スプリング・リバーブの春到来!
AUDIOTHING / SPRINGS
11種のビンテージスプリングをモデリングしたリバーブプラグイン!
SPRINGSは放送局に使用された巨大な 6-spring パイプから、バッテリー式の小さな single-spring ユニットといった個性豊かな機材まで、11種類のビンテージスプリング・リバーブをモデリング。インプット段には自由にカットオフを設定可能なバンドパスフィルターが搭載されており、同種のリバーブユニットでもサーフギターサウンドからウォームなボーカルリバーブまで、簡単にサウンドメイキングできるよう設計されています。
また、BASS・TREBLE トーン回路などに採用例が多く見られる伝統的なトーンコントロールイコライザ Baxandall EQ のエミュレーションを搭載。BASS・TREBLE に加えてMidバンドを追加し、スプリング・リバーブのもつ独特でアイコニックなサウンドを自在にコントロールできます。
SPRINGSはコンボリューション技術とモデリング技術を融合させ、スプリング・リバーブのキャラクターを見事に再現しているのです!
11種類のスプリング・リバーブ モデル
BBCで使用。Accutronics社スプリングタンクをプラスチックドレーンパイプに収めた一品。
1970-79年頃 6 springs, 28cm
リバーブタンクを内蔵した日本製クラシックテープエコー。エコーセクションのみならず、独特のスプリング・リバーブサウンドが得られます。
1974年リリース 2 springs, 15.5cm / 1 spring, 12.7cm
クラシックアメリカンスプリング・リバーブ。再キャッピングと整備を行い、よりクリーンなサウンドを実現。
1970-79年頃 3 springs, 28cm
ソリッドステートリバーブアンプ。オリジナルは民生用であったものが業務用に改造されたユニット。
多くのアーティストが愛用しており、そのサウンドはボーカルに深みを加えます。
1971年リリース 2 springs, 14.5
HAWK社による日本製ビンテージスプリング・リバーブ。
1960年代後半~70年前半 2 springs, 28cm
ユーロラック用のスプリング・リバーブモジュール。
3 springs, 8cm
Olson AM-534をリブランドしたと思われる日本製ビンテージスプリング・リバーブ。
1970年台 1 spring, 15.2cm
非常に小さいバッテリー駆動型ソリッドステートリバーブアンプ。OEMバージョンがいくつかのメーカーからリリースされている。
1970年後半~80年前半 1 spring, 8.5cm
小型のギターヘッドアンプ。ノイジーで非常にベーシックなスプリング・リバーブ。
1975年リリース 1 spring, 15.2cm
おそらく史上最小のスプリング・リバーブです。小さなスプリングのため、スプリング・リバーブよりもブーミーエコーのような音を出します。
1970-79年頃 1 spring, 5cm
ゲルマニウムを使用したスプリング・リバーブ。USAリバーブタンクを使用したドイツ製。
1964年リリース 2 springs, 14cm
SPRINGSに搭載された 全11モデルを試聴!
ドラムのリムショットと単音ギターを、SPRINGS にエフェクトセンドして使用しました。ステレオのギターにはステレオでリバーブがかかり、センターモノのリムショットでは、リバーブが音像のど真ん中に吸い込まれて行くのが非常に心地良いです。奥行きの立体感が特別で、リバーブが楽器の音色そのものを生み出しています。リバーブをガッツリかけた感じが欲しい時には、部屋の響きをシミュレートした通常のリバーブよりも、プレート・リバーブやスプリング・リバーブをお勧めします。スプリング・リバーブは楽曲やジャンルを選ぶ音色ではありますが、用途にマッチした場合にはとてつもないインパクトが手に入ります。また、モノラル・センター定位のパーカッションなどに隠し味として使用するのも有用です。
実践! スプリング・リバーブ愛に満ちた 多彩な音作り
DRIVEツマミを上げると歪みでサウンドのアタックが削れ、ボリュームが大きくなった分はCOMPRESSツマミを上げると程よく圧縮されます。スプリング・リバーブは高域の減衰が大きいため、イコライザで高域をブーストすると現代的なサウンドに近付きました。音色的に一番美味しいのは中域で、中域をブーストするとスプリング・リバーブの芳醇なサウンドが強調され、圧倒的に存在感のあるサウンドが得られました! EMPHASISツマミは倍音を強調してサウンド全体が明るくなり、STEREO WIDTHツマミはモノラルからステレオ逆相まで幅広くコントロール可能です。
サウンド入力部にはバンドパス・フィルターが備えられ、低域をフィルターでカットしてリバーブの濁りを防ぐのにも役立ちます。
ハードウェア本体から発せられるフロア・ノイズもしっかり再現されていて、動画では全モデルのノイズを試聴しています。そしてまた面白いことに、プラグイン画面の両端にある木枠をクリックすると、スプリングを揺らしたサウンドを聞くことができます。SPRINGSには、スプリング・リバーブ愛好家を喜ばせる機能が盛りだくさんです。
そして特筆の機能として、サンプルのピッチを上下したり、アンプ・エンベロープを適用できる機能が挙げられます。実機のスプリングを拡張した面白サウンドが得られたり、リバーブ・タイムを制御できるという画期的な機能です。こちらも動画に収めましたのでご確認ください。
メーカー動画・音源
AUDIOTHING / ALBOROSIE DUB STATION
King Tubbyによる伝説のフィルター/エコー/スプリング・リバーブを再現!
ALBOROSIE DUB STATIONは、ダブ・レゲエの黄金期と呼ばれる1970年代、パイオニアとも言われたプロデューサー/スタジオ・エンジニアであるキング・タビーのビンテージ・ギア・コレクションからサンプリングし、それらを丁寧に分析・再現を行った製品です。フィルター、エコー、スプリング・リバーブ、これら3つのエフェクトがユニットになっています。中でも SPRING BLING と呼ばれるスプリング・リバーブが、上でご紹介した「SPRINGS」とは一味違いますので、ぜひそのサウンドをお聞きください。
試聴! ALBOROSIE DUB STATION 搭載 SPRING BLING(スプリング・リバーブ)
ALBOROSIE DUB STATION にリムショットと単音ギターをセンドし、画面下部のエフェクト SPRING BLING のツマミを回しています。たった1つのツマミという超シンプルな仕様ですが、SPRINGSとは異なるサウンドです。サウンドがハイファイで、はるか彼方まで響き渡るリリースの長さを持っている点では通常のリバーブに近い質感です。リバーブのテールまで見えるきめ細やかなサウンドで、本製品の解像度の高さが感じられます。
ALBOROSIE DUB STATION を構成する3つのエフェクト
FILTER MAN(フィルター)
Tubbyのいわゆる”Big Knob”をモデルにしたもので、70Hzから7.5KHzまでの周波数を11段階で設定可能なパッシブ・ハイパス・フィルターです。このフィルターにより、ジャマイカ音楽のルーツ・エリア全体のサウンドが作り上げられました。
ECHOWUK(エコー)
当時キングストンのウォーター・ハウスにあったKing Tubby Studioから直接入手したもので、レゲエ・クラシック全般や人気の高いTubbyのインストゥルメンタル・ダブ・ミックスのほとんどの録音に使用され、エコー効果を生み出すためにも使用されたMCIの2トラック・テープを使用しています。
SPRING BLING(スプリング・リバーブ)
キングストンのウォーターハウスにあるKing Tubby Studioから直接取り寄せたもので、Maestro自身がレコーディングやプロデュースしたほとんどのクラシック・レコードやダブ・ミックスに使用したフェアチャイルド・スプリング・リバーブを改造したものです。
伝説のマルチエフェクトをエディットしながら試聴!
ユニット中段のECHOWUK(エコー)は音のナマリを感じないクリアーなディレイで、HISSツマミを上げるとフロアノイズを付加することができます。上段のFILTER MAN(フィルター)で劇的にサウンドが変化しますので、フィルターとディレイのセットで情熱的なダブ・レゲエを構築するイメージです。最後の仕上げは下段のSPRING BLING(スプリング・リバーブ)で、これが加わると一気に世界観が変わります。ドローンなどの実験音楽にもマッチしそうなサウンドです。
メーカー動画・音源
Writer:SCFED IBE
記事内に掲載されている価格は 2023年3月24日 時点での価格となります。
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