最大8パートのパワフルなバーチャル・アナログ・シンセサイザー Kyra(カイラ) が、2023年4月26日より価格改定値上げとなります。
Waldorf KYRA
2018年のMusikmesseで発表されたFPGAベースのデジタル・シンセサイザー、Exodus Digital Valkyrie。そのサウンドに惚れ込んだWaldorfのCEO、Joachim FlorがExodus Digitalにコラボレーションを持ちかけ、Waldorfブランドとして発売されることになったKYRA。そして2020年、最大8パート/128ボイスを同時に使用できる史上最もパワフルなバーチャル・アナログ・シンセサイザーが誕生しました。
KYRA(カイラ)は最大8パートを同時に使用できる、史上最もパワフルなバーチャル・アナログ・シンセサイザーです。真のマルチティンバー・シンセサイザーとして、パートごとに最大32ボイス/全体で最大128ボイスを同時に使用でき、それぞれのパートを完全に独立した「1台のシンセサイザー」として使用できます。パワフルなオシレーターやフィルター、EG, LFO, モジュレーション・マトリクスなどのモジュレーターは8パートすべてで同時に使用でき、従来のバーチャル・アナログ・シンセやソフトウェア・シンセのように本体の処理能力や CPU 負荷といった煩わしい概念を気にする必要は一切ありません。
KYRA には「マスター・エフェクト」という概念は存在せず、パワフルな9種類のエフェクトはパートごと独立して搭載しており、その全てを同時に使用できます。
これまでのバーチャル・アナログ・シンセの常識を覆す
驚異のウルトラ・パワーの源「FPGA テクノロジー」
FPGAといえば、Antelope Audioのオーディオインターフェースに搭載されている事でご存知の方も多いかと思いますが、KYRA はFPGA テクノロジーを全面的に使用した、世界で初めてのプロフェッショナル・シンセサイザーで、従来のバーチャル・アナログ・シンセサイザーとは根本から異なる動作原理により高いパフォーマンスを誇ります。
FPGA とは (Field Programmable Gate Array)の略。多くのコンピューターで使用される CPU のような「集積回路」ですが、 FPGA の動作原理は根本から大きく異なり、高い柔軟性と効率、低いレイテンシーと低消費電力を特徴とします。
CPU を使用したパワフルなハイエンド・コンピューターは生の処理能力を発揮する代わりに起動の遅さ、オペレーティング・システムの信頼性、発熱など多くの問題を抱えています。KYRA は同様の処理能力を持ちながらもたった4秒以内に起動し、消費電力は10ワット未満で冷却用のファン無しで動作します。一般的なハイエンド・コンピューターと比較すると数十分の1の電力で動作し、そして熱暴走の心配がありません。
このテクノロジーがもたらすもう一つの利点は「信頼性」です。オーディオの生成、フィルタリング、およびその他の処理は全て1つのチップで実行されるので、構成する部品の数が少なくなります。部品の数が少ないということは故障の原因が減ることに繋がるため、ハードウェア・シンセサイザーとしてより高い信頼性を獲得しています。
オーディオ・インターフェースを内蔵し、USB ケーブル1本で実現する DAW とのインテグレーション
KYRA は高品質なオーディオ・インターフェースを内蔵しています。USB2.0 接続を経由してコンピューターへ接続し、KYRA の8パートをそれぞれスタジオ品質のステレオ96kHz 24ビットオーディオで DAW のオーディオ・トラックへ入力することが可能です。また DAW のオーディオ・トラックやソフトウェア・インストゥルメントのサウンドを KYRA で再生することもできます。もちろん USB MIDI も使用できるので、オーディオと同時に DAW でプログラムした MIDI 情報が KYRA へ送られます。KYRA には大掛かりなマルチチャンネル・オーディオ・インターフェースや、かさ張るマルチ・オーディオ・ケーブルは一切必要ありません。USB ケーブル1本だけで DAW とのインテグレーションを実現します。外部エフェクターやアウトボードでのエディットが必要な場合は、4系統のバランス・アナログ・オーディオ出力を使用できます。もちろんアナログ出力に関しても高いスタジオ・クオリティを誇ります。
KYRAサウンドを生み出すオシレーター、フィルター、モジュレーション
ボイスごとに2つのオシレーター・グループが用意されています。それぞれベーシックなシンセ波形と18ビット・リニア PCM の4096種類にも及ぶウェーブテーブル波形を使用でき、オシレーター・グループ間でハードシンク、リング・モジュレーション、FM が可能です。
2つのオシレーター・グループにはそれぞれ4種類の波形から選択できるサブオシレーターを搭載。オクターブで重ねて低音を強化したり、メインのオシレーターと近いチューニングにして量感を足すことができます。
膨大なバリエーションの波形を内蔵するオシレーター圧倒的な存在感のサウンドを生み出す Hypersaw モード
Hypersaw モードを使用すると2基のオシレーター・グループは6個のノコギリ波で構成される1つのサウンドソースに切り替わります。特別なアルゴリズムによりチューニングされたこのモードは、強烈なリードサウンドから濃密なアニメーションのパッドサウンドまで「バーチャル・アナログ・シンセ」を象徴するサウンドを生み出します。さらに Dual モードを選択すると Hypersaw アルゴリズムが2倍になり、合計12基のノコギリ波とステレオで動作する2基のフィルターによる真のステレオ・パスが構成され、更に強力なサウンドになります。
多彩なフィルター・タイプを搭載。ステレオ・サウンドに最適なデュアル・フィルター・モード
目的のサウンドを生み出すためには柔軟なフィルターが必要です。KYRA には多彩なフィルター・タイプが用意されており、ユーザーの多様なリクエストに応えることができます。
モジュレーション
高速なレスポンスを誇るエンベロープは、最も使いやすい ADSR タイプのエンベロープを3基搭載しています。1基は VCA 用、1基は VCF 用、1基は任意のパラメーターへ自由に割り当て可能です。
モジュレーション・マトリクスは、34ソース 82デスティネーションを扱えるスロットが6系統用意されています。1スロットにつき1つのソースに対し最大3つのデスティネーションを設定して使用できます。
ポリフォニックでも使用できる128種類の LFO 波形。デュアル・モード時に使用できる強力な「ステレオ LFO」
LFO はサイン波、三角波、矩形波、サンプル & ホールドなどベーシックな波形から複雑な波形まで128種類の波形を選んで使用できます。KYRA の LFO は動作モードを設定することができます。単一の LFO が動作するモノフォニック、演奏されるノートごとに LFO が動作するポリフォニック、演奏されるノートごとにランダムなフェーズから動作するランダムを選択できます。
デュアル・モード時にはさらに「ステレオ LFO」のデュアル・アンチフェーズ・モードとデュアル・クアドラチャー・モードが選択できます。それぞれ LFO の位相が左右で180度、90度ずれて動作するため、ステレオ効果を最大限に発揮させるのに効果的なモードです。
アルペジエーターは8つのパートそれぞれに用意されています。アップ、ダウン、ランダム、コードモードと、本体内に用意された128種類のリズム・パターンを組み合わせることで、バリエーション豊かなアルペジオ・フレーズを生み出します。アルペジエーターは主にライヴ・パフォーマンス向けに設計されていますが、作曲の際にもインスピレーションを与えてくれる強力なツールです。
128パッチ x 26バンク、合計3,328種類の膨大なサウンドを保存可能
1つのバンクにつき128パッチ、26バンク(Bank A から Bank Z)、合計3,328種類もの膨大なサウンドを保存可能です。そのうち Bank A から Bank G までの 7 バンクはセーブとロードが可能なユーザーパッチ・エリア、残りの Bank H から Bank Z までの 19 バンクはロードのみが可能なプリセット・エリア。プリセット・エリアにはユーザーが作成したパッチを直接保存することはできませんが、ROM から RAM へはパッチを自由にコピーできるので、全てのプリセットはユーザーがエディットできます。MIDI プログラム・チェンジとバンク・セレクトを使用すれば DAW や外部のコントローラーからパッチを呼び出すことも可能です。
即戦力のプリセットも多数内蔵。バーチャル・アナログ・シンセにおいて伝統的なユニゾンリード、パッド、重厚なベースサウンド、カラフルなアルペジオ・シーケンスから、最新の EDM にも対応できる膨大な数のサウンドが用意されています。
8つのパートは柔軟にレイヤーやスプリットを組むことができるので、複数のパートを同時に使用すると奥深く重厚で、複雑な変化に富んだテクスチャを持つサウンドも自由に生み出せます。実際に8パートをレイヤーして重厚なパッドを作った動画デモを用意しましたのでぜひご参考にしてください!
Wall of Sound – 音の壁を築き上げる市場最強のバーチャル・アナログ・ビースト
KYRAのプリセット音色を大量フィーチャー
合計3,328種類の膨大なサウンドを保存可能なKyra。ロードのみ可能なプリセット・エリアは Bank H から Bank Z までの 19 バンク、2432音色がメーカー提供のプリセットという事になります。音色プログラムは Acid、Bass、Arpeggio、EDM&Dubstep、FX、Percussionといった19種類のカテゴリーに登録する事が出来るので、カテゴリーフィルターを使って欲しい音色を素早く見つける事が可能です。Kyraを触ってまず試して頂きたいのが、カテゴリーを選んだ状態でプリセットをどんどん聴いてみる事です。例えばベースカテゴリーにしておいてプリセットを次々と変えていくと、Kyraでどんなベースサウンドが表現出来るのかイメージが膨らみます。
Kyraの世界限定200台のリミテッド・バージョン「Kyra SE Seablue」
Kyra SE SeablueはKyraに特別なカラーリングを施した限定生産モデルで、サウンド、プリセット、機能などの仕様は通常バージョンのKyraと同じです。
Kyraは最大8パートを同時に使用できるパワフルなバーチャル・アナログ・シンセサイザーです。真のマルチティンバー・シンセサイザーとして、パートごとに最大32ボイス/全体で最大128ボイスを同時に使用でき、それぞれのパートを完全に独立した「1台のシンセサイザー」として使用できたり、レイヤーやスプリットを設定することで重厚で変化に富んだサウンドを作成可能です。
パワフルなオシレーターやフィルターに加え、EG + LFO + MODマトリクスなどのモジュレーター、9種類のエフェクトを搭載。24ビット/96kHzでDAWとのインターフェースが可能です。最新のFPGA テクノロジーの採用で、これまでにない脅威的な処理能力と安定した動作を実現しています。
記事内に掲載されている価格は 2023年4月20日 時点での価格となります。
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