DTM・DAWの世界に「シネマティック」というジャンルが確立されて久しい昨今。数多くのデベロッパーから「シネマティック」の名を冠したソフト音源がリリースされており、様々な音楽の中でそのサウンドを聞くことができます。
シネマティック・サウンドの特徴を一言で表現すると「シリアス」でしょうか。
極低音から高域までワイドレンジでクリアーに、そして独特の空気感をまとったサウンドは、幻想的な世界観を演出してくれます。ハリウッド映画では、映像のアクセントに低音が強調されることも多く、トレーラームービーやゲーム音楽などでシネマティック音源が大活躍しています。
BERSERKR PRO: TRIBAL PUNK FOLK DRUMS
本製品はサウンドを多数重ねて、とても複雑なフレーズを組み上げることができます!
と書くと「使いこなすのに時間がかかりそうで大変だな」と思う方が居るかもしれません。私も同じです。。
ですがご安心ください!即戦力プリセットが大量に用意されていますので、指一本で、そのまま映像に乗せられるクオリティの音が演奏できてしまいます。自分好みにカスタマイズすることも可能ですので、プロユーザーのオーダーにもしっかり応えることが可能です。
それではこの音源のメカニズムから紐解いていきましょう。
「手っ取り早く、この音源でどんなサウンドが手に入るのか知りたい!」という方は、
指一本で演奏できるパターン群を試聴!まで読み飛ばして頂いても構いません。
基本的な使い方
BERSERKR PRO: TRIBAL PUNK FOLK DRUMS が通常のサンプル・プレイバック音源と異なる点は、「右手で演奏しながら左手でアーティキュレーションのキースイッチを切り替える」のではなくて、右手側に同音程のサンプルが大量に用意され、左手で音程を選ぶという基本構造です。ギター音源などにも採用されている方式ですが、これにより大変豊富な演奏バリエーションを表現することができます。
また、ストレッチ・モードをONにするだけで普通の音源のように演奏でき、さらにステップモードをONにすると、ラウンドロビンが有効になって別次元の生々しさが加わります。
音色に表情を与えるラウンドロビン
1つのサンプルには8~32個のラウンドロビンが含まれています。本製品ではマシンガン・サウンドを防ぐという範疇を超えた、ダイナミックな音変化が楽曲の力強さを後押しします。
最先端のステップ・シーケンサー
ステップ・シーケンサーで、ユニークかつダイナミックなパーカッションフレーズを作ることができます。
上の動画ではベロシティ、パン、フィルター、ピッチ、レイヤーをランダマイズしたほか、スキップ・ステップス機能で「発音しない」ステップをランダム生成してみました。シーケンスのランダマイズや、発音させない確率を調整することで、リズムにノリやスペースと、飽きの来ない展開が生まれます。動画では試していませんが、「ダイナミクス」シーケンスを使うと、各シーケンスデータは非破壊のまま、抑揚のコントロールなどが可能です。
ステップ・シーケンサーを活用したプリセットを試聴
プリセット音色を読み込んでステップ・シーケンサーをONにすると、その音色を使ったフレーズやパターンを聞くことができます。シーケンサー内にリズム・プリセットが豊富に用意されているので、リズム・プリセットからアイディアを得るのも有用です。これらの音色を複数重ねて、複雑なサウンド展開を構築することが可能です。
指一本で演奏できるパターン群を試聴!
音程楽器編
打楽器編
効果系
EVOLUTION: DEVASTATOR WARZONE
基本的な仕様は BERSERKR PRO: TRIBAL PUNK FOLK DRUMS と同じ
鍵盤左側ゾーンで音程選択、右側ゾーンにサンプル配置、ステップ・シーケンサーやエフェクトを搭載している基本仕様は、上でご紹介した BERSERKR PRO: TRIBAL PUNK FOLK DRUMS と同様ですが、各機能は大分シンプルになっています。エディットしたパラメーターの方向にロボットが動くという遊び心は、今後のプラグインGUIの在り方について考えさせられる、インタラクティブ&クリエイティブな機能だと思います。ちなみに、動画のドラムサウンドではAVENGER 2のシーケンスを使用しています。
通常の演奏も可能
Playble Instrumentsというカテゴリーに、通常の音源のように演奏できるプリセットが用意されています。AVENGER 2のアルペジオ・ランダマイザーを使って、プリセットサウンドを次々に試聴しました。(AVENGER 2 新機能に関する記事はこちら >>)
ドラムマシーンも搭載!
EVOLUTION: DEVASTATOR WARZONE はドラム音源としても使えてしまいます。サウンドカテゴリーとバリエーションの多さ、簡単な音色チェンジ、そして何よりサウンドがとてもパワフルです。単体製品としても成立するクオリティです。
ドラムループも豊富
あらかじめ用意されたドラムループを演奏したり、パターンを組み合わせた複合パターンも構築できます。音程選択ゾーンがここにも用意されていて、テンポキープしたまま全体のピッチを上げ下げできるのが便利です。音程を低くすると、特にドラムの迫力が増します。
DEVASTATOR WARZONEが気になった方は、
EVOLUTION: DEVASTATOR BREAKOUT PROもぜひチェックしてください。
記事内に掲載されている価格は 2023年12月26日 時点での価格となります。
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