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2016年も残すところあと数ヶ月。12月31日のカウントダウンイベント「GT2017」まで、ライブにレコーディングにと全力疾走中のバンド「KEYTALK」。2013年11月にビクターエンタテインメントからメジャーデビュー。2015年10月には日本武道館公演を成功させ、今、若手で最も勢いのあるバンドに数えられる存在です。
今回、ボーカル/ギターの寺中友将さんにお時間を頂き、Astell&KernがJH Audioとタッグを組みリリースしたハイエンドイヤーモニターを試してもらう貴重な機会を得ました。音楽好きにとって、イヤホンは現在必須アイテムになりとても身近な存在。それだけに市場には数え切れないほどの製品が溢れており、その音質クオリティーも千差万別です。今回は、その中でもトップクラスの音質を誇る製品を体験していただき、20代のいちリスナーとしての視点から、また、音楽の作り手としての視点から、製品の印象についてお伺いしました。
寺中氏のリスニング環境は?
Rock oN : 今、寺中さんは28才ですよね。普段、音楽を聞く時はイヤホンとスピーカー、どちらが多いですか?
KEYTALK 寺中氏(以下、寺中氏) : 外で聞く時はiPhoneで、家ではCDコンポで聞きます。他のバンドからCDを頂く機会も多いので,盤がある時はCDでをプレイします。なので、イヤホンとスピーカー両方ですね。
Rock oN : もともと、どういう音楽が好きだったんですか?
寺中氏 : 音楽を始めたきっかけは「ゆず」でした。小学校5年生の時だったんですけど、まさにブームで「自分でもアコギ弾いて歌いたい!」と思い、弾き語りみたいなことをやってました。バンドを本格的に始めたのは上京してから、KEYTALKが初めてなんです。大学にギターの小野がいて、メンバーに誘われました。
Rock oN : ミュージシャンとして音を作るスタンスとして、イヤホンやヘッドホンにこだわりがあったりしますか?
寺中氏 : 基本はフラットに聞こえるものですが、僕の好みは、ちょっと低域が強いのが好きですね。
Rock oN : 低音が好きなのには、何か理由がありますか?
寺中氏 : 中学校の時、吹奏楽部に入ってたんですが、コントラバスを弾いてたのが影響してるかもしれません。自然とベースに耳がいくんですよ。低音が全体に対して一番響きを加えられるし、聞いてて高揚感を感じるんですよね。
Rock oN : 歌録りの時、ベースって重要ですもんね。
寺中氏 : そうですね、コード感を支える楽器ですし。
Rock oN : iPhoneに付属してるイヤホンだと低音が強い訳ではないので、買い替えたりします?
寺中氏 : はい。それと音質面以外にも、外に出歩く時に便利だなと思ってBluetoothのイヤホンを使っています。晴れてる日はヘッドホンを付けて出掛けたり、雨だと濡れるのが嫌なのでイヤホンに切り替えたり。そんなこともしてます。
ミュージシャンとしての音の聞き方
Rock oN : ミュージシャンとしての立場で聞く時と、純粋なリスナーとして自分の好きな音楽を聞く時に違いはありますか?
寺中氏 : そうですね、聞く時の耳が変わります。人の作品を聞く時に、例えば最近、アレンジやサウンドプロダクションの一部として波形をいじってたりするので、そういう部分をチェックしたり、歌のタイミングなど縦の線の揃え方など注意して聞くことがあります。もちろんメロディーや曲の構成に対しても気になるし、また、「こう転調をするのか!」みたいな感じで、楽曲のアイデアに対して注意してみたり。KEYTALKはインディーズ時代、DAW上で波形をいじることが結構ありました。でも、メジャーデビューしてからは、エンジニアさんが代わったこともありますが、録りのプロセスにものすごくこだわり、出来るだけ後でいじらない方向でやってます。
Rock oN : 歌はどうですか? この人の声質はどうだとか、ビブラートなどの歌のテクニックに対してなど?
寺中氏 : かなり注意して聞きます。まあ、ジャンルによって聞くポイントを変えているところはありますが。僕の場合は、歌も1つの楽器として捉えて聞いてる感じです。
聞き慣れた曲のバランスが一新。新たな体験に驚き
Rock oN : 今回、Astell&KernとJH Audioのパートナーシップで発売されたイヤーモニターの3機種、Layla II、Roxanne II、Angie IIを使って頂きましたがどうでしたか?
寺中氏 : 「今までに聞いたことないバランスだ!」というのが第一印象です。
Rock oN : それは具体的に言うと?
寺中氏 : こんなに歌が近く聞こえるのは初めてでした! 今まで使っていたイヤホンでは、ちょっと離れた距離にサウンドがあり、その距離で楽器と歌が混ざり合ってるイメージだったんですが、Astell&Kernのサウンドは、まさに「耳元で歌っているんじゃないか!」という感じでした。「これが値段の差なんだな」と実感しました! この音を知ってしまうと、元に戻れないだろうと思います(笑)。
Rock oN : 試した機種の中で好みだった音はありますか?
寺中氏 : 全製品を通して、音が近いという印象は共通なんですが、特にLayla IIが一番衝撃が強かったです。
Rock oN : Layla IIは、ユーザーとしてレコーディングエンジニアやマスタリングエンジニアを想定し、スタジオユースとして設計された製品なので、音の分離感が一番ありますね。
寺中氏 : KEYTALKの曲をもちろん聞きましたが、1つ1つのパートが聞きやすく、「ミックスが変わったんじゃないか?」と思うくらい違って聞こえました!
「いい音」に対する基準をアップさせたAstell&Kern
Rock oN : KEYTALKはミックスの時、どんな感じなんですか? 作業は大変ですか?
寺中氏 : 基本的に作曲者が権限を持って進めますが、他のメンバーの意見も取り入れ、話し合いながら進めます。揉め事はないですが、可能な限り時間をかけてこだわり抜きますよ。
Rock oN : メジャーになり、大きなスタジオでレコーディングするようになると、より正確ないい音でモニターするようになったと思いますが、音の作り方に影響はありましたか?
寺中氏 : そうですね、KEYTALKはメンバーそれぞれが作曲するので、作曲者が描くミックスの方向性があり、それぞれ個性があります。でも、その幅が面白いところだと思っています。今回、Astell&Kernのイヤモニを使ってみて、「いい音」に対する基準がアップして新たになったので、メンバー間でも共有し、もっと僕らのサウンドを突き詰めていければいいなと思います!
KEYTALK
記事内に掲載されている価格は 2016年10月27日 時点での価格となります。
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