Spring has come!めっきり春らしくなってきましたね。こんにちは、村Coming Soonです。
今回はみなさんお待ちかね、KORGの新しいステージピアノ、SV-2についてご紹介します。
本製品は今から10年ほど前に発売されたSV1の後継機種でSV-1の超オサレな見た目を引き継ぎ、さらにサウンドのブラッシュアップやスピーカー搭載などパワーアップしたモデルです。
私、村Coming Soon はRhodes PianoやHammond Organなどビンテージキーボードには目がなく、中学、高校はもともとギターを弾いてましたが、ビンテージキーボードが好きすぎてキーボードにスイッチしたほど大好きです。
SV-2はそんなビンテージキーボードの音色に特化したステージピアノです。
実は旧モデルのSV-1を昔所有しており、10年越しのSVシリーズの新モデル登場に興奮を覚えました。
レビューのため店頭展示機を借りて自宅(村Coming home)に置いているのですが、まるで10年ぶりに成長した旧友と再会したような気分です!
丸っこくて可愛らしくノスタルジックなデザインがステージでも良く映える!
実際キーボードは四角い形の方運び易かったり狭い楽屋の壁とかに立てかけられたり実用的かもしれないですが、見た目がカッコいいからそんなデメリットなんかお釣りがくるぐらいで全く気にならないですね。
73鍵か88鍵か問題
このキーボードには73鍵と88鍵の2種類のサイズがあります。
鍵盤機構が全く同じキーボードで73鍵(76鍵)と88鍵のどちらが良いかと聞かれたら、通常私はスペース的な問題がなければ音域の広い88鍵を勧めます。
大きさや重さとしては1オクターブ分コンパクトだとしてもどちらにしてもデカイのでその違いなんて大して気になりません。それなら通常のアコピの音域を全てカバーしている88鍵がお勧めだということです。ソフトシンセのMIDI鍵盤として使う際も音域が広い方がキースイッチのアサインしやすいですしね。
しかしながら、この製品に関してだけは73鍵を強くお勧めします!
理由は見た目です。73鍵の幅が短い方がこの丸っこいデザインが強調されて絶対似合ってます!1オクターブ少なくてもこの見た目なら許せます!
あとバンドとかアンサンブル主体であれば88鍵なくても実際そこまで支障はないです。73鍵でも4弦ベースの最低音まで出ますし、上もそんな高い音はなくても困らないかと思います。
とまあ、これはあくまで村Coming Soon の主観的な意見ですが、実際にRhodesの実機はこの製品と同じE to Eの73鍵でした。(88鍵も存在はしますが、主要なのは73鍵。) この製品の73鍵は明らかにRhodes Pianoを意識したものと思われます。
73鍵と88鍵の画像を並べてみましたがやっぱり私は73鍵の、ぼってりした感じが好みですね。
でも改めて見てみたら88鍵もシュッとしてて悪くないかもしれませんね (笑)
内蔵スピーカー
このSV-1からSV-2のモデルチェンジの目玉は「スピーカーが搭載した」ことでしょう!
厳密にはこのモデルはSV-2Sと後ろにスピーカーのSが付きます。
海外では旧モデルのSV-1と同じスピーカーなしの単純に「SV-2」という全面黒色のモデルも展開されておりますが、日本では未展開です。でもSV-2Sのスピーカー部分の斑点とアイボリーとブラックのツートンカラーの方が可愛いですよね。
この内蔵スピーカー、自宅の練習用でわざわざアンプに繋がなくて便利そうだなくらいに考えてたんですが、音出してみると思いのほか音がいいんですよ。小規模なライブならこれだけでも十分いけるんじゃないかな?と思います。スピーカーも外側を向いてますし。
先日、友人の結婚式の二次会の余興でサックスとピアノの二人で演奏をしたんですが、演奏した場所が音響設備とか一切ない普通の居酒屋さんでした。(結婚式の二次会でお酒飲むので、車で行くわけにもいかないので…)移動がキーボードと小型アンプとスタンドをキャリーカートに縛り付けて地下鉄に乗ったので大変でしたが、このキーボードならスピーカーも本体に内蔵しているのでもっと楽だったんでしょうね。
ちなみにKORGから「ST-SV1」というキーボードにネジで取り付ける専用キーボードスタンドがありまして、またまたゴロゴロ付きの専用キャリーケースのCB-SV1(ロゴは旧モデルのSV-1)であればそのスタンドごと収納できますので、電車移動もワンパッケージでだいぶ楽になりますね。
またこの内蔵スピーカーは背面にスイッチがあり任意でオンオフができますので、内蔵スピーカーの音が不要の時は消すことができます。
操作パネル
操作は基本的にツマミやスイッチが全て表に出ていて、直感的な操作が可能です。基本的には音色を選んで、必要に応じて好みのエフェクトをかけるだけなので、マニュアルを読まなくてもすぐに操作はわかるでしょう。1〜8のボタンにプリセットをアサイン出来ますが、操作が単純で簡単なんで曲間に間髪入れずに音色を変更するというシチュエーションでなければその場でツマミをいじって音色を作るとかでも大丈夫だと思います。
操作パネルが起き上がっているのも良いですね!私はSV-1の時にやってたのですが、この起き上がった形状のキーボードであれば曲作りの作業台に使っていたIKEAのオフィスデスクの足の長さを少し高めの位置に設定してデスクの天板のすぐ下にキーボードを滑りこませることができて、スペース効率が良いのでMIDI鍵盤としてもお勧めです。(ピッチベンドとかはついてないので別途microKEYとかを机の上にセッティングしておけばよいかと思います。) Local Offスイッチの物理的なボタンがあり、スタンドアロンの楽器とMIDI鍵盤としての役割を一発で切り替えられますので、コンピューターを立ち上げずSV2だけ弾きたい時に便利です。
旧モデルのSV-1では電源スイッチがトグルスイッチになっていて(これまたレトロでカッコよかったんですが)、SV-2ではボタンのスイッチに変更となり、これは良い改善だと思います!というのもSV-1では操作パネルが起き上がってるので、演奏中に勢い余って指をトグルスイッチに引っ掛けて電源を落としてしますということが何回かありましたからね。
電源を入れると普通ステージピアノは最初にグランドピアノの音色が立ち上がりますが、SV-2は違います。Rhodes Suitcase mk1の音色が立ち上がるんですね〜。
音色切り替えのスイッチもEP1、EP2、Piano1、Piano2…とアコースティックピアノは二の次、まず最初にあるのはEP(エレクトリックピアノ)、エレピファーストなんですね。アコピも決して疎かという訳ではなくとても力強く良い音なのでアコピの代わりのステージピアノの役目はしっかり果たせますのでご安心ください。
各音色の紹介
それでは様々な音色を切り替えながら各機能を紹介していきます。
SOUNDのセクションで左側のTYPEのノブでエレピやアコピなど大まかな音色の種類を選択し、右のVARIATIONノブで細かいバリエーションを選択します。例えばRhodesのmk1かmk2という選択をするわけですね。また、これらの本機のノブは押し込むことでボタンの役割もあってVARIATIONノブを押すとバリエーション選択のB面みたいな状態になります。1〜6までバリエーションがありますが、押し込むことで12のバリエーションが選択できると言うことですね。まずTYPEをEP1にしてVARIATIONを1の位置で押し込むとRhodes Stage mk1 の音色になります。
●Rhodes 1
下の動画でRhodes Stage mk1の音色を弾いてみましたが、アンプの種類をTwin (Fender Twin Reverbですね)に設定しドライブを上げると良い感じに歪みますね。
ついでにリバーブもスプリングにしちゃいました。
Rhodes Pianoにはアンプ、スピーカー一体型のSuitcaseとアンプ、スピーカーなしで鍵盤のみのStageというラインナップがありましたが、StageはよくFender Twin Reverbにつないで音を出していたんです。(Rhodes社も一時期はFender RhodesとFenderの傘下にいた時期もありましたしね。)
私はこのドライブがかかって強く弾いた時にギャンギャン言うRhodesの音が大好きでなんですが、SVシリーズは真空管を操作パネルの左側に搭載しており、アンプを歪ませた時にこの真空管が効いて気持ちがいいですね。
●Rhodes 2
次はMODULATIONのエフェクトセクションでSmall Phaser(Small Stoneのことですね)を立ち上げました。SPEEDのみのワンノブのエフェクトですが、INTENSITYのツマミは0と10のみのオンオフスイッチのような状態になっており、実機のSmall StoneのColorスイッチの役割を果たしてますね。もともとPhaserはギターのエフェクターですがまるでRhodesのために作られたんじゃないのかと思うほどとても相性が良いです。Small Phaserの隣にあるOrange Phaser (Phase 90ですね)も良いのでお好みで。
次にWurlitzerですね。音色はRhodesとざっくり似てますが、実機は発音の機構が全く異なるので音色も微妙に違うんです。
イメージですが、Rhodesはクールなのに対してWurlitzerはほっこりする感じですかね。
Wurlitzer A-200の実機はスピード固定のトレモロエフェクトが内蔵してますので、やっぱりPre FXのTremoloをかけるのが定番でしょうね。
ここまでがEP1に収録されているエレピでEP2にはDX7のエレピ音色やHohner Pianetというちょっとマニアックなエレピが入ってます。
●Piano
次にピアノですね。Piano 1にはSteinway、Fazioli、Yamaha、Bosendorferと主要どころのピアノは全て入ってますね。
動画ではRED COMP (Dynacomp)を入れてみましたが、よく効いて気持ちが良いですね。
Piano 2にはCP-80やKORG M1、SG-1Dのピアノ音色が収録されてます。
CLAVIER
次にCLAVIERです。Clavierとはなんぞやと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、鍵盤楽器全般のことです。この場合はエレピやアコピなど既に上がったピアノ音色以外の要はその他の鍵盤楽器という意味です。
そしてCLAVIERの最初の音色はHoher Clavinetですね。エレクトリックハープシーコードとでも言えばよいのでしょうか。実機はもともとハープシーコードを目指して作られたようですが、ギターアンプを通すと音色はほぼエレキギター。
アンプで歪ませたりワウペダルをつないだりしますが、こんなエグい音色じゃバロック音楽は弾けないですね。
本当のハープシーコードの音色も入ってますので、バロック弾きたい方はこちらの音色をお使いくださいませ。他にもCLAVIERにはオルガンの音色も入ってます。
●Organ
次の動画はHammondの音色で、Hammondはほぼ必ずロータリースピーカーをつなぐので、エフェクトもMODULATIONのRotaryですね。Rotaryを選択した時だけSlow/Fastのボタンを使えますので、ロータースピードを変化させ音色に抑揚をつけることができます(しかし手のひらのグリッサンドをピアノ鍵盤ですると手が痛いですね)。
●Other
最後の音色カテゴリー「OTHER」は、その名の通り鍵盤楽器ですらない「その他」の音色で、ストリングスとかオーケストラ的な音色とが入ってます。まあエレピに特化した機種だけどこういう音色も入ってたら便利だよねって感じで入ってますね。
最後は悪ふざけでしたね。
以上がSV2の動画レビューでした。
SV-2という機種の特徴をまとめると
• エレピを主軸に考えたステージピアノ
• 真空管が入っている
• 内蔵スピーカーが便利
• デザインが最高にカッコいい
その中でも特にこのキーボードの最大の強みはデザインだと私は思います。
最近デザインのセンスが良いシンセやキーボードって増えてきたと思いますが、このSVシリーズは見た目がカッコ良さは飛び抜けていると思います。
先ほど紹介のあった専用スタンドをつけるともっとカッコいいですよ。
私は楽器や機材は機能的な部分や操作性の良さはもちろんですが、それ以上に見た目の良さを結構重要視する方で、ライブでも制作でもクリエイティブなことをする時にデザインが良く波長の合う製品があるとよりクリエイティブになれると信じていますし、他の人の目を引くことができて話題にもなると思います。
特に昨今はピアノやエレピはソフトウェア音源を使うケースが多いと思いますので、ハードウェアを購入する一つの理由としてこのデザインの良さというところを検討材料に入れてみるのもいかがでしょうか。
以上が村Coming Soonのレビューでした。
それでは次回の記事でまたお会いしましょう!Coming Soon!
Writer.村Coming Soon
CUTTING EDGE 2020 その他の記事はこちら!
記事内に掲載されている価格は 2020年3月20日 時点での価格となります。
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