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第一線で活躍するクリエーターのインタビューやコラムなど、音楽と真摯に向き合う作り手の姿があなたの創作意欲を刺激します!

10
Feb.2016
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エンジニア 飛澤正人 がGibsonスピーカーを聴く!

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エレキギターの歴史を築くGibson初のモニタースピーカー、しかもレスポールギターのルックスにインスパイアされたGSLPシリーズ。インパクトのあるルックスとは相反して実にしっかりとしたモニタリングができるサウンドを持つこのスピーカーを、Rock oNセミナーでもおなじみのエンジニア 飛澤正人 氏に聴いていただいた。

試聴に使われたのはニアフィールドモニターにちょうど良いサイズのGSLP6(ウーファー6インチ) GSLP4(ウーファー4インチ )の2機種。

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1″ Diamond-Like carbon-coated titanium tweeter、4″ non-woven carbon wooferを搭載したパワードモニタースピーカー。ホームスタジオやスペースに限りがある条件下で最高のパフォーマンスを発揮する。

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1″ Diamond-Like carbon-coated titanium tweeter、6″ non-woven carbon wooferを搭載したパワードモニタースピーカー。GSLP4よりもパワフルな出力が必要な場合に最適。サウンドバランスも良い。

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ギターメーカーが作るスピーカーから放たれるサウンドは実力派エンジニアの耳を納得させることはできるのか。Q&A形式で飛澤 氏のレビューをお届けしよう。

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Q1. GSLP6、GSLP4の第一印象をお聞かせください

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形は明らかにスピーカーなのに、どこかそれに見えない、という不思議な気持ちにさせられるスピーカーですね。あの木目とサンバーストの偉大さを改めて痛感させられた次第ですが、目の前に置いた時の存在感がハンパないです。

スピーカーのルックスは音を表現する上で意外と重要な要素を持っているのですが、そもそも『レスポール』のボディから発想が始まっているという点で今までとは全く違ったコンセプトを感じました。今にもハムバッキング特有のディストーションが鳴り響きそうですね。

Q2. ミキシングエンジアとしての視点で、サウンドのご感想を

_DSC4296_1090見た目や先入観からもっと中域が濃いサウンドをイメージしていたのですが、いい意味で裏切られました。

GSLP6 はレスポンスが早く躍動感がそのまま伝わってくる感じで、一言でいうと『高級な音』がします。楽器の定位感も良く、リバーブの広がりや残像もとてもキレイに響きますね。

GSLP4 の方はウーファーが4インチのため多少レンジが狭く感じるのですが、バランスがとてもよく、奥行きの表現には余裕が感じられました。

コンプ感やイコライザーの性質の差などはどちらのモデルもよく見えるので、ミックスでも問題なく使えるモニターだと思います。ただし、スピーカーの置き位置をいろいろ試してみることや、背面にあるバス/トレブルの補正ツマミを使い、その部屋に合ったモニターセッティングをしっかりすることが肝心です。うちのスタジオの場合は、背面の壁から50〜60cm ほど離し、補正についてはGSLP6はフラット。GSLP4の方は高域を「+1」にしてベストの状態になりました。

Q3. トラックメイカーとしての視点で、サウンドのご感想

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エレキギター、特にディストーション系の音はやはり「さすが!」という感じでモニタリングできます。細かいディティールもよく表現されていて、音がとてもリアルに響きますからプレイもしやすいですね。サウンドの傾向として大きな色付けがされている訳ではない割には音に迫力があるので、リズムトラック等の組み立ても楽しくできました。

GSLP4はとてもコンパクトなので、ノートパソコンの両脇に置いて制作しても全く圧迫感はありませんし、とにかく“楽器的なルックス”なので気分も上がりますね。両機種とも、とても音楽的なモニターだと思います。

Q4. どんなユーサーにオススメしますか?

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ミキサーというよりはやはりプレイヤーやコンポーザーに向いていると思います。ルックスも含め音楽を楽しく響かせることに長けていますから、基本的にはどんな分野のユーザーにもオススメできますが、敢えてモデルごとに分けるならばGSLP6 はプレイヤー、コンポーザー。GSLP4 はコンパクトな制作環境で音楽制作をしている方という感じでしょうか。(後日、飛澤 氏にGSLP8を試聴していただいた際に「GSLP8 は主にリスニング中心の方」という言葉をいただきました。)

同価格帯には競合がかなりありますから、まずは『Gibson』ブランドに愛着を持っている方で、今の制作環境をグレードアップさせたい時にはぜひ候補に入れていただきたいスピーカーですね。

Q5. 改善点、ご希望などあれば

GSLP4では感じなかったのですが、GSLP6では250Hz辺りが少し落ちている感じで中域から低域へのつながりが悪く聴こえましたが、50〜100Hzぐらいは十分に迫力があるので、その辺りが調整できたら、かなりバランスのいいモニターになると思います。

Q6. Gibsonブランドへの思い入れなどあれば

Gibsonといえば、ジミーペイジやスラッシュのレスポールサウンドは体に刻み込んでいますよ。あのヘビーでいて優雅な歪みは確実に時代を築いてきましたし、彼らの魂を代弁する音としてなくてはならない存在なのだと思います。ハムバッキングのディストーションサウンドは高校時代にGibsonレスポールから学びました。

Q7. その他、ご自由に。。。

個人的に一番欲しいと思うのは4インチのモデルですね。サイズ的にも音のまとまり感も自分的にはかなりヒットしてます。

飛澤正人 氏プロフィール

_DSC4288_1090 Dragon Ash や 鬼束ちひろ 、BAROQUE、キャラメルペッパーズ などを手掛ける。生のバンドサウンドとブレイクビーツをシームレスにミックスして創り上げる空間表現に定評があり、早い段階からコンピューターを使ったサウンドメイキングを積極的に取り入れてきた。更にアコースティック楽器の録音も得意とし、ジャンルを超えた幅広い音楽に適応することができる。 2008年には市ヶ谷に自身のアトリエ “Flash Link Studio” をオープンさせ、アーティストと共にプリプロから楽曲制作をするなど、一歩踏み込んだ音楽制作を可能とする拠点を築いた。近年はアレンジや作曲、ボカロP『寂恋』としても活動。 また昨年末に動画によるレクチャーサイト “飛澤正人のMIXING ROOM” を立ち上げ、ジャパニーズサウンドのレベルアップを目指す第一歩を踏み出し、今後も渋谷Rock oN Company で行われるMiMセミナーなど、若手クリエイター達のミキシング技術向上を目的としたセミナーを積極的に展開していく予定だ。
音創りの信条は、アーティストの感性と自らのイマジネーションを融合し、作品の深層部に入り込むこと。

『Flash Link Studio』
HP: http://www.flashlink.jp

『飛澤正人のMixing Room』
HP: http://fl-mixingroom.com


以上、飛澤 氏のレビューをお届けしました。飛澤 氏からは「リズムトラック等の組み立ても楽しくできました。」「楽器的なルックスで気分が上がる」「音楽を楽しく響かせることに長けている」という言葉をいただいた。作曲という作業において最も大事なことは高いモチベーションで楽曲を作ることであるが、音楽を楽しく高ぶらせてくれるGibsonスピーカーは、まさしくプレイヤーやコンポーザーにとって強い味方になるだろう。

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GibsonスピーカーGSLPシリーズのサウンドはRock oN渋谷店のリファレンスルームで体験可能だ。お気に入りの音源を持ってぜひお越しください。

記事内に掲載されている価格は 2016年2月10日 時点での価格となります。

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