際、割とアンプは歪むかなと思ってたのですが、ズンズン系のガンガンなところでは”もう少し!”っと思いました。ですが、ブルースのところのように単体のところでは、とても心地良い歪みで、お酒が進みます。つまみもカルパスジャーキーが欲しいです。
ヘッドアンプの背面にセンドリターンもあり空間系のエフェクターも今回のように活用できます。そして多分違うキャビネットを使用できる用の抵抗切り替えもあるので、大きなキャビに繋いだらまたガッツガッツなサウンドになるかなと思います。
天野’s コメント:
ダンブル系は全くの初体験でした。事前のイメージ?ではスタジオミュージシャンが好む感じの超クリーン、整然としたドライブサウンド、、なのかな?な印象を勝手に持っていたのですが、実際に弾いてみたところ、事前のイメージとは裏腹にもっと熱くテンションの上がる感触でした!
基本的な音色の傾向としては、アタックが早いのに低音がクリアによく出ていてズシっとくるので弾いていて楽しく、聴いていて気持ちよく、ドライブさせていくと全帯域が満遍なく歪んでいく感じでした。
この「アタックの音の美味しさ」的な部分にToneflake モディファイによる効果を感じます。
タッチを繊細に反映しつつも、そのピーキーさや難易度を BRIGHT / MID BOOST / ROCK/JAZZ Switchで調整出来る印象でした。
「DRIVEで歪ませるか」、「MASTERで音量を上げて歪ませるか」でもやはりガラっと音は代わり、DRIVEで歪ませた場合はスマートで整理整頓された感のある真っ直ぐなオーバードライブトーン。MASTERを突っ込んだ場合は真空管をシバき倒しているジュワっとした歪みになります。
やや低音から潰れがちになりますがそこがまた古いマーシャルのような音でカッコいい!!
EQの効きは控えめな印象でしたが、上記の通り弾きごたえ的な部分を操れるのが「へぇ~~」と思わず唸るポイントでした。
Mesa Boogie Mini Rectifire(Cabinet Bootleggeを活用)
安田コメント:
最後に天野所有のMini Rectifireが登場です。先ほど紹介したBootleggerはキャビネットとアンプのケーブルが外せるので、キャビネットだけお借りしました。ちなみにBootleggerのスピーカーケーブルは思った以上に長かったです。(Fenderは短すぎるので、上に乗せるヘッドまで届きません)さてさて、やはりレクチ、そうそう求めていたのはこのサウンドだったんです。なんちゃってFenderもレクチの仮面を被せてみましたが、本物には勝てませんでした。ただ、先ほどのBootleggerでギャー系のギターソロのフロントピックアップのニュアンスは、やはりBootleggerが一番美味しいかなと思いつつ、乾いたギャー系を出すにはエフェクターの吟味をしないといけないですね。一応今回VintageモードでGainはやや下げ目にボリュームを上げた設定になっております。いや、レクチにそれを求めてはいけないのかもしれません。
そしてレクチでブルースパートも挑戦してみましたが、ピッキンのダイナミクスを聴いて分かるとおり全体的に優等生な印象ですね。
なおMini Rectifireには10Wと25Wの切り替えが可能ですが、25Wの方が断然パワーが出ます。特に低域の出方が変わってくるので、ミニレクチを使うなら25Wです。って天野が言っており、確かにその通りでした。
天野’s コメント:
ダンブル系のBootlegger Guitarのアンプと比べるの?コレを…?という方もいらっしゃる事でしょう。かくいう私もそう思いました。しかしながらストレートなMESA/BOOGIEの激歪みに対して、どっしりとしたコンプ感のあるBotleggerの歪み方の違いは、対照的ゆえに見えてくるものもあり面白い試みでした。
深い歪みでは粒立ちが揃い、立ち下がりも早いので一番歪んでいるのに意外にも音符はクリアに聞こえます。思ったよりノイズも少ないですね。クリーンは綺麗なのですが、他の2機種に比べるとやはり味気ないような気もします。
マイク単体のサウンドも収録!
記事内に掲載されている価格は 2023年8月14日 時点での価格となります。
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