NAMM 2013 Rock oN Show Report

APHEX

日本のVPR熱を呼び覚ますIO一体型インテリジェンスVPRシャーシが登場!! 今APHEXブランドが面白い!!

WAVESやKORGなどド派手に人が溢れている訳ではありませんが、個人的にも注目度トップクラスの新製品を用意していたのは会場やや奥に位置する『APHEX』ブース!! これまで高品位ヘッドフォンアンプHeadPodや昨年のVPRモジュール参入を取り上げて来ましたが、全ては2013年のためだったのかと思わせる新製品『APHEX USB 500 RACK』が登場!!

単なるVPR500シャーシと思うなかれ、まずUSB2.0接続のオーディオインターフェースを背面に装備。これが単なるIOの継ぎ足しではなく実に効率的な設計思想を含んでいるのです。

APHEX製IFと聞いてもイメージがまだ湧かないかもしれませんが、24bit/96kHzへの対応はもちろん、USB2.0設計ながら5msの超低レイテンシーを実現。製品開発ディレクターのJIM BAILEY氏がダイレクトモニタリング機能なんて必要無いと力強く言い切る通り、実際に試させてもらいましたがPCを経由してのモニタリングでも数値通りに遅れを感じさせません。

シャーシ自体が表面にディマースイッチとモノスイッチを装備、何より単体で約4万円程の単体機ヘッドフォンアンプ『HeadPod』のチップセットを搭載したヘッドフォン出力が『2系統』!! アナログ1系統、デジタル1系統のマスター出力にワードクロック端子も搭載。しかし驚くのはここからです!

自由に4Slotのモジュールを組み合わせてUSBでPCへ、だけではありません。まず背面4slot分用意されたスイッチ『Analog/Chain/USB』に注目下さい。

●まずAnalogスイッチでは各API500モジュールへの入力信号をUSBでPCへ送るだけでなく、背面のアナログ出力を他のモジュールへ結線する等従来のVPRシャーシのイメージで使用する事が可能です。ソースやマイクによって選べるキャラクター別マイクプリを4発用意してレコーディング専用機、なんてのもありですね。

●次にChainスイッチの時は、chainされた任意のモジュールを自動的に内部配線。つまり短いケーブルで背面モジュール接続を行う必要がないのです!  これは小slotシャーシの基本機能として今後一般化してほしいくらい。もちろんケーブルにこだわる方は先述のアナログスイッチにすればOK。

●そして最大の特徴は『USB』スイッチ。これはDAWからの信号をUSB1本で500モジュールにインサーション出来るのです!! これならmoogフィルターやEmperical Labなどのエフェクトモジュールだけで構成したDAW用500エフェクトモジュールセットなんてのも簡単に組めちゃいますね。

元々チャンネルストリップなどを自由に組める事こそVPR500シリーズの魅力ではありますが、国内ではシャーシ自体の価格が高く、また電源規格に準拠しないモジュールを使用した際の電源トラブルなどにより普及が追いついていないのが現状です。

製品開発ディレクターのJIM氏はこの問題も把握しており、4slot全体で880mA、1slotで220mA野電源供給が可能なスイッチング電源を搭載。API製シャーシを上回る電源容量に加え、今後NEVEマイクプリなど一部の規格外モジュールでもテストを行う予定との事。NEVEモジュールもVPR規格(1slotあたり130mA)を超えた133mAだが、220mA搭載のAPHEXシャーシなら問題は出ない見込みだと語るJIM氏。

注目のUSB RACK 500の価格は1000$(※誤植修正)ながらも、自分好みに築き上げられる『オーディオインターフェース』だと思えばこの価格設定は決して高くありません。むしろケーブルコストもかからずに使用する事も可能で、VPRシャーシとして見ても安いくらいでしょう。(レコーディングソフトウェア『Reaper』が同梱されてます。)

Rock oN Companyでは間もなく各種VPR500モジュールの一斉店頭展示を予定しており、その中でもUSB RACK 500は発売次第必ず展示予定です。そのサウンドと自由度を是非店頭で体感して下さい。発売は5月です!!

●マイク1本にここまで詰め込むか!! 全部入りUSBマイク『Microphone X』!!

まず実際に試してくれとJIM氏に勧められるままに使用。レイテンシーを感じさせないUSB 500 Rack同様の5msレイテンシーで使用出来るUSBマイクロフォン。驚きなのは同社自慢のExciter、そしてオプティカルコンプレッサーまでもが内蔵なんです。まさに『チャンネルストリップ付マイクロフォン』(普通サイズ的に逆を想像しますが、技術の進歩は凄いですね)

HeadPod同等のヘッドフォン端子も搭載、24bit/96kHz対応で$349。USBマイクロフォンのグレードアップを図りたい方は是非ご検討下さい! (こちらもレコーディングソフトウェア『Reaper』が同梱されてます。)

●ClassAマイクプリ2系統の192kHz対応コンパクトオーディオインターフェース『IN2』

HeadPodのようなサイズ感に2系統のClassAマイクプリ、2系統のHi-z対応Instruments入力、さらにOpticalコンプレッサーを本体搭載したオーディオインターフェース。価格は約$629とIO激戦区に真っ向勝負の価格帯ですが、個々のクオリティを比べれば絶対に選択肢に入るモデルだとJIM氏。こちらも6月の発売を待ちましょう!

その他Class Aマイクプリにコンプ+Exciterを搭載したシンプルな『Project Channel』、そして自社製VPRモジュール各種なども展示するなどバラエティに富んだAPHEXブース。今年のダークホースになりそうな500 USB RACKとともにAPHEXの名を皆さん良く覚えておいて下さいね!

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