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いよいよ12月発売が発表されたBehringer PRO-1。あのSequrntial Circuitsが1981年に発表されたPRO-ONEをモデルに作られたこの製品、これまで海外のショーレポートや「Behringer 秋の新製品発表会」でも紹介され、待ちわびていた方も多いと思います。オーセンティックなVCO、VCF、VCAによる純粋なアナログ信号回路で、誰でもアナログ・シンセサイザーの音作りが楽しめるという製品です。
また市場予想価格も37,600円(税抜)という、Model Dにも驚きましたが、今回も驚愕の価格設定です(Behringer新製品発表会でも驚きの声が上がりました)。
このPRO-1を発売前にお借りすることができたので、触ってみました!
PRO-1の元になった「PRO-ONE」とは、PROPHET-5のモノフォニック版として、80年代を中心に多くのアーティストに愛用されました。音色のメモリーはできませんが、シーケンサーやアルペジエイターは搭載されていました。モノフォニックになると電流が分散されることなく1VCOあたりに費やせる電気が増えるため、非常に音が太いサウンドを作ることができます。それを利用したシーケンスやシンセベースに使用されることが多く、海外だとDepeche ModeやNew Orderなどの著名なアーティストが使用していましたし、日本だと1988年リリースの布袋寅泰の1stソロアルバム「GUITARHYTHM」のシンセベースに使われたということで広く知られました。
PRO-1はたしかにPRO-ONEを元にしたアナログシンセサイザーではありますが、オリジナルとの違いも多くあり、以下のようなプラスアルファの機能が搭載されています。
・鍵盤がない
・Eurorack対応(メインモジュールを標準Eurorackケースに装着可能)
・MIDI搭載(USB/5DIN)
・最大16ポリチェーン(複数のシンセサイザーを組み合わせて最大同時発音数16を実現)
・シーケンサーのノート数が多い
複数台繋げられることでポリフォニック演奏ができるのも魅力ですね。また鍵盤がないのでデスクトップにも置きやすかったり、Eurorackケースに装着することも可能です。
PRO-1は単なるPRO-ONEの「クローン」に留まらない、現代版仕様に進化したアナログ・シンセサイザーとも呼べる画期的な製品です。
特長
PRO-1のオシレーターには伝説的な3340を各VCOに1台ずつ使用し、オリジナル回路を忠実に再現したカーティスチップを搭載しています。デュアルVCO(OSC A:ノコギリ波/パルス波、OSC B:ノコギリ波/三角波およびパルス波)であり、3つのオシレーターを同時使用が可能ですので、これによって分厚いサウンドを作ることが可能です。
DUAL VCOによるサウンド
そしてオシレーターAをオシレーターBに同期させるオシレーターシンクスイッチもあります。これはオシレーターの周波数を別のオシレーターに強制的に同期させることで強烈な音色変化をもたらす」機能で、PRO-ONEやProphet-5といえばやはり強烈なシンクサウンドが魅力の一つで、存在感のあるエッジの効いたリード音を作ることができます!
オシレーターシンクをON
またフィルターも3320を使用したカーティスチップで、4極ローパスフィルター(24 dB /オクターブスロープ)設計です。このフィルターが強力に効きますので、シンセベースの音作りやSE的なエフェクティブなサウンド作りには重宝しました。
LPF
それ以外の主な特長は下記になります。
デモ試奏
1VCO
ベースサウンド
LFOをかけたSE風サウンド
実際にPRO-1に触ってみての第一印象は、まず音の太さとフィルターの効きの強力さを感じましたが、それだけではなく設定を変更することで多彩な音作りが可能なので、アナログシンセサイザーならではの奥の深さと、バラエティーに富んだ音作りの面白さを味わうことができます。リード音やベースサウンド以外にも、シーケンスやSEなどの音作りなど工夫次第で様々なシーンで重宝できそうな一台です。
さらにこのツマミは何のためにあるのだろうとか、ここからオシレーターやフィルターで外部入力をした場合どんな音になるだろうとか、5台繋げたらProphet-5のサウンドに近づくのだろうかといった興味は尽きません!Eurorackにも対応しているので、ここからセミモジュラーシンセなどの世界に踏み込んでいくこともできます。
アナログ・シンセサイザーを導入する意味
改めてこのBehringer PRO-1をはじめとするアナログ・シンセサイザーを導入する意味を考えてみました。たしかに最近のソフトウェア・シンセサイザー全盛のこの時代、アナログ・シンセサイザーならではの制約はあるのですが、それが逆に大いに他のアーティストと差別化を図り、ユーザーに大きなメリットを与えてくれるように感じます。
1 プリセットが一つもない!→作る全てが自分だけのオリジナル音色!
これはデジタルシンセ、ソフトシンセと通って来た人には初めての体験ではないでしょうか。何千色のプリセットが最初から入っている最近のソフトウェア・シンセサイザーとは違いますが、作る音色全てが自分だけのオリジナルであるという、この自由さがアナログシンセサイザーの魅力でもあります。
2 音色を保存できない!→音作りを勉強すれば無限に音を再現!記憶と指で保存!
音を保存できないなんて!何て不便なんだ!とお思いかもしれません。例えばシンセベースの音が作ったあとシンセリードに切り替えたい!となったら自分でいじって設定を変えるしかありません。
しかし!この不便さこそが使い手を成長させてくれます。そして一度音作りの仕方を覚えてしまうと、今度は自在に音が生み出せるということです。思いがけない音と出会えるのもまたアナログ・シンセサイザーの楽しみの一つでしょう。
3 単音しか出ない!→一つの音に思いを込めた音作りができる!
Pro-1は確かにモノフォニックなので和音は出ませんが、オシレーターを2つ重ねられたりさらにノイズや外部の音声入力で最大3つの同時波形が可能です。これを駆使してオシレーターのピッチを微妙にずらしたり、同じ波形で音程を当てたり、オシレーターを同期することで実に存在感のある分厚い音が作ることができます。一つの音色を作ることに没頭すること(一音入魂の精神)でシンセサイザーに対する音の理解が深まりますし、「ベースの音ってどんな音だっけ?」といった風に自分で音をイメージして、それに近づけるための技を身につければ、今度はその知識は必ずやソフトシンセや他のハードシンセなどで音を作る作業にも活用できることでしょう。
かつて高嶺の花だったアナログ・シンセサイザーをモデルとし、さらに進化した製品を4万円前後の価格帯で手に入れることは、オールドシンセファンにはたまらない魅力でしょう。そしてこの価格帯であれば(ソフトウェア・シンセサイザー1個分ですから)、ぜひ若い世代の人やアナログ・シンセサイザーに今まで興味がなかった人にも触れてみてほしいと思います。きっと新たな可能性の扉を開いてくれることでしょう。
Model Dにも感じましたが、ソフトウェア全盛のこの時代にあえてアナログ・シンセサイザーをリリースていくBehringerには、直接手で触れてイメージした音を探っていく喜びを、幅広い世代に伝えたいというメーカーの意気込みを感じます。いろんな制約もありますが、それを補って余りある魅力がBehringer PRO-1には感じます。
是非発売されましたら、店頭でそのサウンドに触れてみてください!
発売は12月中旬予定、現在予約受付中です!
K-2も発売!
そして11月28日にはK-2も発売されます。こちらはあのMS-20をモデルにしたアナログ・セミモジュラー・シンセサイザーです。
主な仕様はデュアルVCO、リングモジュレーター、外部シグナルプロセッサー、16ボイスポリチェーン、ユーロラック形式に対応しています。
こちらも価格は37,600円(税抜)です!
記事内に掲載されている価格は 2019年11月19日 時点での価格となります。
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