伝説的プリアンプとコンプをアナログ領域で再現したオーディオインターフェイス
世界中のプロデューサーやエンジニア、ミュージシャンやクリエイターから絶大な信頼を得ているUniversal Audioが、プロフェッショナルな世界をより多くのクリエイターに向けて提供するUSB接続オーディオインターフェイス Voltシリーズを発表しました。クラシックなアナログトーンを目指して開発されたVoltシリーズは、ビンテージチューブ卓の至宝と言われるUA 610チューブプリアンプをエミュレートした回路が全モデルに搭載され、あらゆるマイクや楽器にシルキーかつ温かみのあるサウンドを与えてくれます。さらに上位機種には、Universal Audioのアイコン的アウトボードである1176コンプレッサーを再現したアナログ回路が加わり、ボーカルや楽器に明瞭さとパンチを加えることも可能です。
Voltシリーズは Volt 1、Volt 2、Volt 176、Volt 276、Volt 476 の5つのラインナップを誇り、Mac、Win、iOSモバイル機器と接続してバスパワーによる駆動が可能(Volt 476のみDC接続必須)。すべてのモデルには24ビット/192 kHzオーディオコンバーター内蔵のほか、48V電源ボタン、INSTボタン、UA 610をエミュレートするビンテージプリアンプボタン、MIDI入出力端子、レイテンシー無しのオーディオモニタリングを可能にするダイレクトモニタリングボタン、そしてスタジオクオリティーのヘッドフォンアンプが搭載されています。音楽制作ソフトウェアは Ableton、Melodyne、UJAM、Marshall、Ampeg などが付属し、初心者が購入してもすぐに音楽制作が始められるほか、本格的なオーディオソフトウェア群がハイレベルな制作環境を提供してくれます。
全ての Volt シリーズには、610 チューブプリアンプをエミュレーションした回路を搭載。デスクトップタイプの Volt 176、Volt 276、Volt 476 にはUA 1176 をベースにしたアナログコンプレッサーを搭載しています。
UA 610 チューブプリアンプとは
Bill Putnam Sr. が設計した UA 610 モジュラーコンソールは、ビンテージチューブ卓の至宝と言えます。Ray Charles や Frank Sinatra から Van Halen、the Beach Boys の Pet Sounds をはじめとする数えきれないほどの作品で、610 チューブプリアンプ & EQ が立体的なあたたかさ、プレゼンス、響きを与えました。真空管ならではのシルキーかつ温かみのあるサウンドは、あらゆるマイクや楽器を特徴ある音に仕上げてくれるでしょう。
UA 1176 アナログコンプレッサーとは
ビル・パットナムSr.が設計した1チャンネル仕様の、世界初オールトランジスターのリミッター/コンプレッサーです。超高速なアタックタイムと独自のサウンドは、多くの伝説的なレコーディングで聴くことができます。Peter Frampton、Joe Satriani、Mike Elizondo、Joe Chiccarelliなど著名なプロデューサー/エンジニア達も、この1176を愛してやまない人たちです。現代でもスタジオになくてはならない機材の1つといえるでしょう。
ユニバーサルオーディオの歴史
Universal Studioの設計者であり、そこのレコーディングエンジニアでもあった Bill Putnam が Universal Audio を設立した経緯や、レコーディング史を記事最後にご紹介しています。そちらもぜひご参考にしてください。
ラック型とデスクトップ型をラインナップ
ラック型のVolt 1は XLRコンボ1イン/2アウト、Volt 2は XLRコンボ2イン/2アウトという仕様で、クラシックなアナログトーンで手軽にレコーディングをしたいエントリーユーザーや、簡易的な配信などに適しています。
上位機種に相当するデスクトップ型モデル Volt 176は XLRコンボ1イン/2アウト、Volt 276は XLRコンボ2イン/2アウト、そしてVolt 476は XLRコンボ2イン+ライン2イン/4アウト仕様となっており、これら上位機種にはUA 1176を再現したアナログコンプレッサーをONにするボタンが備えられています。コンプレッサーの設定はボーカル、ギター、シンセ、ドラムマシンなどに適した3つのプリセット(VOC、GTR、FAST)が用意され、音源に合った設定を簡単に選べます。Volt 176とVolt 276はボーカリストやギタリストの環境にうってつけの仕様となっているほか、Volt 476では増設されたアウトプットにDAWから音声を送り、本体インプットに入力して内蔵コンプレッサーを活用するという手法もお勧め。なお、Voltシリーズの出力端子はすべてTRSを採用しており、ノイズに強い設計になっています。
伝説的アウトボードがアナログ領域で再現されたVoltシリーズは、レコーディング史を歩み続けて来たUniversal Audioだからこそ実現できた製品と言えます。クラス最高峰のオーディオクオリティーとシンプルな操作性は、幅広いユーザーにアナログサウンドの魅力を与えてくれるでしょう。
Volt 1
ビンテージプリアンプ搭載の1イン/2アウトモデル、シンガーやソングライター、ギタリストやポッドキャスターに最適
素晴らしいレコーディングを、どこででも。
Volt 1 は、シンガー、ソングライター、ギタリスト、ポッドキャスターなど、クラシックなスタジオサウンドで簡単にオーディオを録音したい方のために生まれました。Volt 1 を Mac、PC、iPad、iPhone に接続すれば、Universal Audio が提供するプロフェッショナルなサウンドで、あなたのインスピレーションを捉えることができます。
Volt 1 は、1イン/2アウトのシンプルな設計となっています。マイクや楽器はフロントパネルに接続するだけ。あとはスピーカーやヘッドフォンを接続するだけで、レイテンシーなしのオーディオモニタリングが可能です。Volt があれば、プロのような作品を生み出すことも夢ではないでしょう。
Mac、PC、iPad、iPhone でクラシックなサウンドの音楽作品、ライブストリーム、ポッドキャストを制作
ビンテージ・マイク・プリアンプ・モードを活用し、ボーカルやギターを豊かなサウンドで録音
Ableton、Melodyne、UJAM Virtual Drummer、Marshall、Ampeg などの音楽制作ソフトウェアを駆使したプロデュース
ホームレコーディングやモバイルレコーディングに耐え得るスタイリッシュなインターフェイスを中心に据え、デスクトップ上にプロダクションスタジオを構築
クラス最高峰のオーディオクオリティーで録音
革新的な Apollo インターフェイスの開発チームが手掛けた Volt 1 は、同クラスの他のUSBインターフェイスよりも多くの個性とトーンを有し、素晴らしいスタジオサウンドクオリティーを提供します。
ビンテージ・マイク・プリアンプ・モードが実現する最高のボーカル収録
Ray Charles や Van Halen などのレコーディングにも使われた、Universal Audio の 610 チューブプリアンプに匹敵するサウンドはそうありません。UA 独自のチューブエミュレーション回路を内蔵する Volt 1 は、クラシックな UA マイク/ライン/インストゥルメント・プリアンプによる豊かで充実したサウンドをもたらします。
iPad & iPhone にも対応
Volt 1 を iPad や iPhone に接続すれば、ビートやサンプルの作成、リハーサルの録音、曲のエディットなどがどこでも簡単に行えます。※お使いのデバイスによっては、別売の外部 Volt 用電源と Apple Lightning – USB Camera Adapter が必要です(USB-C 搭載の iPad を除く)。
完璧なスタイル
堅牢なメタル構造と、ビンテージ感を醸し出すインダストリアルデザインを特徴とする Volt 1 は、長きに渡る使用にも耐え得る完璧なスタイルで、あなたのクリエイティビティを高めてくれることでしょう。
本格的なオーディオソフトウェアが付属
Volt には、音楽制作ツール、バーチャルインストゥルメント、プラグインなど、業界のトップブランドが提供する本格的なオーディオソフトウェアが含まれています。
Volt 2(VOLT 1 の 2インプットモデル)
ビンテージプリアンプ搭載の2イン/2アウトモデル、ミュージシャンやソングライター、ギタリスト やクリエイターに最適
Volt 2 は、2イン/2アウトのシンプルな設計となっています。マイクや楽器はフロントパネルに接続するだけ。あとはスピーカーやヘッドフォンを接続するだけで、レイテンシーなしのオーディオモニタリングが可能です。
Volt 176
ビンテージプリアンプと1176タイプコンプレッサー搭載の1イン/2アウトモデル、シンガーやソング ライター、ギタリストやポッドキャスターに最適
クラシックなスタジオサウンドを、どこででも。
Volt 176 は、シンガー、ソングライター、ミュージシャン、ライブ配信者、ポッドキャスターなど、スタジオのようなサウンドで簡単にオーディオを録音したい方のための製品です。Volt 176 を Mac、PC、iPad、iPhone に接続すれば、Universal Audio が提供するプロフェッショナルなサウンドで、あなたのインスピレーションを捉えることができます。
Volt 176 は、1イン/2アウトのシンプルな設計となっています。マイクや楽器はフロントパネルに接続するだけ。あとはスピーカーやヘッドフォンを接続するだけで、レイテンシーなしのオーディオモニタリングが可能です。
Mac、PC、iPad、iPhone でクラシックなサウンドの音楽作品、ライブストリーム、ポッドキャストを制作
ビンテージ・マイク・プリアンプ・モードを活用し、ボーカルやギターを豊かなサウンドで録音
Ableton、Melodyne、UJAM Virtual Drummer、Marshall、Ampeg などの音楽制作ソフトウェアを駆使したプロデュース
UA のアイコンである 1176 をベースにしたアナログコンプレッサーで、ボーカル、楽器、その他のソースに明瞭さとパンチを与える!
クラス最高峰のオーディオクオリティーで録音
革新的な Apollo インターフェイスの開発チームが手掛けた Volt 176 は、同クラスの他のUSBインターフェイスよりも多くの個性とトーンを有し、素晴らしいスタジオサウンドクオリティーを提供します。
ビンテージ・マイク・プリアンプ・モードが実現する最高のボーカル収録
Ray Charles や Van Halen などのレコーディングにも使われた、Universal Audio の 610 チューブプリアンプに匹敵するサウンドはそうありません。UA 独自のチューブエミュレーション回路を内蔵する Volt 176 は、クラシックな UA マイク/ライン/インストゥルメント・プリアンプによる豊かで充実したサウンドをもたらします。
UA コンプレッションによるボリュームピークのコントロール
Volt 176 に搭載されている 76 Compressor は、UA のクラシックな 1176 Limiting Amplifier にインスパイアされた革新的なアナログ回路で、アルバムクオリティーのパンチと存在感を得ることができます。難しく考える必要はありません。ボーカル、ギター、シンセ、ドラムマシンなどに適した3つのプリセットが用意されているため、結線し、設定を選んで、プレイするだけです。
iPad & iPhone にも対応
Volt 176 を iPad や iPhone に接続すれば、ビートやサンプルの作成、リハーサルの録音、曲のエディットなどがどこでも簡単に行えます。※お使いのデバイスによっては、別売の外部 Volt 用電源と Apple Lightning – USB Camera Adapter が必要です(USB-C 搭載の iPad を除く)。
完璧なデザイン
堅牢なメタル構造、レトロな木製サイドパネル、そして洗練されたインダストリアルデザインを特徴とする Volt 176 は、長きに渡る使用にも耐え得る完璧なスタイルで、あなたのクリエイティビティを高めてくれることでしょう。
本格的なオーディオソフトウェアが付属
Volt には、音楽制作ツール、バーチャルインストゥルメント、プラグインなど、業界のトップブランドが提供する本格的なオーディオソフトウェアが含まれています。
Volt 276(VOLT 176 をベースにした 2イン/2アウトモデル)
ビンテージプリアンプと1176タイプコンプレッサー搭載の2イン/2アウトモデル、プロデューサーや ミュージシャン、ソングライターやクリエイターに最適
クラス最高峰のオーディオクオリティーでコラボレーション
Volt 276 は、2イン/2アウトのシンプルな設計となっています。マイクや楽器はフロントパネルに接続するだけ。あとはスピーカーやヘッドフォンを接続するだけで、レイテンシーなしのオーディオモニタリングが可能です。
Volt 476(VOLT 176 をベースにした 4イン/4アウトモデル)
ビンテージプリアンプと1176タイプコンプレッサー搭載の4イン/4アウトモデル、プロデューサーや ミュージシャン、バンドやクリエイターに最適
クラス最高峰のオーディオクオリティーでプロデュース
Volt 476 は、4イン/4アウトのシンプルな設計となっています。マイクや楽器はフロントパネルに接続するだけ。あとはスピーカーやヘッドフォンを接続するだけで、レイテンシーなしのオーディオモニタリングが可能です。
VOLT 2 Studio Pack
2イン/2アウトモデルの Volt 2にコンデンサーマイクロフォンとモニター用ヘッドフォンをバンドル したバンドルパック、ホームスタジオで音楽制作をスタートするのに最適
プロフェッショナルな音楽制作のスタートに必要なものがここにあります。
Volt 2 Studio Pack は、ホームレコーディングを始めるのに最適なパッケージです。
本格的なスタジオサウンドを実現する Universal Audio の Volt 2 レコーディングインターフェイスに、コンデンサーマイク、XLRケーブル(3m)、スタジオモニター用ヘッドフォン、そして音楽制作ソフトウェアをバンドル。箱から出してすぐにレコーディングをお楽しみいただける内容となっています。
VOLT 276 Studio Pack
2イン/2アウトモデルの Volt 276にコンデンサーマイクロフォンとモニター用ヘッドフォンをバンド ルしたバンドルパック、ホームスタジオではじめから一つ上の音楽制作をスタートするのに最適
アルバムクオリティーの音楽制作のスタートに必要なものがここにあります。
Volt 276 Studio Pack は、ホームレコーディングを始めるのに最適なパッケージです。
本格的なスタジオサウンドを実現する Universal Audio の Volt 276 レコーディングインターフェイスに、コンデンサーマイク、XLRケーブル(3m)、スタジオモニター用ヘッドフォン、そして音楽制作ソフトウェアをバンドル。箱から出してすぐにレコーディングをお楽しみいただける内容となっています。
Voltオーディオインターフェイスの最低動作環境
UNIVERSAL AUDIO ユニバーサルオーディオの歴史
Univarsal Audio社(以下略 UA社)は1958年に創立。創設者は当時シカゴで最高のレコーディングスタジオと呼ばれたUniversal Studioの設計者であり、そこのレコーディングエンジニアでもあったBill Putnam(ビル・パットナム)。のちに「現代レコーディングの父」とも呼ばれるその人である。
彼を語るときには「レコーディングエンジニア」「音響機材/スタジオ設計者」「起業家」という3つの顔を理解しなければいけない。
シカゴで最高のレコーディングエンジニア
まずは「レコーディングエンジニア」としての顔。60年代のシカゴといえば、ブルース/ジャズ/ソウルなど黒人音楽の良盤が大量に生まれた街として知られる。その街にあるUnivarsal Studio Aは、教会や工場を改築したものではなく、「最高のスタジオを作る」という目的で、一から設計/施工された。場所はシカゴ繁華街Rush Streetのプレイボーイクラブの2Fが選ばれた。ここのトップエンジニアとしてBillは日夜、名盤となる録音を続けた。Univarsal Studio Aといえば「売れてるアーティストはみなここで録音している」と言われるほどの知名度と繁栄を得ていた一級のスタジオだ。そこのメインコンソールに座っていたのがBillである。Billはフランク・シナトラ、ナット・キング・コール、レイ・チャールズから指名がかかるほどの仕事ぶりを発揮していた。 Bill Putnamが手がけた代表作一覧
ほしいものは全て自分で作る
続いては「音響機材/スタジオ設計者」の顔。当時は現代のように便利で豊富な録音機材は無く、レコーディングスタジオで使用される機材はエンジニア自らが(オーディオエンジニアとともに)設計する必要があった。幼い頃から電気的知識が豊富で、アマチュア無線の免許も取得していたBillはUnivarsal Studio A自体の設計までこなし、必要な音響機材は全て自分で作り上げた。たとえばここのメイン録音コンソールも彼自身の作だ。
彼はレコーディングエンジニアとして機材を作り、それらを使い現代のレコーディング技術の基礎を築いた。ヘッドホンキュー、エフェクト センド/アウト、録音ブースとエンジニアブースを分けたスタジオなど。そして彼は商用録音としては初めて、人工的なリバーブをアコースティック楽器にかけ、積極的な空間演出を行った。その記念すべき初の曲がこれだ。『The Harmonicats / PEG O’ MY HEART(1947)』
3つの伝説のブランド
このように常に斬新なアイディアで録音機材と録音方法を生み出したBillは、起業家としても才能を発揮した。Universal Audio 社、Studio Electronics 社、UREI 社の3つの音響機材メーカーを立ち上げ、みなさんもご存知の610チューブコンソール、LA-2A、1176コンプレッサーを世に送り出した。Billはその後もシカゴ、ハリウッド、サンフランシスコに録音スタジオを建設し、音楽ビジネスを拡大させ若手エンジニアを育成することに注力した。
BillからBillへ。Univarsal Audioの伝説は続く
Bill Putnamは1989年に逝去。その身辺整理をしていた2人の息子 Bill Putnam Jr.(スタジオ設計者)と James Putnam(ツアーミュージシャン)は、倉庫でBill Putnam Sr.の書き遺した設計ノートを見つける。Bill Sr.のそれまでのノウハウが詰まったノートを見て、息子2人はUniversal Audioの再建を決心し、その10年後、1999年に見事Universal Audioは復活を遂げることができた。
父Bill Putnam Sr.がスタジオ業務を通して作り上げた、優れたアナログ機器を踏襲しながら、現代のDAWベースのワークフローにマッチするソフトウェアによる新しいスタジオ機材も必要だと確信したBill Jr.とJamesは、今や製作者なら知らぬ者はいないDSPベースのプラグインプロセッサー UAD-1と後継機種UAD-2を開発し、大成功を収めた。スタンフォード大学で電気工学博士号を取得し、信号処理技術を専門とするBill Jr.の才能が、世界有数のDSPエンジニアたちの努力とともに華開いた結果だ。
いまや多くのレコーディングスタジオで、録音時にはアウトボードの1176やLA-610を使い、ミックスはUAD-2プラグインを多用するというスタイルが増えている。音の入り口からミックスダウンまで。それはBill Putnam Sr.自身が望んだ「最高の環境で作る音楽」を実現したスタイルと言えるだろう。カリフォルニア州シリコンバレー近く、スコッツバレーにあるUniversal Audio社は80人を超える従業員と共に、これからもエンジニア/アーティストの問題を解決する新しいワークフローを生み出すため、ハードウェアとソフトウェアで最高の技術を持って製品開発を続けていく。
記事内に掲載されている価格は 2022年1月7日 時点での価格となります。
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