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皆さんはこんな経験はありませんか?
「僕は作曲家!昔の楽曲を作り直したいので、2mixからボーカルだけ抜き出したりできないか?」
「私はシンガー!歌の練習のために、オフボーカルのマイナスワンmixを作りたい!」
「俺はトラックメイカー!過去に作った曲をリミックスしたいが、パートごとのマルチデータはもうない!」
音楽制作あるあるですね。2mixから特定の音を取り出すなんてどうすれば・・・こういった悩みを解決する方法があるんです!
iZotopeのRX7に付属する「Music Rebalance」機能を駆使することで、これらを解決できます。
RX7はノイズ除去やオーディオリペアの素晴らしい機能が満載なのですが、それだけではありません。今回は音楽制作で効果的な「Music Rebalance」に焦点を当てて、ベーシックな使い方を実際の音源をサンプルにご紹介します!
RX7概要
iZotope RX7はもともとオーディオに関する幅広い問題の解決に特化した業界スタンダードのオーディオリペアプラグインです。オーディオデータからノイズを除去したり、ポストプロダクションのプロフェッショナルやオーディオエンジニアといった専門職の人々を中心にいわゆるオーディオリペアのプラグインとして多くのユーザーの指示を受けています。
RX7に進化してからさらにオーディオのさまざまな機能が付属したのですが、その中で「Music Rebalance」の機能が音楽を制作している人にとっては大変便利となっています。
(Music RebalanceはRX 7 Standard版以上のグレードに入っている機能です)
「Music Rebalance」とは?
「Music Rebalance」はマシーンラーニング・アルゴリズムを利用し、「2ミックスをVocal,Bass,Pucssion,Other(どれにも当てはまらないと検知された成分)の4つにミックスされた音源を解析し、それぞれのバランスを調整出来るようにする」機能です。
分離後、ミックス内の各成分はそれぞれ個別にレベル調整を行うことができます。
各パラメーターは、下記のような役割があります。
Gain
分離された声信号のレベル(単位はdB)を調整します。
Sensitivity(感度)
分離アルゴリズムにより、判断される入力信号の分量を決定します。
Sensitivityの値が低いと分離アルゴリズムが入力信号から音声成分を判断する基準が厳しくなります。
この場合、他のミックス成分が“ブリード”として成分に混入し辛くなりますが、引き換えに不自然な加工音が発生し、明瞭さが損なわれます。
Sensitivityの値が高いと分離アルゴリズムが入力信号から音声成分を判断する基準が緩くなります。
この場合、他のミックス成分が“ブリード”として音声成分に混入し易くなります。しかしながら他のミックス成分からのブリードは不自然な加工音を減らし、低い感度値で発生し得る明瞭さの欠如を防ぎます。
Separation Algorithm(分離アルゴリズム)
音楽再バランスモジュールには「Advanced Joint Channel」を選びます。このモードが選択されていると高度な処理が施され、最も高品質の分離結果をもたらします。
これらのパラメーターを調節することでミックスされた音源から特定のパートだけを抽出したり削ったりといったことが可能で、リミックスやマイナスワンデータの作成に活用できます。
実際にトライ!
では実際に音源で試してみましょう。使用する音源はこちらです。
RX7を立ち上げ、音源を読み込んだら、右側のポップアップの中から「Music Rebalance」をクリックします(矢印で示した赤丸部分)。
ボーカルパートを抽出!
Sensitivity +3.0の場合
ボーカルパートの抽出をしてみましょう。設定は「Voice」のGainを上げ、Sensitivityを+3に、最後に右下の「Render」を押せば抽出開始です。
(イントロ部分が丸ごとカットされていますので、ボーカルは、0:15から聞こえます)
他のパートはうまく消えボーカルパートはうまく抽出できました。けれどボーカルの音質もだいぶ変わってしまいました。
Sensitivity +8.0の場合
今度はSensitivityを+8にしたところ、かなりボーカルの音質変化を少なくすることができましたが、今度はバックのオケの音はだいぶ残る結果になりました。
ドラムパートだけ抽出!
続いてドラムパートのみを抽出してみます。「Percussion」のみGainを上げて(+5.0に設定)トライしてみました。
多少の音質変化はありますが、うまくドラムの音を抽出できました。
ドラム以外を抽出!
今度は逆にドラムパート以外の抽出はできるか?ということを試してみました。「Percussion」のGainを0にして、他の「Voice」「Bass」「Other」のパートを抽出します。
ちゃんとドラムパートが消えていますね!
音源に合わせてSensitivityやGainを調整していくことで、音質を変えずに他のパートも混ざらずにうまく抽出していくかがポイントになります。
音源によっても抜き出しやすさは変わっていくかと思いますが、これによってリミックス制作や過去の音源のリメイクなどにも大いに効果を発揮してくれる機能です。
RX 7 Standard版以上に入っているこのMusic Rebalance機能で、新たな音楽制作に取り組んでみてはいかがでしょうか。
参考サイト
iZotopeの公式サイトでも様々なMusic Rebalanceの使い方が紹介されています!より理解を深めるための参考にしてください!
How to Use Music Rebalance in RX 7
記事はこちら
Tutorial: Using RX 7 for Music
記事はこちら
記事内に掲載されている価格は 2019年9月27日 時点での価格となります。
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