製品レビュー、試聴からサポート情報、キャンペーンまで製品別にフォーカス。活用のヒントがここに集結。
リットーミュージック Sound & Recording誌 2016年10月号で開催中。AVID、Rock oNも協賛するミックス・コンテストを有利に勝ち進むならチェックしておこう!
誌上で中村 公輔 氏がヘビーユースしたWAVESプラグイン各種の特徴をおさらい!ここでWAVESプラグインの知識を身につけ、Sound & Recording誌を読み返すと、さらにミックスに対する理解が深まりますよ!
ミックス・コンテストに勝つために!プラグインをもっと深く知る!
ここでは、中村 公輔 氏によるミックステクニックの中で使用されたプラグインの中から4製品を抜粋。製品の使いこなしや、ミックスのアイディアをお伝えします。これを参考に、さらにプラグインをうまく使って、コンテストに、日頃のミックスに活かしてください!
WAVES J37 : これこそAbbey Road Studiosサウンド!
ロック・ミックスの音圧感を上げるために、キックのアタックを丸くする際に使用されたJ37。WavesとAbbey Road Studiosのコラボレーションにより生まれたこのプラグインは、テープサチュレーター+αの機能を持っています。
そもそもこのJ37のためにモデリングされているのは、STUDER初のマルチ4TrackレコーダーのJ37。しかもEMIのエンジニアがAbbey Road Studiosのリクエストに応じて調整/カスタムした世界で一つのモデルです。『FORMULA』で881、811、815という3種類のテープのシミュレートを行いますが、これらテープもAbbey Road Studiosの注文に応えて作られたもの。「Waves J37は60’〜70’のAbbey Road Studiosのサウンド」と言われる理由はここにあります。
このFOMURAに加え、SPEED、BIASでサウンドの特徴を決めていきますが、サチュレーションを強くかければかけるほど、倍音が強調されたテープサチュレーションが心地よくかかっていきます。一般的なコンプやリミッターよりも温かくまろやかなダイナミクスの抑制がかかるため、今回のロックミックスではベストチョイスだったと思います。
そして、着目したいのは『MODELED TRACKS』と『DELAY』。
『MODELED TRACKS』は、実機のテープマシンでいうところの、マルチトラックのうちどのトラックに録音するかを選ぶパラメーター。2トラック目、3トラック目、それとも2と3両方にモノで録音。マルチテープが使うトラックによるサウンド変化まで再現できる(というよりそれを味として加えてしまおう、ということ)のはマニアックです。
『DELAY』は、J37をテープディレイとして使える機能。SLAP、FDBK(FeedBack)、PING PONG とタイプが選べます。ボーカルやリード楽器にぜひ使ってみてください。温かみがあり、深みのあるディレイが得られますよ!
WAVES Abbey Road Reverb Plates : 他に代え難い、あのリバーブ
Waves Abbey Road Reverb Platesは、Abbey Road Studioに常設された4つの伝説的カスタムEMT140プレート・リバーブ・サウンドを再現したプラグイン。
EMTはNeumanやTelefunkenなどと同じくドイツの放送機器から始まったメーカーです。共鳴板として大きな鉄板をぶら下げたEMT140は、巨大な本体を置くスペースを用意しないといけない点やメンテナンスなどに手間がかかる製品ではありましたが、その温かいリバーブサウンドはほかに代え難く、当時のリバーブの、文字通り「鉄板機種」として世界に普及した名作です。その知名度の高さでSolid State Logicでは4000シリーズのオプションとしてEMT140のリモコンを用意したほどなんです。
懐古主義に浸るわけではなく普遍的なリバーブサウンドとして、味のあるEMT140のサウンドをWaves Abbey Road Reverb Platesで楽しんでみてはいかがでしょうか。
[eStoreClipper1A mdin=’35602′ img=’LINK’]WAVES Redd.37-51 & J37 & Abbey Road Reverb Plates ほか6つのAbbey Roadプラグインをてに入れられるバンドル。[/eStoreClipper1A]WAVES CLA-2A : 垂涎の滑らかコンプレッション
エンジニアChris Lord-Alge 氏が所有する、ベストコンディションのTeletronix LA2A をモデリングした贅沢な1本。
Opt(光学式)式のチューブコンプレッサーであるLA2Aは、オプティカル・アッテネーターでゲイン・リダクションを行うクラシックな回路をそのまま採用しているため、反応速度が遅く、音量に対しての特性も精密にリニアなものではないですが、そのスローでいながら絶妙なコンプレッションが、オプティカルコンプレッサーの音、味と評価されています。
また本プラグインを通すだけで独特の質感も加わるため、誌上ではキックなどの重心を下げたい ソースに使われていましたね。
キックはもちろんベースやボーカルなど、ほかのオケとは違う位置で、存在感を増したい時に使ってみてください。とは言っても過剰なかけすぎは厳禁。代理店の情報によると、reductionを3dB以内にして使うのがミソということ。これ以上にreductionすると、実機同様に音が荒れ始めます。
Chris Lord-Alge 氏によるプリセットも入っているのもありがたい、頼れる逸品です!
WAVES C6 : 4+2 chマルチバンドコンプ
マルチバンドコンプレッサーのパイオニア、Waves C4の機能を基本に、アクティブEQとして使えるフローティングバンドを2つ追加した、ある意味『4+2』なマルチバンドコンプ。
この2つのフローティングバンド、4バンドのマルチコンプで整えたとしても時折ピーキーに突出してくる帯域を抑えることができるため、ダイナミクスのうねりが大きいベースやパーカッションで大活躍することでしょう。もちろんミックスマスターに挿せば、理想的なミックスに近づくことも可能かもしれません。
気になるピークをそこだけ効果的に、自然に抑え込む効果はPAのエンジニアにも好まれていて、Waves eMotion LV1 などのラックの中で積極的にライブシーンで利用されています。
[eStoreClipper1A mdin=’35603′ img=’LINK’] C6のほか、L3、H-Delay、MV2などボーカルもののダンストラック向けのプラグインを集めた、超お得なバンドル。[/eStoreClipper1A]Sonnox Oxford Reverb Native : リバーブの金字塔!
発売から10年を経ても未だ似たコンセプトのリバーブが現れない、名機中の名機。
Oxford Reverbは、クリアで美しいサウンドもちろん、非常に多用で豊富なパラメーターによる、サウンドメイクの幅広さが特徴です。
例えば、一般的なリバーブであれば残響音の消え際の演出を決める「TAIL」というパラメーターがありますが、Oxford ReverbはTAILだけでも7つのパラメーターを搭載しています。そのほかEARLY REFLECTIONも数多いパラメーターの中、部屋の形を決める「SHAPE」機能も搭載。ありとあらゆるリバーブにまつわる設定を追い込んでサウンドメイクできるのです。
そして特筆すべきはEQを搭載しているということ。Sonnox OxfordといえばEQ。Oxford Reverbには定評あるそのEQがフル機能で搭載されています。基本機能としてリバーブ音を作り、さらにEQを施すことで、理想的なリバーブデザインをすることができます。
と、ここまでくるとOxford Reverbは難しそうに思われてしまいますが、実はそうでもありません。すぐに使える、実践的なプリセットがとても魅力的なんです。エフェクトの効果を分からせるために、大袈裟な演出がされたプリセットを収録した製品も多い中で、Oxford reverbはそのまま使ってもいける、良質なプリセットが多く収録されています。
深く追い込みたい人も、さっと手軽に使いたい人も。まずファーストチョイスとして使えるリバーブが、このOxford Reverbなのです。
[eStoreClipper1A mdin=’4251′ img=’LINK’]EQ、Dynamics、TransMod、Inflator、Reverb、Limiter、SuprEsser。7種類のプラグインを収録。[/eStoreClipper1A] [eStoreClipper1A mdin=’1954′ img=’LINK’]GET[/eStoreClipper1A]
定番の10年選手から新しいものまで、5つのプラグインのノウハウをご紹介しました。気になるプラグインがあったらぜひ試してみてくださいね。
さあ、ここまできたら、あとはミックスするだけ。目指せ、最優秀賞 Apogee Symphony I/O Mk II!健闘を祈ります!
記事内に掲載されている価格は 2016年8月25日 時点での価格となります。
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