黒と白を基調としたブースにはSystem-Tが大々的にプリントされ、実機には人だかりができていました。老舗的な落ち着いた印象を受けるとともに、今回は新機軸となるSystem Tを全面に押し出し、Danteでのネットワーク接続の他、壁面にも表示されているRoss Overdrive、GV Ignite、 Sony ELC、Vizrt Mosart Production Automationとの互換を持つ、大型のシステムとしてその中核を担う存在となっています。
じっくりと、気になる機能性の高さ、コントロールの感触を確かめるユーザーが多く、今でもSSLコンソールの実績を感じます。
System-Tはブロードバンドをメインターゲットとしたネットワークシステムで、今年の4月から本国サイトにてリリース情報が掲載されており、SSLにおいてフラッグシップとしての力の入れようがうかがえます。
複数のコントロールインターフェイス、プロセッサーコア。オーディオI/OをSSL Networkという総称で多角的に接続できるようになっています。
主にAES67伝送規格準拠のDante HCを核とし、Mic/Lineのアナログ、MADI、AES、SDIの信号に対応。Mic/Lineのゲインコントロールはもちろんのこと、ネットワークを経由してシステム全体を包括的に制御できます。
System-Tコンソールの2/3を占めるLCDパネル。真ん中のパネルはタッチパネルとなっていますが、フェーダーやノブもあり、センターセクションはアナログライクな印象も受けました。
System-Tは最大3072in/3072outという驚異のCH数をコントロールできます。やはりDanteによる恩恵が強く、こういったアナログの入出力もネットワーク上で管理することでマトリクスの構築はもちろんのこと、実際の機材配置の問題をクリアにしていることも導入の際には大きなポイントになるでしょう。
コントロールはSSL社のT-SOLSAソフトウェアで行います。
コンソール単体でのコントロールだけでなく、こういったwindowsベースでのシステムも存在し、コンパクトな環境にすることもできる柔軟さも兼ね備えています。
本国サイトで最新となっているのが手前に見えるTempest Control Rackです。
3UのラックにPCとタッチスクリーンを搭載。内部にはT-SOLSAのソフトウェアが入り、T25(or T80)のエンジンが処理をおこない、スタンドアローンでの動作はもちろんの事、SSL Networkに属することもできる多機能な製品となっています。
USBでのキーボード、マウス接続の他、HDMIやDVI-OUTもありますので、これひとつでもシステムとして十分なほど強力なツールです。SSL Stageboxesを使えば、アナログでのIN/OUTにも対応し、必要な条件ごとにSystem-Tの中で製品を選ぶことができるネットワークの強みを感じます。
一方で今までのCシリーズコンソールの展示もありました。
こちらは既に”Compact”という扱いとなっています。十分にMADIを使用した多CHに対応した製品になりますが、こじんまりとした展示になっていました。
それだけSSLにおけるSystem-Tへの力の入れようが伺い知れます。
Writer. Yosuke
記事内に掲載されている価格は 2017年4月26日 時点での価格となります。
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