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現在、音楽制作を進めていく中で切っても切れないツールがプラグインソフトウェア。エフェクトプラグインでもソフト音源でも、トラック制作やミックス、マスタリングの場面など様々な環境でDAW上で使用されています。
今回はそのプラグインソフトウェアの歴史や既存のプラグインフォーマットを振り返えって、よりプラグインフォーマットと親身になってみましょう。またオススメ教材までもご紹介していきますよ!
プラグインフォーマットの歴史
日夜様々なプラグインが多数発表されていますが、これらのプラグインが開発された経緯を振り返ってみましょう。
現在のようなハードディスクレコーディングの先駆けとなった機材はおなじみのAvid Pro Tools。1987年に波形編集ソフトの”Sound Designer”とI/Oの”Sound Tools”が発表され、1991年にPro Toolsがリリース。Audio素材を扱えるワークステーションとして、現在にも繋がる礎を築きました。
ハードディスクレコーディングを推進する上で、次のステップとしてPC上でミックスをするためのEQやCompressorなど、PC上で使えるエフェクターの必要性が出てきました。
そこで開発されたのがソフトウェアのエフェクター、エフェクトプラグインです。当時のエフェクトプラグインはDSPベースで動作するものしかありませんでした。その時に台頭していたのはWavesやMcDSP、Sonnox、DUYなどです。
今でも定番となるエフェクトプラグインの古参メーカーばかりでビックリしてしまいますが、当時を知るエンジニアさんの話を聞くと、当時は利用できるエフェクトプラグインの種類はあまりなく、またPC側のスペックとの睨み合いであまり複雑なことはできなかった。しかし組み合わせればハードウェアと同じ効果が低コスト得られたことに驚いたようです。またWavesなどはこの頃から今のPlatinum Bundleくらいのバンドルは用意されていたということから、これまたビックリです。
CPUの向上で、Native環境にもエフェクトプラグインを
Pro ToolsがTDM環境を構築していく頃、それ以外のMOTU PerformerやSteinberg Cubase、eMagic Logic(今はAPPLEが販売)などのシーケンサーはあくまでもMIDI編集のみしかサポートしていませんでした。
その後PCのCPUパワーが向上したあたり、ちょうどPower Mac G3がリリースされたあたりでNative環境でもAudio素材が扱えるようになり、それに伴いエフェクトプラグインもサポートされ始めてきました。
TDMというDSPベースでのプラグインフォーマットしか無かった所に、Cubase、LogicがVSTを採用。Digital PerformerはMASというフォーマットが新たに開発していく中で、プロスタジオに限られていたエフェクトプラグインがより多くの一般ユーザーに広まることとなりました。
よりリアルなサウンドを…。その欲求がソフト音源を生み出した
Native環境にエフェクトプラグインが解禁されると同時に、CPUの向上はソフト音源にも効果を発揮します。
当時のハード音源は数多くありますが、自分で打ち込みをしながらよりリアルなサウンドを求めたい…。そういった要求が大きくなったエンジニアやクリエイターはソフトサンプラーに触手を向けました。これもとあるエンジニアさんの話ですが、リアルなサウンドを手に入れるためにソフト音源に手を出すが、まともに動くソフト音源はあまり見られずとにかく四苦八苦していたようです。
そしてその試行錯誤を続けるユーザーを驚かせた機材、 NemeSys Music Technologyの”GigaSampler”が現れました。DAWとReWireで接続するだけでギガ単位のリアルなサウンドが手に入ることに、当時のクリエイターはとにかく驚いたということです。
またPropellerheadより1997年に発表された”ReBirth RB-338″。RolandのTR-808/909やTB-303をシミュレートしたReBirthは動作が
非常に軽快で、CPUがオーバーロードして再生できないといった当時のソフトウェアによく見られた傾向があまりありませんでした。その後、2000年にハードディスクレコーディングやミキシング機能の他にシンセサイザーやドラムマシンなど音源を搭載したReasonが発表。ReBirthだけでなく、Reasonによりソフトウェア音源は更に広まりを見せることとなりました。
その後Steinbergが99年にVSTiをリリース。DAWにそのままリアルなサウンドを織り成すソフト音源を直接挿し打ち込みをすることができることに、これもまた未来を感じたクリエイターも多かったはず。
それ以降はPCのCPUやメモリ、ハードディスクの爆発的なスペックアップにより、エフェクトプラグインやソフト音源は爆発的な進化を見せることとなり、今に至る流れとなります。
主なプラグインフォーマットをご紹介
ここからは、現行規格の主な3種類のプラグインフォーマットを簡単に振り返ってみましょう。
Avidが2012年に発表したプラグインフォーマット。Pro Tools HDXに対応した”AAX DSP(DSPチップによるAAXフォーマットの処理)”、Nativeに対応したAAX Native(CPUによるAAXフォーマットの処理)の二種類が用意されており、現行のPro Tools 11ではAAX 64bitがサポートされています。
AvidがAAXというフォーマットをなぜ作りたかったのか…それは”32bit Floating Process/192kHz”というアルゴリズムを、DSP環境でもNative環境でも共有させ、より誤差の少ないサンプリングを実現するため。
DSPによる信号処理を行うTDMというプラグインフォーマットしか無かった環境で、CPUによる信号処理であるNative環境へ写しこむには遅延(レイテンシー)が目立ってしまい、必然的に処理解像度を落とさなければ使いものにならないフォーマットだったようです。
40bit/192HzというTDMの処理解像度を32bit/96kHzまで落としこむことによりRTASは現実的なフォーマットになったわけですが、そこまで解像度を落としてしまうと今度はサウンドの傾向も変わってしまい、逸話としてあのプラグインはTDMの方が音がいい、またその逆でRTASの方が音がいいといった話題が一部では上がってしまうほど。
同じPro Toolsの規格なのにサウンドが変わってしまう…。この事態を払拭するためにAvidは”AAX”という新しい企画を作りだしたわけです。
今でもDSPによる信号処理を行うHDX、CPUによる信号処理行うNativeは代わりませんが、その処理解像度は同じ”32bit Floating Process/192kHz”…世界的に見てもCPUとDSPの垣根を取り払うことを初めて実現した
画期的な規格がAAXなのです。
Steinbergが96年にリリースしたCubase VSTへ初めて搭載されたプラグインフォーマットで、現時点で最も多く対応/サポート数を誇るプラグインフォーマット。
発表当初はエフェクトプラグインをサポートしたフォーマットで、その後99年に発表されたVST2によりインスツゥルメントプラグインに対応を見せました。
現在の最新フォーマットは64bitに対応した”VST3″。64bitに対応したことで負荷も少なく動作もより軽快。またDAWにて打ち込んだ個別のノートにオートメーションをかけられたりとMIDI規格の制限を越えたパラメーター変更が可能になりました。
こういった自由度の高さからWavesやVIENNA、Softubeなどサードパーティー製プラグインでも着々とサポートされてきています。
※青木繁男さんがVST3の革新的新機能を語っていますので、是非チェックしてみてください!
Appleが開発したMac OC X専用プラグインフォーマット。
元はLogicやGarageBandの内蔵プラグインが多くありましたが、現在はMacに対応した多くのプラグインでサポート、VSTと肩を並ぶ知名度を誇っています。
目から鱗の導入ノウハウ
いかがでしたか。普段何気なく使っているプラグインにも歴史があり、また気づいていないこともいくつかあったかもしれません。この記事を読んだあなたに、普段利用しているプラグインをより身近に感じてもらえたら嬉しいです。
では最後に、古くからエフェクトプラグインの大定番であるWavesのあのバンドル、またインストゥルメンツプラグインの大定番KOMPLETE 9 ULTIMATEをご紹介します。こちらのソフトウェアはAAX/VST/AU共に対応していますので、是非あなたの環境にも迎えてあげて下さい!!
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