HEAR THE REAL TONE 2017 ~DI編~
ラインRECの必需品。DIを検証
ベースやキーボード、ギターのライン入力レコーディングで必須のDI。様々な製品があるわりにそれらを一度に比較する機会は少ないと思います。そこで今回はベーシストのPD安田が定番DI 7台を一気に録音して比較します。
試聴音源について
曲名:「PD安田によるPD安田の為のレクイエム(Bass Edition)」
使用ツール:Pro Tools 12 96KHz/24Bit, antelope audio GOLIATH, RADIAL JD7, Addictive Drums 2, Roland JUPITER-50 ,Fodela Emperor II 6-Strings
録音方法
今回の検証で肝心だったのは「同じ状態でレコーディングをする」という事です。そこで、1入力に対して7出力できるRADIAL「JD7」を使用し7出力を各DIに繋ぎ、それぞれのLINE OUTからAntelope「GOLIATH」のメインに入力。Pro Tools 12 96/24の環境で録音しました。
総評:DIの奥深さ
DIはスタジオRECからライブ演奏までオーディオの安定した伝送には欠かせない機材であるにもかかわらず、それらの音質を比較する機会は少ないのではないでしょうか。だからこそ定番機種の安心感というのは大きいものではありますが、今回のようにPortico 5024のDI機能やベーシストから人気のあるSadowskyなどにも興味を広げてみれば、もしかすると理想のサウンドに近づけるかもしれません。今回の比較はDIの深みや可能性を感じることができました。あなたのお気に入りは見つかりましたか?
まとめて比較試聴!
全てのAdvanced Mic音源をダウンロード(24bit/96kHz Wav)
24bit / 96kHz WAVをPCへダウンロードギタリストも愛用者が多い
RADIAL ProDIはコストパフォーマンスに優れたモデル。再生周波数帯域は 20Hz ~ 18.5KHz (± 0.2dB)となっていますが、ベースを録音する際はローカットを入れて、高域も3KHz-5KHzが気持ちよく出れば十分なので、ちょうど楽器用のツールとしては申し分ないスペックかと思います。さらにパッシブ仕様なので、特に電源要らずの取り回しも良く、とにかく筐体が頑丈なので、激しいパフォーマンスでも大丈夫。
オススメ活用
オーディオI/Fの入力レベルはやや低めだったので、多少のゲイン稼ぎは行いましたが、十分なレベルは確保できています。PADスイッチもついているので入力が大きめなシンセ、あるいはコンパクトエフェクターの具合に合わせて予め下げておく事も出きます。これらの特徴から、ライブRECにも適しているでしょう。
スペック
SPEC | |
---|
Specifications | ・Audio circuit type: Passive, transformer based ・Number of channels:Single channel (mono) ・Frequency response: 20Hz ~ 18.5KHz (± 0.2dB) ・Dynamic range: 128dB ・Maximum input: +18dB @ 20Hz ・Total harmonic distortion: 0.01% from 20Hz~20kHz @-10dB ・Phase deviation: 1° @ 100Hz; 8° @ 20Hz ・Input impedance: 140k Ohms, unbalanced ・Output impedance: 150 Ohms, balanced |
Features | ・Transformer: Eclipse ET-DB2, 12:1 ratio ・Shield: Faraday, MuMETAL® can ・Input pad: -15dB ・Ground lift: Disconnects pin-1 at XLR output ・XLR configuration: AES standard (pin-2 hot) ・Connectors: 1/4″ in & thru, XLR-M out |
Construction | 14 gauge steel chassis & outer shell |
Finish | Durable powder coat |
サイズ | (W x H x D) 70 x 108 x 44mm |
質量 | 0.54kg |
電源 | Passive, no power required |
使用条件 | For use in dry locations only between 5°C and 40°C |
メーカーHPでもっと詳しく知る!
24bit / 96kHz WAVをPCへダウンロードRADIAL PRO DIの上位機種
ProDIの上位機種版と捉えてください。こちらは位相反転機能も付いており割と幅の広いシチュエーションで活躍できます。RADIAL者DIは比較的に中域の粘りを感じます。特にバンド系のベースで、ラインを強調させたいのであれば、RADIALのDIは結構お勧めできます。何よりノイズが少ないこともお勧めポイントです。
オススメ活用
JDIの魅力的な機能で「アンプからJDIに繋ぎ DIとキャビネットでパラれる」ができます。アンプのサウンドをそのままラインレベルに落とせるため、ベース録音で多様されるアンプキャビのマイクからの音とDIのラインの音を同時に簡単に録ることができます。
スペック
SPEC | |
---|
Specifications | ・Audio circuit type: Passive, transformer based ・Number of channels: Single channel (mono) ・Frequency response: 20Hz ~ 20KHz (± 0.2dB) ・Dynamic range: 135dB ・Maximum input: +21dB @ 20Hz ~ 20kHz ・Total harmonic distortion: 0.05% from 20Hz ~ 20kHz @-10dB ・Phase deviation: 0.3° @ 100Hz; 3° @ 20Hz ・Input impedance: 140k Ohms, unbalanced ・Output impedance: 150 Ohms, balanced |
Features | ・Transformer: Jensen JT-DBE ・Shield: Dual Faraday, MuMETAL® can ・Input pad: -15dB ・Merge: Sums left & right sources to mono ・180° polarity reverse: Inverts absolute phase ・Ground lift: Disconnects pin-1 at XLR output ・XLR configuration: AES standard (pin-2 hot) ・Speaker filter: -30dB pad and band-pass filter ・Connectors: 1/4″ in & thru, XLR-M out |
General | ・Construction: 14 gauge steel chassis & outer shell ・Finish: Durable powder coat ・Size: (L x W x D) 5″ x 3.3″ x 1.8″ (127mm x 84.1mm x 45.5mm) ・Weight: 1.55 lbs (703 grams) ・Shipping size: L x W x D: 6.5″ x 4″ x 3″ (165mm x 102mm x 76mm) ・Shipping weight: 1.92 lbs (870.9 grams) ・Power: Passive, no power required ・Conditions: For use in dry locations only between 5°C and 40°C |
メーカーHPでもっと詳しく知る!
24bit / 96kHz WAVをPCへダウンロード楽器メーカーとして有名なSadowskyのPreamp&DI
P.D.IはNY系ハイエンドブランドSadowskyのベースにインストールされたプリアンプとDIの複合機です。今回はBass、Trebleのツマミ位置を12時方向にしてEQの影響がほぼ無い状態ですが、それでもベースらしいどっしりとした重心が安定しているサウンドが確認できるかと思います。もうちょっとTrebleをあげれば歯切れの良い弦のピッキング感が出せるので、宅録環境で柔軟に音作りも可能です。
オススメ活用
本機はTuner OUTを装備しておりいつでもレコーディング体制を整えることが出来ます。もちろんステージに持って行けば事前に作ったプリアンプサウンドを外音に出すことができます。返しの音も含めて、どうもしっくり来ない方はDI出力で内音、外音を決めていくことをお勧めします。是非お試しあれ。
スペック
SPEC | |
---|
Frequency Responce | 5Hz to 50KHz |
Power Source | AC Adapter/One 9V Battery |
Battery Life | 90 Hours |
Bass Control | +13dB Boost@40Hz |
Treble Control | +13dB Boost@4KHz |
Total Harmonic Distortion | 0.1%@1KHz |
Input Impedance | 330KΩ |
Output Impedance | -XLR Out 600Ω -Tuner Out 1K -1/4″ Out 10K |
SIZE | 105(w) x 105(d) x 60(h スイッチ含む) mm |
メーカーHPでもっと詳しく知る!
24bit / 96kHz WAVをPCへダウンロードベーシスト定番DI
U5の大きな特徴は1番から6番までのTONEプリセットが用意されていること。今回は比較的フラットな3番で録音しています。このプリセットはハマれば後はEQ要らずな感じで、ベースらしいサウンドに整えてくれます。音源の最後で音にコシがあることが確認できます。さらにライバル機と比較すると最も重心の低いベースサウンドが確認できるかと思います。
オススメ活用
U5はMicレベル出力 または ラインレベル出力の2系統のOutputが備わっています。個人的にはラインレベル出力を使用していますが、もう一方の出力にしたらサウンドが変わってきそうな気がします。まだまだ研究する余地は大いにありますね!
スペック
SPEC | |
---|
Circuit Topology | 100% discrete, high-voltage Class A |
Gain | 3 ,000,000 ohm unbalanced (single ended) |
Input Impedance | +36dB balanced XLR pin 2 hot (with -20dB passive attenuator). |
Maximum Input Level | +24dBu unbalanced, 400w speaker input |
Output Connectors | XLR type, pin 2 hot electronic balanced |
Maximum Output Level (Class A) | +30dBu DC coupled, balanced 600 ohms (mic and line out) |
Headphone Output | 0.5w into 600 ohms |
Noise 20kHz Unweighted | -100dBu minimum gain position |
Distortion THD, IMD | 0.1% at +10dB |
Frequency Response, -/+0.5dB | 5Hz to 100kHz |
Frequency Response, -3dB | 1Hz to 500kHz (input band limited) |
High Cut Filter | -3dB at 8kHz minimum phase design |
Tone Selector | Six position rotary switch, all passive filters |
AC Power | Internal toroidal AC supply |
Dimensions | 216 x 88 x 305mm |
Weight-Packed | 5.4kg |
メーカーHPでもっと詳しく知る!
Rupert Neve Design | ¥399,600 |
5024 |
24bit / 96kHz WAVをPCへダウンロードすっきりとして尚、艶やかなベースサウンドを実現
注目のマイクプリ Rupert Neve Desing 5024 Quad Mic Preの1,2chにあるDI入力を試してみました。やはりRupert Neveらしいすっきりとしたリッチな高域に加えて、コシのある低域が確認できるかと思います。そして本機じは4chマイクプリにも関わらず「THRU」も付いており、マイクRecも兼用して使用する事ができます。例えば 1chでラインRECしながら THRU→BASS AMP→マイク→5024 Mic という具合に使用する事が可能です。さらには余裕の4chなので、ギターアンプ録りにも重宝します。5024はいろんな使い道ができるなと改めて思いました。
オススメ活用
サイズは1U。例えば1UのAudio I/Fと組み合わせれば、2Uラックケースで気軽に持ち運びの環境が整えられます。実はPD安田もこの組み合わせがお気に入りで、MacBookとRME Firefaceと組み合わせれば高いクオリティで持ち回りのシステムを構築できます。あとは良い感じのマイクも一緒に持っていけば尚良しでしょう。5024はマイクプリとしても定評がありますので、ベースライン録りだけではなくボーカルなどマイク録りでも是非活用して欲しいと思います!
スペック
SPEC | |
---|
Frequency Response | Main Output, no load, –3 dB @ 2 Hz –3 dB @ 160 kHz |
Noise | Measured at Main Output、unweighted, 22Hz-22kHz、Terminated 150 Ohms. With gain at unity better than –92 dBu With gain at 66 dB better than –56 dBu Equivalent Input Noise better than –123 dBu |
Gain | Unity to +66dB in 6 dB steps、Trim continuously adjustable from –6dB to +6dB Line Input: Trim continuously adjustable from –6dB to +6dB Maximum Output Level: Maximum output from 20 Hz to 40 kHz is +25 dBu. |
Phantom Power | 48 Volts DC +/- 1% |
Total Harmonic Distortion and Noise | @ 1kHz, +20 dBu output: Better than 0.002% As above, Silk Engaged: Better than 0.2% Second Harmonic @ 20Hz, +20 dBu out Better than 0.004% @ 20Hz, +20 dBu out Better than 0.020% IM Distortion: Better than 0.002% Slew rate Better than 4 V/uS High Pass Filter: Frequency: Selectable either 30Hz or 90Hz Slope: 12 dB/Octave Bessel |
メーカーHPでもっと詳しく知る! 24bit / 96kHz WAVをPCへダウンロード定番DIの代表格
COUNTRYMANのもっともポピュラーなDI。定番のサウンドが確認できるかと思いますが、位相がどうして未だに逆の仕様なのか気になるところです。ベースらしい中域の粘りと、コシのある低音が豊かに録れています。このようなサウンドはピック弾きにはぴったりかと思います。見た目も使い勝手も安心して使用する事ができ、ベーシストなら一つは必ず持っておきたい製品です。電池またはファンタム駆動で駆動します。
オススメ活用
TYPE85を使う際はノイズの対策をしっかりした方がよいと思います。背面のPIN1 OPEN <> GND スイッチも含めて、セットアップはしっかり考えたほうがよい結果になります。とはいえコストパフォーマンスも高く定番と言われる納得のサウンドが録れるので一度は試していただきたいです。
スペック
SPEC | |
---|
電源 | 9V電池またはファンタム電源24V〜48V |
寸法 | 7.7W×4.5H×12.7Dcm |
メーカーHPでもっと詳しく知る!
24bit / 96kHz WAVをPCへダウンロードTYPE85からさらに仕様をパワーアップ
使い勝手は同社TYPE85とほぼ同じ。サウンドに関して言えばTYPE85が粘り系で、TYPE10はもう少し重心を下げた様な印象。なるほど、要は2種類持っておけば良いわけですね。今回使用した自作曲では6弦ベースを万遍なく使用しました。上から下まで全ての帯域でベースに必要な部分がフォーカスされている印象があります。
オススメ活用
組み合わせとしてはAVALON U5またはP.D.Iの様なプリアンプと併用して。またはベースとの相性によりいくつかバリエーションとしてTYPE85と一緒に用意しておきたいところです!
スペック
SPEC | |
---|
周波数特性 | 10Hz – 50kHz (+/- 1dB) |
ノイズ( 22 Hz – 20 kHz) | 1.8 micro-Volts rms |
THD (1Vpp, typical load) | < 0.001% at 1 kHz 、< 0.005% (30 Hz – 20 kHz) |
IMD (1Vpp, typical load) | < 0.005% (10 kHz/60 Hz, 4:1) |
最大入力 (1% THD) | 6 Vpp (0 dB pad) 、33 Vpp (-15 dB pad)、190 Vpp (-30 dB pad) |
入力抵抗 | 10 MΩ (0 dB pad), 10 kΩ (-15, -30 dB pad) |
出力極性 | 2番ホット |
PADスイッチ: | 0 dB, -15 dB, -30 dB |
電源 | 48Vファンタム電源 (1.5 mA)、もしくは 9V電池(4.8 mAの一般的なアルカリ電池で130時間使用可能) |
寸法、重量 | 4.5 x 7.7 x 15.2 cm、600g |
メーカーHPでもっと詳しく知る!