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みなさんこんにちは、暑いんだか、寒いんだか微妙なところですが、いかがお過ごしでしょうか?
さて今回紹介するのは第3世代になったOrion 32HD Gen3です。
Orionのインターフェースは他のインターフェースと比べて優れている点は下記の項目です。
・32chのアナログ入力/出力がある!
・MADI端子がついちゃっている!
・ADATだって行けちゃう!(SPDI/Fだってあるもんね)
ここまで端子が豊富なんてなかなか探してもないんですが、Orion 32HD GEN3はここまですごい…と言って今回の紹介したいことはこの部分ではありません。
真のすごいところはDigilink端子とUSB3.0端子がそれぞれ独立している点です。つまるところHDX接続でPro Tools Ultimate上でのI/OとUSB接続のMac/PCが同じ1台、または別々の2台でそれぞれ独立したインターフェースとして認識し、しかも音のやりとりも可能にします。
文面では「?」になりそうなので、実際にMacに接続してみて、その管理画面と2つのDAWを立ち上げてみて音の行き来ができるか見てみましょう!
HD NativeでDigilink接続&USBにてOrion 32 HDを繋ぐ
まずそれぞれ繋ぎますが、ここで重要なのがUSB接続した上で、コントロールパネルのパッチングが可能になります。 そこで画像のようにコントロールパネルを開きますと上の段には「HDX Play、USB Play」があり、下の段には「HDX Rec、USB Rec」があります。
ん!?っと、これでピピッと来た方はいると思いますが、上の段のUSB PlayからそれぞれのチャンネルをHDX Recに持ってきます。そうすると別のDAWからアサインした各Out PutをPro Tools Ultimateに送る事が可能になります。もちろんアナログのケーブルは不要です。
今までLogicやCUBASEで作曲していた方はPro Tools用にステムデータを作りたい際、それぞれ個別にバウンスをするか2台のPCを用意して、流し込んだりなどなどやっていたかもしれませんが、USBとDigilinkのケーブルがあれば内部で行き来する事ができます。
また別の話ですがHDユーザーの方はPro Toolsを起動すると今までiTunesやYoutubeのサウンドが同じHD I/Oに出せない悩みがあったかもしれませんが、Orion HDならUSB接続で同じ出力チャンネルにアサイン&音出しも可能です。これってすごくない?
HD MADIモードにしてPort 1,2をOrionにつなげば最大64ch
さて、先ほどのOrionのコントロールパネルの続きですが、そもそもこのOrion 32 HDはPro ToolsのI/O設定でどう見えるの?という疑問があります。それはこの画像見てもらうとわかりますが
「HDX 1 Device」という項目で現在はHD MADIが選択されていますが、HD 8x8x8、HD 16 Analog…とその見え方をここで変更する事が可能です。この設定は他のHD I/OのExpansionを使用する際に、合わせて管理するかなど考えれる要素があります。またこの画像の下段にWord ClockのLoop Syncの機能もしっかり持たせているところもポイントです。
ちなみに各チャンネルが緑色になっておりますが、これはUSB Playを持ってきているため、緑になっていますがLine In、MADI Inなど自由に設定も可能です。MIXERも駆使すればいろんな入力ソースをまとめてRecも…。なおHD Native,HDXは最大64ch可能ですが、各Portにつき32chの入出力という仕様になっています。
さて、それでは店頭のMacに入っているLiveと、Pro Toolsを同時に起動して音の流し込みをしてみましょう!
LiveではUSBのOrionを、Pro ToolsはHDシステムを選択し、音を流してみましょう¡
いよいよ今回はLiveが用意できましたので、Liveから設定を行ってみます。
まずLive側ではOrion 32HDがこのように見えてきます(USB2.0で接続した場合は8chのみですが、USB3.0で接続した場合は32chが認識されます)ここであとはLive側の各Out Putを32ch分、個別にアサインをしていきます。以下のように32ch分、一気に信号が個別に出力されていきます。
そこで、個別にアサインされたPro Toolsのインプットも見てましょう!
こんな感じでバッチリそのまま信号が流れており、レコーディングが行えました。とにかくHDのシステムとUSBがそれぞれ別々のインターフェースとして認識できており、しっかり個別のインターフェースとして接続できているというのがポイントです。HDシステムの場合はOrionはAD/DAとして使用できるというのがミソです。
今後マシンスペックもどんどん上がってきますので、こうして1台で完結させていく大きなシステム構築も容易になっていくかと思います。特にLiveはエフェクトも豊富なので、エフェクト部分をインサートさせるという使い道もあるのではないかと思います。ぜひご参考いただければと思います!
いかがでしたでしょうか?これまでのステムデータを作る際の悩みも解決しつつ、プラグインエフェクトで内部のインサートを複数組み合わせて音作りするのではなく、外部DAWと組み合わせて面白い使い方など、アイデアはまだまだたくさん出てくるかと思います。
ぜひ皆さんも新しいシステム構築を考えてみてはいかがでしょう。
Writer. PD安田
Antelope Audio
https://jp.antelopeaudio.com/products/orion-32hd-gen3/
記事内に掲載されている価格は 2019年7月12日 時点での価格となります。
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