電源ケーブル、マイクケーブル、ラインケーブル、USBケーブルなどなど、音楽業界の定番ブランドとして知られるオヤイデ電気から、電源タップ2機種が発売されました。試した人のみぞ知る、電源ケーブルや電源タップによる音楽機材の音変化。低音が締まりつつも音量感が増したり、音全体の解像度が上がってピントの合った音になるなど、ハイエンド電源タップはサウンドはもちろんクリエイターの精神衛生面もクリーンナップしてくれる機材の一つです。この機会につい見落としがちな電源タップのグレードを上げて、ミックス・マスタリングのクオリティアップをお勧めします!
OCB-1シリーズのハイエンドモデル:OCB-1 EXs Ⅱ
オヤイデ電気は電線専門店として1952年に創業。それから30余年の後、現在に続く革新的な製品が生まれました。「音が良くなる電源タップ」というキャッチフレーズで登場した、“OCB-1”(オヤイデコンセントボックス1号)です。まだ電線=ケーブルで音が変わる、といった概念が存在しない時代、故江川三郎氏がこのOCB-1に着目し、ケーブルとオーディオの関係が注目されるようになりました。以来、時代と技術に歩を合わせ更新を続けてきた“OCB-1”。 発売以来一貫した純国産電源タップが、現代仕様へとアップデートされた姿でここに登場しました。
今回発売された OCB-1シリーズハイエンドモデル OCB-1 EXs は、先行発売された OCB-1ST II や OCB-1 DXs II の上位モデルになります。
L/i50ケーブルのアイデンティティー
4芯スターカッドという、L/i50ケーブルの持つアイデンティティー。「OCB-1 EXs II」は、この普遍的アイデンティティーを踏襲した新しいケーブル“L/i50 OFC II”を採用。
L/i50 OFC Ⅱの特徴
L/i50 OFC Ⅱケーブル仕様
電源タップとしての実力と流麗なルックスを併せ持つ電源タップ、それが「OCB-1 EXs II」なのです。
内部配線に国産純銀線を贅沢に使用
コンセントをつなぐ内部配線に、2.0mmの国産純銀線を贅沢に使用。純度が低く安価な中国産の銀線を使用することで銀線使用を謳う製品とは一線を画し、最高導電率を誇る銀線たる特性を十二分に発揮します。
オヤイデ電気の使用する銀線は表面をスキンパス処理しており、銀特有のギラつきとは無縁の画角の広い音像表現を実現しています。
また、アース線にもオヤイデ電気の開発した導電率102%を誇る精密導体“102 SSC”を使用。目に見えないところだからこそ贅沢に、オヤイデ電気のものづくりの姿勢はここにも息づいています。
オヤイデ電気の完成品として、ARMORDシリーズ電源プラグを初搭載
発売以来、電源プラグ・コネクターにおける最高クラスの堅牢性を誇る「ARMORED」シリーズの電源プラグ“AP-037”を「OCB-1 EXs II」専用カラーでモディファイ。「ARMORED」シリーズからオヤイデ電気製品として初搭載しました。コンセントと同素材であるりん青銅のブレードに厚肉銀ロジウムメッキ、そして本体を締結するメカニカルアース機構による徹底した制振作用が滲みのない音楽を生み出します。
歴史と実績を今も受け継ぐ国産コンセント
単品、完成品のみならず、オーディオパーツとして国内外で多数のOEM採用により、累計出荷数100,000個に及ぶ、オヤイデ電気の完全日本製コンセントSWOシリーズから、OCB-1 EXs II専用カラー(ブルー)を配し、電源プラグと同素材のリン青銅に銀ロジウムメッキの代表モデル“SWO-DX/ULTIMO”。成品として、ARMOREDシリーズの電源プラグを初搭載。
PBT-GF30素材による高剛性コンセントボックス
Oyaide Concent Box、このBoxが音の肝となります。筐体の素材には高い剛性を持つエンプラ素材“ポリブチレンテレフタレート”にGF(ガラス繊維)を30%配合したPBT-GF30。PBT樹脂はテレフタル酸(TPA)と1,4-ブタンジオール(1,4-BG)を重縮合させて得られるポリエステル樹脂で、成形性、電気特性、難燃性、耐薬品性、耐熱老化性、耐候性、着色性に優れた結晶性のエンジニアリングプラスチックです。
この素材にガラス繊維(GF)を含有強化。これにより、引張り強度とシャルピー衝撃強さは通常の2倍以上、DTUL(荷重たわみ温度)は無含有が50~85℃に対し、3倍以上の200℃と、高温化での寸法安定優位性を持ちます。この高い剛性が音のぼやけや滲みの原因となるコンセントボックスの不要な鳴きを抑えています。
構造はモノコック構造を採用、コンセントの固定は底辺より4本のポストを立ち上げ、振動を直接シャーシ底辺に伝達します。本体肉厚は汎用塩ビ製品(塩ビ2.8mm厚)の1.4倍以上となる4mm厚を確保。さらに素材にEMIを配慮しカーボンを加え、周辺機器間で生じる影響を最小限にとどめ、底辺に直径13mmの足を出すことにより、床面と本体の接触面積を小さくし共振を最小限におさえます。
これら素材と構造の複合要素により、OCB-1シリーズの特徴といえる歪感の減少と高いS/N比を実現しています。
7/31 発売予定!
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ブラッシュアップを施したMTS-6の後継機種:MTS-6 Ⅱ
前機種 MTS-6 はMTシリーズの中ではAV周辺用途を主に想定して開発されたモデルですが、MTS-6 II はさらにAV周辺だけにとどまらず、多くのオーディオファイルを満足させることに主眼を置きブラッシュアップを施したモデルとなります。MTS-6 をベースとしながら、各パーツ選定やワイヤリング等を見直すことで、MTS-6 IIはオーディオ用マルチタップとしてさらに手に取りやすいバランスのとれたモデルとなりました。
非常に高い剛性を持つ1.6mm厚のステンレスシャーシを使用し、使用部材のステンレスは非磁性のオーステナイト系SUS304を使用。また、対振動性だけではなく電磁波やノイズを強力にガードします。ひとつひとつのパーツを吟味し定位の改善と歪を解消。ニアフィールドにおいても定位感、バランス表現を存分に感じることができるモデルです。オフホワイトのコンセントフェースを採用し、ホームシアターやリビングにも溶け込むルックスは、カジュアルでありながら高級な佇まいを残します。
MTS-6 II専用のオリジナルコンセント
電源タップを構成するパーツの中で、最重要部分といっても過言ではないコンセント。本製品は歯受けの部分にバネ性が高く、音色の色付けを抑えるリン青銅無めっきという前機種のコンセプトを踏襲し、同品にバフフィニッシュを施すことで高域レンジを改善。よりモダンなサウンドを目指した MTS-6 II 専用の“SWO”モディファイモデルが搭載されています。このコンセント本体素材には優れた機械特性と電気絶縁性を併せ持つ高比重エンプラ素材PBT+GF30%を採用し、制動能力を極限まで高めました。
コンセントを支持するバンド金具部分には非磁性厚肉の真鍮を用い、従来使用していたベークドワッシャー2枚構成から、ベークドワッシャー1枚とデルリンワッシャー1枚による異素材複合構成へ変更され、マルチタップの重要要素である制振効果を向上させています。コンセントフェースにはオフホワイトカラーの特注品を採用し、ブックシェルフスピーカーにおけるニアフィールド環境や、ホームシアターリビングにおいても上品に馴染むルックスに仕上げました。
吟味を重ねた内部配線
あらゆる内部配線を試し、幾度となる試聴を重ねた結果、動力配線部には絶縁体に誘電率の低いポリオレフィン樹脂を使用した2mm無酸素銅単線を採用。そして音を決定づける要素の要の一つとなるアース線には精密導体“102 SSC”銅線を使用しました。
音質を左右する要素として軽視されがちなアース線になぜ“102 SSC”を採用したのか?オーディオ機器におけるアースの重要性に着目し、いち早く仮想アース「Entreq」を展開、ターンテーブル専用純銀アースケーブルをリリースした実績を持つオヤイデ電気は、アース線の素材やサイズがもたらす効果を知っています。 MTS-6 II においてもアース線が音質を左右する大事な要素とみなし、オーディオパーツの一部として素材、サイズともに吟味を重ね選定しました。MTS-6 II では、精密導体“102 SSC”を贅沢に使用した配線材であるオヤイデ「3398シリーズ」から、14 AWGの「3398-14」を専用生産し採用しています。
筐体とスパイクの素材を統一。3点、4点支持選択可能ステンレス・スパイク仕様
スパイク部は、異素材のコンビネーションによる振動対策=SUS303製ステンレス・スパイク+ハネナイトワッシャーという硬い素材と柔らかい素材の組み合わせにより振動を抑えつつ共振を予防する、ダブル制振対策を施しました。
振動を床に伝える部分の足は、通常はゴム足などを用いますが、本製品は筐体と同じ素材のステンレス製スパイクを標準装備。加えて制振性に定評のあるハネナイトワッシャーを付属。床からの振動とボディの振動を抑制し、筐体から生じる 鳴き による滲みを低減します。
また、出荷時は“ ”4点となっておりますがセンターにネジ穴を設けてある為、お好みで3点支持への変更も可能です。
INS-BSねじ止め固定可能
MTB-4/MTB-6/MTS-6 IIおよびOCB-1IIシリーズ(Ver.2012以降)においてINS-BSをねじ止め固定できます。
MTB-4/MTB-6は真鍮スパイク(OSP-SC)を、MTS-6 IIはステンレス製スパイク(OSP-SS)を外してからM4ネジでINS-BSを取り付けます。
ロジウムメッキインレット
インレットにはオヤイデ電源タップ用に特別に開発されたNC174RR(IEC320インレット)を使用。このインレットは、バフ仕上げをした真鍮材に下地として導電率の高い純銀厚肉メッキ(1.5μ)を施し、仕上げに通常の3倍の厚さのロジウムメッキ(0.3μ)と高品質2層メッキが施されています。外郭素材は耐熱強化樹脂にガラス粉を混入しハイスピードで伸びやかな音質を実現した最高品質のインレットです。
MTS-6 II のブラッシュアップは素材の吟味選定に留まりません。IECインレット部分は内部外郭へ電磁波吸収体を使用することで接点部分に生じる磁気ノイズを吸収し、接点による磁気歪みを軽減させています。
音響専用ハンダ”SS-47”を使用
配線のハンダ付けには、オヤイデ電気オリジナルの音響専用ハンダ“SS-47”を使用。通常のハンダはコスト面から錫の純度が99.9%(3N)程度ですが、“SS-47”はさらに純度を上げ不純物を極限まで排し、実に99.993%(4N)以上という高純度錫を採用しています。
さらに導電率の向上、はんだの食われ防止を目的とし、銀、銅を配合しています。通常の合金ハンダでは銀の配合比3~3.5%となりますが、“SS-47”には4.7%という物量を惜しげもなく投入したうえ、金属の中でも銀の次に導電率の高い銅を1.7%配合。この配合比により導電率は飛躍的に向上し共晶点217度に設定することに成功しいています。
この名実を伴った音響用ハンダ“SS-47”が MTS-6 II には使用されているのです。
MTS-6 IIの使用例
・オーディオシステムのマルチ電源タップとして
・音楽制作システムのマルチ電源タップとして
・ハイエンドホームシアターのマルチ電源タップとして
7/31 発売予定!
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記事内に掲載されている価格は 2020年7月28日 時点での価格となります。
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