「DIY」をテーマに新しい楽器や音響機材を求めてアンテナを張っている私IH富田によるレポート。誰も見たことがない機材が今この時にも生まれている。それがいつか実を結び新しい音楽を作るきっかけになるはずと信じて、日々キラリと輝くメイカー達を追いかけています。
さて今回は神奈川県高津区にある STUDIO NODE 溝の口店 で開催された『ハンドメイドエフェクターを楽しむ会』の様子をお伝えしましょう。個人ビルダーの作るハンドメイドエフェクターを無料試奏できるサービスを中心に、それに賛同するビルダー達と一般プレイヤー、プロギタリストが集いました。このムーブメントは今後どうなっていくのか。そもそもなぜ生まれたのか。レポートとインタビューで迫ります。
日本初の試み?ハンドメイドエフェクターが弾けるスタジオ
まず、STUDIO NODE 溝の口店は全国でも珍しい、個人ビルダー(エフェクター作家)によるハンドメイドエフェクターが試奏できる音楽スタジオです。ロビーには日本中から集まったハンドメイドエフェクターが詰まったガラス棚が用意されていて、スタジオ会員であれば誰でも無料で試奏することができるのです。
この試みはブティックブランド S.S.B.LABのビルダーの香川さんの発案から始まりました。その思いや詳細は最後にお伝えするとして、まずはイベントのレポートをお送りしましょう。
STUDIO NODE 溝の口店に作品を提供している個人ビルダーと一般ユーザーが集い交流し、ハンドメイドエフェクターの魅力を再発見する趣旨で開催された「ハンドメイドエフェクターを楽しむ会」は、ゲストプレイヤーにプロギタリストの菊地 秀一 氏を迎えて開催されました。
ガラス棚の中から出されたすべての作品が集められ、その中から参加者がリクエスト。菊池 氏が試奏しながら作品の可能性を探っていきました。
作品紹介
数ある作品の中から私が独断と偏見で注目した作品をピックアップします。
●痛エフェクター界の注目株
参加者の多くが興味を引かれた作品が Sound Project”SIVA” の『If you smiled,this summer would be forever. 』(Low gain Fuzz : 左)と『Please train me as you like.』(2EQ Booster : 右)。趣味性の高い個性的な見た目とは違って、OverDrive的にも使えるローゲインFuzzとEQ付きブースターはどちらも「とても使いやすい。いろんな人が使える。」と菊池氏も賞賛。ちなみにこちらのイラストはSound Project”SIVA”オリジナルということ。
●ハンドメイドエフェクター界の重鎮
当日は試奏用のアンプにRoland JC-120とMarshall JCM2000が用意されていました。さてこの動画、鳴っているアンプはどちらでしょうか?
これはTesla Effect System のTESLA DRIVEのサウンド。本物のヘビ皮を使った意匠はインパクトがあります。Tesla Effect Systemはコミケで自作エフェクターの自主出版本を販売するなど精力的な活動で知られています。
Marshall系ディストーションですが、リアルなマーシャルらしさと、イメージの中で誇張されたマーシャルサウンドのバランスが素晴らしかったです。
●ビルダーから「これほしい!」ラブコール多数の実力派
SoundFrogの新作ディストーション2台。参加した他のビルダーたちから大絶賛され、この場で売ってほしいという声も上がりました。
アルマイト仕上げの筐体が他にない美しさ。トップのアクリル板はmaker系工房でレーザー彫刻をしているとのこと。ブランドロゴは大好きなバンドのロゴを描いた方に描き下ろしてもらったということ。非常に「モノ造り」に対して真摯でこだわりのあるクレバーな方でした。
●一般参加者の声
ビルダーの思いとプレイヤーの望みをつなぐ架け橋
では最後に、ハンドメイドエフェクター試奏サービスと今回のイベントの立ち上げ人である S.S.B.LABの 香川さんの言葉をご紹介します。