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25
Nov.2024
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ベーシストにとってDIはどんな存在?〜AVALON DESIGN U5レビュー by ベーシスト 湯浅 崇~

湯浅崇 Takashi Yuasa

electric/acoustic bassist, arranger, composer

1974年神奈川県横浜市生まれ。幼少期を米国NJ州、帰国後神奈川県茅ヶ崎市で過ごす。高校入学と同時に兄の影響でエレキベースを購入。大学に入学しJazzに魅了されコントラバスを始める。現在、その経験を活かし様々なアーティストのツアーサポート及びレコーディング等に参加。並行して自身のバンドで精力的に活動中。

live/recording等 参加アーティスト
JUJU, 米倉利紀, 松崎ナオ, 渋谷すばる, 八神純子, 東京女子流, 荒井麻珠, MayJ., 大森南朋, color filter, etc.

参加ミュージカル
『next to normal』、『you’re a good man Charlie Brown』、『RENT』

https://takashiyuasa.com

ベーシストにとってのDIとは

ベーシストにとってDIはライブ、スタジオ・自宅レコーディング作業、どこにおいても欠かせないものです。

ライブステージにおいては、主にアンプで鳴らした音をマイクで受けてミキサーに送るギターに比べ、ベースの場合、アンプから出ている低音域を他の楽器の音のかぶりなしにマイクのみで受けるのは困難なため、ライン回線も同時に送ることが通常です。また会場の大きさ、ステージの大きさ、バンドの編成、など様々な理由でDI回線のみを送ることも多々ありますし、最近はそういう現場が増えている印象です。他の楽器とのかぶりが一切ない音を送ることは回線が多いライブにおいてメリットは大きいので、バンドのサウンド、自分の出音に合ったDI選びはすごく重要だと思います。

レコーディングにおいても、アンプの音だけでは拾いきれないアタックのニュアンスやローエンド・ハイエンド音域のためにDIを通したライン音も合わせてミックスすることがほとんどです。スタジオのブースが足りない時などはベースをDI回線のみで録音することも多く、あとでリアンプするという選択肢も残されているので音質的にも特に問題なく進められます。

自宅でのレコーディングの際、防音設備がない場合は(我が家もそうです)アンプを鳴らさずにDI直で録音することになります。DAWの普及が進む中、DI自体の性能の向上や種類の増加はもちろんのこと、アンプシミュレーターソフトの進歩などによりアンプを使用しないレコーディングは増えてくると思います。今後DIの重要性は益々増してくるでしょう。

私が過去に使ってきたDIたち

個人で所有しているのはAVALON DESIGN U5 と UNIVERSAL AUDIO Solo/110 です。SANS AMP bass driver DIも持っていますがDIとしてではなく歪みエフェクターとして使用しています。

どの現場にも自分のDIを持ち込んでいるわけではなく、対バンがいるライブやハウスPAがいるライブハウスの場合などにおいて、PAエンジニアにおまかせする場合がほとんどです。会場の特性を熟知しているエンジニアにまかせた方が音のまとまりが良いことも多く、トラブルが起こるリスクも減少するのでトータル的に良い結果を生む気がします。
スタジオレコーディングの際は基本的に持ち込みますが、スタジオにあるDIをお借りすることが多いです。使ったことのないDIを試すのは貴重な経験ですし、自分の音のイメージを広げる良い機会だと思っています。

AVALON DESIGN U5を選んだ理由

はっきりといつから使っているかは定かでないのですが、十数年ほど前にサーポートしていたアーティストのツアー中に導入した記憶があります。当時、PA側でのEQやコンプ処理をなるべく減らした上で、自分の出したい音のイメージに近づける作業を、何十本とあるライブツアーの中でPAエンジニアと相談を重ねてたどり着いたのがAVALON DESIGN U5でした。

AVALON DESIGN U5を気に入ってる箇所

まずは抜群の安定感とレスポンスの速さです。ライブでは会場の電源環境などの要因によってノイズが乗っかってしまうケースがあるのですが、その点でストレスを感じることがほとんどありません(ノイズが乗っかったとしてもすぐに対処できる範囲)。これは音色には関係ないことですが、ライブをやる上音楽に集中できますしメンタル的にもすごく重要なポイントだと思っています。どのような会場に行ってもいつもの音が出せるのは本当に助かります。

レスポンスの速さというのは、演奏時のピッキングの微妙なニュアンスがダイレクトに伝わっている感覚があるということです。実際にライブで演奏している時は細かいところまで聴き取れるわけではないのですが、ちゃんと出音に伝わっているという安心感は演奏する上で大事な要素だと思います。

TONE BANK が6種類あるのも大きな特徴です。僕はライブの時は3番を使用しています。全体を支えるロー感がしっかりあり、同時にベースラインが自然に抜けて出てくる感じのところが気に入っています。ほぼ3番しか使っていないのですが選択肢が多いのはプレイヤーにとっては嬉しい点でしょう。自宅作業で色々試してみるのは楽しいです。ちなみに5番を使ってアコギを録音したことがありますがすごく良かったです。

AVALONを導入してからライブ時にアンプをマイキングすることがほとんどなくなりました。しなくても良くなったと言ったほうが正しいかもしれません。もちろんアンプから出ている音とAVALONから出力される音は違うのですが、他の楽器の音と合わさった時のトータルイメージにかなり満足できるので、マイキングした時のデメリット(ノイズ、他の音のかぶり、等)を考えると演奏者だけでなくPAエンジニアにとっても利点と言えると思います。

AVALON DESIGN U5をどんな人におすすめするか

小さいライブハウスから大きいホールでのライブ、ROCK・POPS・R&B・JAZZ などあらゆるジャンルのライブをAVALONで重ねてきました。幅広いライブ活動をしているベーシストには特におすすめします!

Avalon Design
U5
¥184,800
本体価格:¥168,000
0ポイント還元

記事内に掲載されている価格は 2024年11月25日 時点での価格となります。

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