Avid Carbonはその一台で、Protools Ultimateシステムにも劣らないオールインワンのパワフルな能力を導入できます。パーソナルスタジオにもぐっと導入しやすくなった新しいインターフェースの魅力をまとめてみました。特にお伝えしたいポイントを6つに絞って解説します。
1、HDXシステム同等の低レイテンシー(モニター時の遅延)
レコーディング時に、一番悩むのが音のレイテンシーの問題です。特にボーカル録音の際、自分のモニターする音が遅れないことは、いいテイクを録る上でも非常に重要な部分です。商業スタジオに導入されている、Protools HDXシステムにおいては、そのレイテンシーが限りなく低くなることが自宅スタジオとの違いとも言え、まさにプロの現場で必要とされる重要な要素ということになります。
Avid Carbonは、そのインターフェースの中にカスタム設計されたFPGAとHDXと同等の処理DSPを8基搭載することで、HDX同等のレイテンシーの低さを実現しています。
2、ハイブリッドエンジンとは!DSPとネイティブのいいところを併せ持つ
トラックごとにDSPのモード(CarbonのHDX DSP処理、低レイテンシー)とネイティブのモード(PCのプロセッサによる処理)を自由に選べます。それにより、レコーディングで使用する全トラック・パスが、HDX DSPを利用した低レイテンシー・モードとなりながらも、その他のトラックは、ネイティブ・モードでそのまま動作し、両方の世界を一つのPro Toolsセッション上で展開することが可能となります。AAXプラグイン・フォーマットは、既に「ハイブリッド・エンジン」に完全対応し、DSPモードで動作するAAX DSPプラグイン全てが、AAX Nativeに対応しています
3、AVB接続による安定性
Thunderbolt接続や、USB接続が多いインターフェース機材ですが、昨今MOTUやRMEなどの定番ブランドを始めさまざまな機種で、採用されることが多くなってきた規格がAVBです。
その特徴は、1回線で実現できる多チャンネルの伝送と安定性にあります。イーサーネット経由の接続は安定性が不安という方も多いと聞きますが、オーディオ伝送の帯域を確実に確保する仕様のため、非常に安定しています。
AVBの正式名称は「IEEE 802.1 Audio/Video Bridging」で、その名の通りオーディオやビデオ通信の橋渡しになる規格です。主に普及している環境としては、家庭内のAV機器家庭内のオーディオ・ビデオ機器などマルチメディア機器やパソコンを接続して音楽や高精細な動画のストリーム・トラフィックをやりとりする場合や、車載カメラの映像を用いて車両の周辺監視を行うサラウンドビューシステムなどですが、その使用メリットは、大きく「低遅延」にあります。
このため従来よりもケーブルやスイッチングハブなどの根幹部品の圧倒的なコストダウンが可能なほか、1本のケーブルで多チャンネルを転送出来ることから、配線もシンプルとなり問題が発生するリスクも低減させることができます。
ここで、AVBに関しては一つ留意が必要になります。それは、同じくAVBを採用している他社メーカーの製品との互換性がある訳ではないという事です。例えば、AvidのS3LやPrism SoundのLyra2・TITAN、WAVESのDigiGridなども同じようにAVB接続ポートを持ちますが、これらが互いに連動できるところまではまだ進んでいません。AVBという規格は、あくまでもネットワークのくくりを定めているもので、他社メーカーのプロダクトとはそれぞれ別の枠組みになるということの理解は必要なのです。
ただ、そういった垣根を越え、すべてのAVB搭載機器が接続できるような、より拡張性、汎用性の高い応用システムを構築できる未来は、そう遠くないと思われます。
AVBについては、Macとの接続も簡単です。
すでにイーサーネットポートが埋まっているよ!という方やノート型で元々ポートがないよ!という方もご安心ください。
Apple TB to Gigabit Ethernet Adapter や
Apple TB 3 (USB-C) to TB 2 Adapter を使用することで接続可能です。
詳しくはこちら
4、初の32bit AD/DA変換
実は、Avidのインターフェースとしては 32bit対応AD/DA対応は初になります。より高精度なダイナミックレンジでの収録が期待できますね! さらに8CHのマイクプリが搭載されているのも非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。また、話が飛びますが、ヘッドフォン端子が4つ搭載されているのもバンドレコーディングしやすく熱いですよね!
5、Protoolsソフトウェア+多彩なプラグインつき
Carbon にはProtoolsソフトウェアが最初から付属しています。ソフトウェア分のコストが浮きますね! 特別な1年間のサブスクリプション版Pro Toolsソフトウェアが付属し、このサブスクリプション版には、 Avid Complete Plugin Bundle、 HEAT、Melodyne 5 essential、UVI Falcon 2、5.4 GB のサウンド・ライブラリ、スタンダード・サポートが含まれ、毎年の更新が可能です。
1年目のサブスクリプション期限が切れる際に、サブスクリプションを更新するか、永続版ライセンスへ変換(永続パラシュート)するかを選択する事ができます。永続版ライセンスに変換した場合には、期限内にリリースされた最後のバージョンのPro Toolsを永続的に使用でき、ライセンスが期限切れになることはありません。ただし、最新版のPro Toolsと上記のバンドル・プラグインを引き続き使用したい場合には、サブスクリプションの更新が必要です。現在、Protoolsのライセンスをすでにお持ちの方などは、詳しくは、下記のQ&Aをご覧ください。
Pro Tools | Carbon よくある質問集(FAQ)6、比べてわかる!コストパフォーマンスの高さ!
Protools UltimateのHDXシステムであれば、最小の構成でも下記の機材が必要です。
●Pro Tools HDX Core
●Pro Tools | Ultimate
●MTRX Studio
●HDX THUNDERBOLT 3 CHASSIS RACK
合計¥1,298,000
⬇️⬇️⬇️
Avid Carbonは
●Protoolsソフトウェア
●インターフェース
●HDX並みのDSP処理
●8CHのマイクプリ
などなどを一括りに¥478,500で実現した構成となり、コスト的に、初めての導入にも非常にお得です。
ただし、HDXシステムと比べデメリットもあります。それは、現時点で Macのみの対応となることや、サラウンド対応が難しい点、最大入出力数は劣ること、DSPの処理能力はHDXカードの方が高いなどです。参考に、現在のProtools MTRXシステムBundleとの比較を見てみましょう。
◎導入の注意ポイント
1、システム要件
Protoolsのバージョンは2020.11(以降)
Macのサポートは、OSX10.15.7
Windows対応は、将来に向け開発中とのこと。
となっていますのでご注意ください!
詳しくは下記を参照ください。
Pro Tools | Carbon システム要件 Pro Tools | Carbon よくある質問集(FAQ)記事内に掲載されている価格は 2020年12月18日 時点での価格となります。
最新記事ピックアップ