2009.01.17

McDSP

“理想的なアナログ・サウンド”を追求して開発された新しいEQ/コンプレッサー/リミッター・プラグインが登場!!!

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 昨年に引き続き、今年のNAMMショーでもいくつかの新製品を発表したのがMcDSP。ご存じ、Digideignシステム用プラグイン・デベロッパーの雄です。

 新製品の目玉は、温かみのあるアナログ・サウンドをプラグインで実現した「Retro Pack」。EQ/フィルターの「4020 Retro EQ」、コンプレッサー「4030 Retro Compressor」、「4040 Retro Limiter」という3種類のプラグインで構成される新しいバンドル製品です。

 開発者のコリン・マクドウェル氏の解説のもと、じっくりと試聴させてもらいましたが、そのサウンドは滑らかでファット。いわゆるアナログ機材らしい温かみのあるサウンドなのですが、ヌケが悪くなっている感じや嫌な歪み感は全くありません。まさに理想的なアナログ・サウンドと言える、非常に素晴らしい質感を持っています。実際に音を聴いてもらった方が早いと思いますので、まずはコリン・マクドウェル氏の解説ムービーをご覧ください!

 

 4020 Retro EQは、4バンドEQ(2×シェルビング+2×パラメトリック)と2バンド・フィルターで構成されたプラグイン。各EQのカーブは、ゲインの設定値によって変化するバリアブル・スロープ/Q仕様で、非常に滑らかな効き具合になっています。2バンド・フィルターも同様に、12dB/Octから最高24dB/Octまでスロープが変化します。
 4030 Retro Compressorは、シンプルなコンプレッサー・プラグイン。新開発のアタック/リリース・デザインによって、深くコンプレッションをかけたときでも、パツパツした嫌なサウンドにはならないのが特徴です。また、コンプレッサーでは珍しいWet/Dryの設定が行える点もユニークです。
 4040 Retro Limiterは、いわゆるブリックウォール・スタイルのリミッター・プラグイン。先読み(ルックアヘッド)仕様ということで、マスター・リミッター用途に合ったプラグインと言えるでしょう。

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 マクドウェル氏に「Retro Packを開発する際、モデリングしたり参考にしたアウトボードはあるのか?」と尋ねてみたのですが、その答えは「No」。「既存のハードウェアをシミュレーションするのではなく、単純に“良い音”を目指して開発したのです。その結果、将来的にRetro PackがGMLやManleyのようなクラシックになってくれればいいと思っています」(マクドウェル氏)とのことでした。

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 また、McDSPのフラッグシップ:Channel Gのバリエーション・プラグイン、Channel G CompactとChannel G Surroundも登場。Channel G Compactは、Channel Gをベースにエクスパンダー/ゲート・セクションを省くことで、DSPの消費量を抑えているのが特徴です。サウンドはChannel Gと全く同一で、また1つの画面でダイナミクスとEQを同時に操作できる、使い勝手の良さもポイントと言えるでしょう。マクドウェル氏いわく、「オリジナルChannel GはD-ControlのEQ/ダイナミクス・セクションに完全にマッチさせたので、D-CommandやD-Showといった他のサーフェースでは少々使いにくかったんです。その反省を踏まえ、新しいChannel G Compactは、どのサーフェースでも使いやすいデザインになっています」とのことです。

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 一方、Channel G Surroundは5.1ch処理に特化したコンプレッサー/リミッター。EQも省かれ、完全にマスターでの音補正のみにターゲットを絞ってデザインされているのが特徴です。
 なお、Channel G ComapctはEmerald Packに含まれ、Channel G Surroundは単体での販売のみになるとのことです。

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2009.2.2、コメントの受け付けは終了致しました。感想、ご意見をお寄せ下さった皆様、ありがとうございました!

  1. Vocalの空気感が違いますね。これならレトロなアウトボードを使用しなくてもいけるのではないかと思う程、有力な選択肢になりますね。

    Comment by Fine — 2009 年 1 月 17 日 @ 9:17 PM