bitwig2.3が発表され大きなアップデートがありました。サウンドに関わる部分のアップデートを見ていきましょう。
まずは新しいシンセサイザーデバイス「Phase-4」!これはYAMAHAのDX7やCASIO CZシリーズから着想を得ている4オシレーターシンセ。位相変調と位相歪みを利用して音作りを行います。位相変調は周波数変調の一種で所謂FMと思ってもらえれ大丈夫です。位相歪みというのはPhase Distortionで略すとPD、はいCZシリーズの音源方式ですね。アタックが強く張りがあるのになぜがどこか懐かしいアナログ感があり、ベースやちょっとサスペンス調の風情あるリードサウンド等を得意としています。そしてこの二つの組み合わせをBitwigはフェイズマニュミレーションと呼んでいるんだとか。そして4つのオシレーターは色分けされておりデバイスの左側にあるマクロコントロールを使って各オシレータのパラメーターを同時に動かすのも非常に良いですね。さらにボイスはスタックできるので極太で複雑なデチューンサウンドもお手の物です。
そしてタイムストレッチも大幅に機能強化されました。既存のアルゴリズムのブラッシュアップにとどまらずZplane Elastiqueのアルゴリズムが新たに加わりました。自然なものからよりアーティスティックなものまでユーザーが素材にあたアルゴリズムを選ぶことができるので、タイムストレッチという行為自体がクリエイティブなものなりますね。
さらにNAMM直前に発表されたBitwigとExpect Sleepersのコラボ商品ES-8 Bitwig Editionにも注目です。モジュラーユーザーには広く知られるES-8はmac/pcとモジュラーをつなぐオーディオインターフェース。DC CoupledになっているためオーディオだけでなくCV情報なども相互に送ることができるのが特徴。IN/OUTもコンパクトなボティに、12イン(アナログ x 4 + ADAT x 8)/ 16アウト(アナログ x 8 + ADAT x 8)と充実。
Bitwigにはモジュラーコントロール用のデバイスがありピッチ情報をBitwigから外部モジュールに送るための「HW CV Out」や、逆に外部モジュラーからのCV情報をBitwigに流し込むための、「HW CV IN」、そしてPitchとGate信号を送信して外部機器を発音して、外部機器のオーディオアウトからデバイスにオーディオを戻す「HW CV Instrument」などがあります。それらを利用すればBitwig内のCVジェネレーターデバイスで複雑なCV情報を作成して外部モジュラーをコントロールしたり、またそのパラメーター情報を保存しいつでも瞬時に呼び出せすこともできるので、一期一会のモジュラーサウンドを自分のライブラリにすることができますね。また逆にMake NOise Mathなど複雑なファンクションジェネレーターから生まれた波形でBitwig内のソフトシンセをコントロールするのも非常に面白そうですね。
Bitwig Stui 2.3の正式リリースは2月下旬を予定。β版は試せるので、ユーザーはぜひお試しを!
Writer.Shibuya
記事内に掲載されている価格は 2018年1月28日 時点での価格となります。
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