PLOGUE CHIPSYNTH シリーズ ラインナップ
名前だけでインスパイア元のハードウェアが想像できますね。FCと64は現在開発中のようです。PSG音源もチップチューンには欠かせないので、リリースがとても楽しみです。
CHIPSYNTH PortaFM
80年代のキーボード「PSS」シリーズをもとに作られたFMシンセ音源
CHIPSYNTH PortaFM は、PSS-140、PSS-270ミニ・キーボード、SHS-10キーターなどの80年代後半の「PSS」シリーズからインスパイアを得て制作されたユニークな2オシレーターのFMシンセです。
家庭用パソコンでは、サウンドカードの代表格である「AdLib」や「Sound Blaster」が同系統のチップを使用してパソコンに「声」を与え、90年代にはDOSゲームのサウンドの核として採用されました。
これらのシンセサイザーに搭載されている音源をそのままに、より高い処理能力での制御・変調を可能にし、手軽なプラグインという形でDAWに導入できてしまいます。
PortaFMは、メインシンセエンジンとして正確にエミュレートされたFMチップコアのペアを使用しており、OPLL(YM2413)、OPL2(YM3812)、OPK2(YM7129)の間で切り替えが可能です。またもう1つのコアはドラムサウンド専用で、これらはすべてクリエイティブにレイヤーできます。
OPLL、OPL2、OPK2チップの持つ独特のローファイな質感は、これまで正確に再現されたことはありませんでした。PLOGUE社は15年以上にわたってビンテージ・デジタル・サウンド・ジェネレーターを研究してきた経験を活かし、その限界に挑みました。モントリオールのリバース・エンジニアリング・チームにより、ハードウェア支援による体系的なテスト手順を経て、新しい数学的モデルとして構築されました。もちろん、これらのサウンドを実現するのにサンプルは一切使用していません。
CHIPSYNTH PortaFM:音作り試聴と サウンドプリセット試聴
CHIPSYNTH シリーズを試すにあたり、当時のゲームBGMをイメージしたトラックを作成しました。
CHIPSYNTH OPS7
80年代を代表するYAMAHA DX1&DX5を精巧に再現したFMシンセ音源
CHIPSYNTH OPS7 は、FMキーボードの最高峰「YAMAHA DX1」「DX5」のデュアルレイヤーシステムによってもたらされる豊かなサウンドを再現しています。
1983年にブームを巻き起こしたクリスピーなベースサウンド、クリスタルのようなベル、心地よいエレクトリックピアノ、シャープなリズムのクラビコードが、サンプリングではなくエミュレーションで再現されており、FM音源ファンにはぜひチェックして頂きたい製品です。
FMシンセ特有の難解なアルゴリズム図を排除し、エフェクトのフルセットと「ダイナミック・パッチ・エディティング・システム」を搭載することで、パッチの作成がより簡単になっています。拡張モードでは、TX81Z、SY77、OPL3の波形も使用可能です。また、YAMAHA「DX」シリーズの6OPのパッチバンクをロードすることも可能で、SysExバンクファイルと、ハードウェアSysExインターフェイスに完全対応しています。
アナログ感を前面に出した精巧なエミュレーション
オリジナルのEGS&OPSチップのデジタル・キャプチャ出力を正確にマッチングさせることで、オリジナルキーボードのサウンドを余すところなく再現。これには、音ごとに異なるエンベロープのステップ・パターン、複雑なピッチ計算、そして各アルゴリズムのビット単位まで完全に同一なものを実装しています。
キーボードやモジュールのアナログ部分も、細部に至るまで贅沢に再現されています。オリジナルのDACが持つ、独特のクランチ感まで再現されているということで、ぜひそのサウンドを動画でお楽しみ下さい。
CHIPSYNTH OPS7:音作り試聴と サウンドプリセット試聴
CHIPSYNTH MD
4つのオシレーターを搭載した16bitのFMシンセサイザー
CHIPSYNTH MD は、4つのオシレーターを搭載する、豊富な機能を実装したFMシンセサイザーです。
FMシンセに忠実&精巧なエミュレーション
CHIPSYNTH MDには、正確なビットを実現するOPN2(YM2612)エミュレーターを搭載しています。SN76489互換の矩形波コア(SPSG)と、ゲームに見られる非常に歯切れの良いサンプル再生の特別なエミュレーションを組み合わせて、これらをすべて6倍にすることでポリフォニックでの演奏を可能にしました。
OPN2チップの特殊な機能を含むコーナーケースも、特別なハードウェア・リグでのテストを経て完璧にエミュレートされるように構成されています。さらに、DACとインパルス・レスポンスのエミュレーションを加えることで、かつてないほどリアルなサウンドを実現しています。そしてこれらは全て、サンプルを使用せずに実現されています。
CHIPSYNTH MD:音作り試聴と サウンドプリセット試聴
CHIPSYNTH SFC
往年のゲーム機の16bitサウンドを奏でるシンセサイザー
CHIPSYNTH SFC は、2D時代に最も愛されたビデオゲーム音楽、豪華なオーケストラ音楽、ポップなアンセムの宝庫であるスーパーファミコンのサウンドを現代に蘇らせるシンセサイザー音源です。
直感的なサンプル統合システムにより、どんなオーディオファイルでもわずか数秒で本物のSNESインストゥルメントに変身し、SNES独特のエコー効果を追加可能。操作の難しいオーディオ・ファイル・エディターやBRRコンバーターを使うことなく、DAWですぐに使用できます。使用するサンプルが無くても、一般的な楽器を網羅したサンプル・ライブラリーを収録。8ボイスのレイヤー、サンプル間のFM、複雑なモジュレーションを行うことも可能です。
サンプリングではない、実機に忠実なエミュレーション
スーパーファミコンのサウンドを奏でている「SHVC-SOUNDモジュール」を特別にエミュレーションし、デジタルとアナログの両領域がカバーされています。このエミュレーションは、独自のカスタムリグと徹底的な音色テストによって、完璧なマッチングを目指したデジタル・レコーディングの包括的なアプローチをベースに構成されています。そのため、本物のオリジナルのスーパーファミコンで使用されているSPCファイル(音楽ファイル)を本製品のSFCソングプレーヤーで演奏すると、実機と完全に一致するサウンドが奏でられます。つまり本製品は、スーパーファミコンから録音した静的なサンプルを使っているのではなく、サンプルの再生方法を構造的に再現しています。
CHIPSYNTH SFC:音作り試聴と サウンドプリセット試聴
8-bit soft synth ”CHIPSOUNDS”
チップチューンの様々なテクニックを再現する8bitシンセ音源
CHIPSOUNDS は、クラシックゲーム機、ビンテージ8ビットホームコンピューター、さらには80年代のアーケードゲーム機といった、8ビット時代に活躍した15種類のビンテージ・サウンドチップを細部に至るまで忠実にエミュレート。さらに、過去30年間でチップ・ミュージック作曲家やゲーム・サウンドデザイナーによって用いられた、サウンドの「トリック」をダイナミックに再現することも可能で、オリジナルのチップ設計を超えた機能を実現しています。まさにチップチューンマニア必須のアイテムです。
当時のサウンドチップには同時発音数や音色に制限があったため、高速なワンショット・アルペジオや高速スウィープ・グライドなど、本来のサウンドの限界を超えるようなテクニックが編み出されました。CHIPSOUNDSではそれらのテクニックが実現可能です。モジュレーションはエンベロープのほかLFOも用意され、ユーザーがカスタムLFOの波形を作ることもできます。
CHIPSOUNDS:サウンドプリセット試聴
ビンテージ・スピーチ・シンセサイザー
往年の音声合成をエミュレートした、スピーチシンセサイザー
CHIPSPEECH には、約80種類もの音声合成チップのエミュレートによって造られた「8人のシンガー」が搭載されています。各シンガーは音楽的に使えるよう特別に調整されており、ユーザーが入力した歌詞(英語/日本語)を、MIDIキーボードで歌わせることができます。加えて、声質(性別感、年齢感など)やピッチ感、人数感、ビブラートやエクスプレッションも自由自在にコントロール可能。
「音声合成」「シンセサイザー」「音楽性」全ての魅力を1つにした、唯一無二のスピーチ・シンセサイザーです。
1961年に「IBM 704」コンピューターが「デイジー・ベル」を歌って以来、音声合成は飛躍的な進歩を遂げましたが、当時の音声合成チップは独特の癖や発音、そしてロボット感が強かったため、人々からあまり受け入れられませんでした。しかし現代ではとてもユニークな存在として、楽曲に特別な世界観を与えてくれます。
搭載シンガー
Bert Gotrax
・開発者 : Richard T. Gagnon
・著名な使用例 : Q-Bert, Gorf
・デバイス : Votrax SC-01
・Wikipedia(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/Votrax
・音声合成のタイプ : フォルマント(アナログ)
・トーンの傾向 :
アナログハードウェア実機に起因した、複雑な周波数による泣くような声やノイズが多い。
Dandy 704
・開発者 : John Kelly and Carol Lochbaum
・著名な使用例 :
Daisy Bell(史上初のコンピュータの音声合成を用いた歌)
・デバイス : IBM 704 computer に基づくシステム
・Wikipedia(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/Daisy_Bell#In_technology_and_culture
・音声合成のタイプ : 物理モデル(導波管)
・トーンの傾向 :
暗いミュートがかかっている。曲折した信号経路のため、母音のなかに変わった抑揚を持つ。
Dee Klatt
・開発者 : Dennis Klatt
・著名な使用例 : Stephen Hawkingの声
・デバイス : Dectalk
・Wikipedia(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/DECtalk
・音声合成のタイプ : フォルマント
・トーンの傾向 :
極めて汎用性が高く、ハスキーな男性のバリトンから甲高い女性ディーヴァまで、幅広く使うことが可能。
Lady Parsec
・開発者 : Richard Wiggins & the Speak & Spell team
・著名な使用例 : Parsec(TI-99/4A用ゲーム)
・デバイス : TI-99/4A プラグイン型スピーチシンセサイザーモジュール
・Wikipedia(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/Parsec_(video_game)
・音声合成のタイプ : LPC10(格子ネットワーク)
・トーンの傾向 :
ミュートがかかった女性の声。
Otto Mozer
・開発者 : Forrest Mozer
・著名な使用例 : Berzerk
・デバイス : TSI
・Wikipedia(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/ESS_Technology
・音声合成のタイプ : ボイスセグメントのシーケンス処理
・トーンの傾向 :
極めて明るく歯切れ良く、低音域が豊かでアクセントが強い。どのようなミックスでもよく響く。
Spencer AL2
・開発者 : John E. Stork
・著名な使用例 : Intellivoice (Intellivision), Magnavox Odyssey2 voice attachment
・デバイス : SP0256-AL2チップ
・Wikipedia(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/General_Instrument_SP0256
・音声合成のタイプ : LPC12(カスケード接続された2本の極線)
・トーンの傾向 :
ボイスのセグメント数が限られ途切れが多い、特徴的なボイス。
Terminal 99
・開発者 : Richard Wiggins & the Speak & Spell team
・著名な使用例 : TI-99/4A Terminal Emulator II cartridge
・デバイス : TI-99/4A プラグイン型スピーチシンセサイザーモジュール
・Wikipedia(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/Texas_Instruments_TI-99/4A
・音声合成のタイプ : LPC10(格子ネットワーク)
・トーンの傾向 :
やや途切れ途切れ。
VOSIM
・開発者 : Werner Kaegi and Stan Tempelaars
・デバイス : Standard DAC
・Wikipedia(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/Werner_Kaegi_(composer)
・音声合成のタイプ : Windowed Oscillator Sync1
・トーンの傾向 :
シンセサイザーに似ている。
CHIPSPEECH:音色作り試聴、サウンドプリセット試聴
CHIPCRUSHER
80年代のコンピュータから16bitサウンドまで、レトロなサウンドを再現するマルチFX
CHIPCRUSHER は、ゲーム機、コンピュータ、楽器など、数々のレトロなデバイスのサウンドを再現するマルチエフェクト・プラグインです。
ビンテージ・サウンド・エンコーディング、80年代のコンピュータ・スピーカー、有名な16ビット・コンソールのSPCディレイなどの音質を再現するだけでなく、バックグラウンドノイズとフィルター・インパルス・レスポンスも併せて備えています。
CHIPCRUSHER には、DAC Encoding、SPC Delay、Background Noise、Cabinetと4つのコンポーネントが収録されています。オーディオ入力はゲート、コンプレッサー、DAC Encodingの順に送られ、次にSPC Delay、Background Noiseとミックスされ、最終的にCabinetステージに送られます。必要に応じて、各コンポーネントだけを使用することが可能です。
CHIPCRUSHER:音作り試聴、サウンドプリセット試聴
5つの音源をダイジェストで試聴
PLOGUE社 7製品の試聴を終えて
記事内に掲載されている価格は 2023年3月31日 時点での価格となります。
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