BOGREN DIGITALレビュー【10動画】ワンノブで最高のサウンドが飛び出すギターアンプシミュレータと、ワンクリックで選ぶ理想のキャビネットIR

Rock oNスタッフ AMANO のギターをオーディオインターフェイスに直結して録音し、AMPKNOB – RevC プラグインをインサートしています。GAINツマミを上げた爽快な歪みと、ツマミ最小から9時くらいまでのマイルドな歪みも素晴らしく、アーティスティックな表情を持つ実用的なサウンドです。この曲は最初、ギターだけのフリーテンポ演奏でしたが、AMPKNOB – RevCを使ったサウンドがあまりにもカッコ良いので、後からTOONTRACK SUPERIOR DRUMMER 3 と AMPLE METAL RAY5 III でバッキングを足しました。

ギターチューニングをドロップCにしたヘヴィメタル曲(AMANO作：ドラムとベースに TOONTRACK EZ DRUMMER 3 と AMPLE METAL RAY5 III使用)。AMPKNOB – RevCはギターの低音をタイトに歪ませ、高速なカッティングにもシャープに追従してくれます。マイルドな歪みからハイゲインまでハイクオリティなサウンドで、幅広く活躍してくれるアンプシミュレータです。

DTMクリエイターにもお勧め
ギター音源などに搭載されているアンプシミュレーターとは違ったリアリティを持っているので、DTMクリエイターにもお勧めです。ステレオ入力に対応しており、ギターをステレオバスにまとめてから使用するCPU節約術や、ギターのステレオサンプルなどにも気軽に使えます。

ビルドイン・アンプをOFFにしたAMPLE METAL RAY5 IIIに、BASSKNOB – STDだけをインサートしています。BASSKNOB – STDのパワースイッチをONにしただけで、DI直のサウンドが一気に太くなりました！DI直のサウンドが好みという方にも、これはぜひ試して頂きたいプラグインです。CLEANチャンネルとDIRTチャンネルを搭載し、曲調によって歪みを使い分けられるのも音作りに重宝します。サウンドにアンプの立体感を加えてくれるので、打ち込みのベースでバンドサウンドを作る時にお勧めです。

※IRパック製品の使用には、ギター用IRローダーが必要です。Quad Cortex, AXE FX, Kemper, Mooer, Line6, Boss, StrymonなどのIRローダーと互換性があります。ソフトウェアでは Nad IR Impulse Response Loader(Winのみ)、Positive Grid BIAS AMP 2、Positive Grid BIAS FX 2、WAVES PRS SuperModelsなどがIRデータの読み込みに対応しています。

Positive Grid BIAS FX 2 を使用して、スピーカーキャビネットのIRデータを切り替えています。ギターのクリーンサウンドが、キャビネットによって様々な表情を見せ、キャビネットにマイクを向けている距離感や空気感を感じることができます。

プリアンプ部だけAMPKNOB – RevC を使用し、キャビネットは BIAS FX 2 で CLEAN IR データを読み込んで使用しました。サウンドに歪みの倍音成分が加わったことで、キャビネットの特性がよく分かります。CLEAN IR はその名の通り、高音まで綺麗に響くクリーンサンドのバリエーションが手に入るIRです。あえてハイゲインなサウンドをこのIRで鳴らして、高音を強調するという使い方も可能です。

AMPKNOB – RevC のプリアンプで音を歪ませて、BIAS FX 2 に LEAD IR を読み込んでいます。リードギターに説得力を与える骨太なサウンドで、曲調に合わせた音色選択の引き出しが一気に増えるIRです。DTMギター音源に活用するのもお勧めです。

IR収録に使用されたキャビネット：
Marshall 1960 AX／MLC 4×12 SL／Marshall MF 400／Marshall 425A／Heil Sound／Mesa traditional 4×12／Fender Vibrolux

Mesa Boogie Oversized／Marshall 1960 AX／MLC 4×12／SL Mars hall MX412AR といった、メタルアーティスト御用達キャビネットが35種類プロファイリングされています。ヘビーなリズムギターのために特別に設計された、粗さのないスムーズなアナログ・トップエンドが秀逸です。リズムギターのボトム、キャビネットの箱鳴り感、リズムを刻むアタック感、それぞれの特徴が捉えられたIRが各種バランス良く収録されています。楽曲にギタートラックが何本かある場合には、それぞれのトラックでIRデータを変えることにより、サウンド特性の重複を避けることができます。ヘヴィメタルのリズムギターに必携のIRです。

試聴したギターはドロップCにダウンチューニングされているので、このIRパックでは先にご紹介した JENS BOGREN IR PACK: RHYTHM に比べて低音が豊かに聞こえてきます。メーカー情報によりますと「ギター・サウンドの80%はスピーカー・キャビネットに由来していて、ほとんどのソフトウェア・アンプは、インパルス・レスポンス（IR）を使用してキャビネットをエミュレートしています。ギターのサウンドを向上させる最短の方法は、最高のサウンドを持つIRを使用する事」とのことです。1から歪みやトーンをコントロールして音色を作り込む従来の方法に加え、IRデータを活用して理想のサウンドを得るというのも一つの方法です。今後、BOGREN DIGITAL社からAMPKNOB – RevCを搭載したIRローダーが登場してれくれると嬉しいですね。

このRHYTHM IR – DOWNTUNEDは、低音にこだわりを持つアーティストへ特にお勧めです。

IR収録に使用されたキャビネット：
Marshall 1960／AX MLC 4×12 SL／Marshall MF 400／Marshall 425A／Mesa oversized 4×12

Kristian Kohle氏の明るいサウンドカラーがしっかりキャプチャされています。他のIRパックの試聴と同様に、プリアンプ部はAMPKNOB – RevCを使用していますが、キャビネットIRデータによって歪みの量や質感までもが異なっています。煌びやかな歪み、激しく歪んでいるのに耳に痛くない整ったサウンドが現代的です。とても幅広い音色が手に入るので、新しいギターサウンドが欲しいと思ったら、まずはこのIRパックを導入することをお勧めします。

AMPLE METAL HELLRAZOR IIIに搭載されたアンプシミュレータをOFFにして、プリアンプはAMPKNOB – RevC、キャビネットはBIAS FX 2 で KRISTIAN KOHLE IR PACK を読み込んでみました。DTMギター音源の音作りでも、多くのサンドバリエーションが手に入ります。

IRローダーはWAVES PRS SuperModelsにも用意されています。こちらはPositive Grid BIASのようにプリアンプをキャンセルしてキャビネット部だけを使用することはできません。AMPKNOB – RevCをプリアンプに使用した時と比べてサウンドが硬めになる印象でしたが、エッジの効いたサウンドがお好きな方には、PRS SuperModelsでIRデータを使用するのもお勧めです。

アンプシミュレーターの AMPKNOB – RevC と　BASSKNOB – STD は、サウンドクオリティの高さと低価格に驚きました。とてもコストパフォーマンスの高いプラグインです。

IRデータはヘヴィメタル好きの方には迷わず JENS BOGREN IR PACK: RHYTHM がお勧めで、リードギターを強化したい方には JENS BOGREN IR PACK: LEAD + CLEAN です。現代的な歪み、新しいディストーションギターサウンドを手に入れるなら KRISTIAN KOHLE IR PACK: RAINBOWS & CHAINSAWS が見逃せません。

ワンノブで最高のギターサウンドが飛び出すアンプシミュレータと、ワンクリックで豊富なキャビネットが選べるIRデータから、あなたにとって最高のギターサウンドをぜひ見つけてください！
Writer：SCFED IBE