世界中のシンセマニアが数十年待ち続けた本家本元によるSEQUENTIALProphet-5の復活。世界的な品薄状態が続いて1年が経過し、ようやく数台の在庫が入荷!歴史を塗り替え現代に復活した名機をこのチャンスに手に入れてください。
Rock oN AWARD2021受賞
すべてのProphet-5の中で最高のProphet-5 Rev4
Prophet-5は1978年にSequential Circuitsから発売されたアナログ・シンセサイザーです。Prophet-5が画期的であったのは、当時のシンセサイザーがモノフォニック(単音)しか出なかった時代に、5音ポリフォニック(和音)を実現したこと、さらに世界初のプログラマブルシンセよして40音色(後期のバージョンは120音色)メモリーできました。多くのアーティストに愛用されたのは何より音作りの幅広さで、暖かみのあるパッドやストリングス、シンセベースなどから、オシレーターシンクを使用した存在感のあるリードサウンドや、ポリモジュレーションを駆使して複雑な倍音を合成することで金属的な音なども作ることもできました。80年代を中心に多くのアーティストに愛用され、特に国内ではYMOや坂本龍一氏の作品で使われたことで有名です。
当時170万円という高価な値段であったにもかかわらず、発売終了の1984年まで7200台が販売されました。また生産時期によって3つのリビジョンが存在し、サウンドやフィルターの仕様などが異なることから、現在でも中古市場での人気も根強いシンセサイザーです。
Prophet-5の生みの親であり、現在も精力的にシンセサイザーを作り続けるDave Smith氏が「すべてのProphet-5の中で最高のProphet-5」と宣言するこのRev4は、現代の技術によってヴィンテージシンセの本質が完全に貫かれています。
ポイント①:伝説のRev1、Rev2サウンド
中古市場でもほぼ手に入らない Rev1、Rev2 の太く荒々しいサウンドの復活は、Rev3のオーナーにとっても衝撃のニュースとなりました。入手がほぼ不可能なRev1/Rev2のサウンドが現代に蘇り、それが安定して演奏できるだけでも非常に価値ある事なのです。 最新のRev4にはフィルターが2バージョン搭載され、Rev1/Rev2と Rev3 から選択できます。何度も言いますがこれ、本当に凄い事なんです! これまで幸運にも Rev1やRev2を手に入れられる機会に恵まれた方でも、不安定動作と故障の懸念から購入断念したケースが多かったのです。もはや楽器としてではなく工芸美術品としての評価も高いRev1とRev2が、Rev3とセットで付いて来てしまうのです! まずは Rev1/Rev2 と Rev3 のサウンドの違いをチェックしましょう!
試聴ポイント②:最先端のヴィンテージシンセサウンド
世界を変えたアナログ・ポリシンセであるProphet-5への回想と愛情から誕生した特別な機能の一つ「VINTAGEノブ」!
Rev4の安定動作は当然のことながら、新たに開発されたVINTAGEノブによってヴィンテージシンセの醍醐味、つまり不安定な挙動が味わえます。これはDAVE SMITH INSTRUMENTSで採用されてきたOSC SLOPとは一線を画す最新機能で、オシレーターのピッチ、フィルター、アンプ、エンベロープに至る部品単位の不安定さを再現し、有機的でリアルなヴィンテージ感が最新機の中に蘇るのです! VINTAGEツマミもぜひ回しましょう!
ポイント③:Super Sawの先祖ともいえる、ぶ厚いディチューンサウンド
ユニゾン・ボタンを押すとモノモードとなり、5ボイス全てが同一音程で発音されます。ここまでは皆さんご存知かと思いますが、Rev4のユニゾン・モードは進化しています!なんとボイス数とディチューン量の設定が可能で、1〜5ボイスのユニゾン選択、1〜8段階でのディチューン量が選択できるのです。ヴィンテージのProphet-5では時間の経過とともにオシレーターのピッチがズレていきます。ズレが心地よい辺りをねらってユニゾン・ボタンを押すと最高なのですが、ズレ幅が許容範囲を超えた時には本体のチューニングボタンを押すしかありませんでした。そうするとピッチが綺麗に揃ってしまい音に広がりがなくなるため、またしばらく待つという忍耐がRev4で無くなったのです!1〜8段階でのディチューン量が選択できるなんて、これも先ほどのVINTAGEツマミに通ずる最新ヴィンテージサウンドといえるでしょう。ベースサウンドにはワンオシレーターの力強いサウンドが効果的ですが、リード等にはこのぶ厚いディチューンサウンドが音の壁のような存在感を与えてくれます。1〜5ボイスのユニゾン選択、1〜8段階でのディチューン量、こちらも要チェックです!
ポイント④:ポリフォニック・グライドとコード・メモリー機能
グライド機能はモノフォニック演奏でよく使用され、音程の移動をなめらかに繋ぐ効果が特徴的です。ポリフォニック・グライドというように、和音演奏時にもポルタメントしてしまうというのが面白いです。そしてProphet-5の後継機であるPropthet-T8(1983年発売)で実装されたコード・メモリー機能がRev4にも搭載されました。コードを押さえた状態を記録して、コードを指一本で演奏できます。コードの平行移動はサンプラー登場時にもよく使われ、現代のシンセにも大抵搭載されている機能ですが、この機会に再度、アレンジに導入してしまうのはいかがでしょうか?
ポイント⑤:Fatar製セミウェイテッド・キーボードの弾き心地
これまでヴィンテージのProphet-5が抱えてきた、鍵盤の接点棒が折れてしまう心配はもうありません! 筆者は頻繁に接点棒が折れるのでRoland JUNO-106の鍵盤を移植してもらったのですが、最新Rev4には世界標準鍵盤ともいえるFatar製セミウェイテッド・キーボードが採用されました。
ベロシティとアフタータッチに対応し、ベロシティでフィルター開度とアンプ、そしてアフタータッチでフィルター開度とLFOデプスをコントロール可能。現代では当然の機能ながら、Prophet-5でベロシティ表現ができることに大きな価値を見出すファンも多いことでしょう!演奏感の向上、演奏表現の幅が格段に拡がりました。そしてピッチベンドホイールにはスプリングが内蔵され自動で戻ってきます!そうです、ヴィンテージでは戻って来ないのです。
その他のチェックポイント
〜40年のヴィンテージ伝説を超えた、一生物のシンセサイザー〜
記事内に掲載されている価格は 2021年4月7日 時点での価格となります。
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