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Jan.2024
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Rock oN ACADEMY from LUSH HUB Filmmaker講座第1回:シネマカメラを活かすLOOKカスタムセッション

Rock oN ACADEMY from LUSH HUB

Filmmaker講座

第1回:シネマカメラを活かすLOOKカスタムセッション

講師:株式会社ハイランド 代表 酒井洋一氏

はじめに

カラー・グレーディング耐性が高く、RAWデータで映像を記録できるシネマカメラは、映像表現に大きな可能性を与えてくれるツールです。設定や使い方次第で、カメラ内部で“画づくり”ができてしまうため、外部機器やパソコン(映像編集ソフト)に頼らずに、イメージする映像を得ることができます。長尺の作品の場合、全編グレーディングすると相当な時間がかかりますが、シネマカメラを使用すれば、撮影を終えた時点で“画づくり”も完了しているため、撮って出ししなければならない状況にも対応できます。もちろん、音楽ライブのリアルタイム配信などにも対応できます。


今回のセミナーでは、人気のシネマカメラ=Blackmagic Pocket Cinema Cameraを使用した、“画づくり”の5大要素について解説します。


 ○ 1:フレームレート
 ○ 2:シャッタースピード
 ○ 3:レンズ
 ○ 4:LUT
 ○ 5:フィルター

● 1:フレームレート

動画撮影時の基本となる設定であると同時に、映像の質感を大きく左右するのが『フレームレート』です。『フレームレート』は、1秒間の動画を構成する静止画(フレーム)の枚数を決める設定で、fps(frame per seconds)という単位で表されます。テレビ番組などで用いられる標準的な『フレームレート』は30fpsですが、この設定が高ければ高いほど現実に近い映像になるため、ニュース番組やスポーツ中継、動きの速いダンスもののミュージック・ビデオなどでは倍の60fpsが用いられるケースが多くなっています。逆に『フレームレート』を落とすと、パラつきのあるしっとりとしたフィルム・ライクな映像になり、映画では24fpsが標準となっています。Blackmagic Pocket Cinema Cameraは、スライダー操作で『フレームレート』を連続的に選択することができるため、撮影するコンテンツ、欲しい質感に合わせて設定するのがいいでしょう。

もちろん、DaVinci Resolveなどのビデオ編集ソフトを使用すれば、撮影後に『フレームレート』を変更することもできます。ですので、60fpsで撮影した動画を24fpsで書き出せば、リアルな映像からシネマ・ライクな映像を得ることができます。しかし24fpsで撮影した映像とは(雰囲気は出るけれども)質感が異なるため、シネマ・ライクな映像にしたい場合は、最初から24fpsで撮影した方がいいでしょう。その方がSDカードなどの記録メディアの節約にもつながります。逆に、24fpsで撮影した動画を60fpsで書き出しても、同じコマが増えるだけなので、リアルな映像は得られません。

● 2:シャッタースピード

動画撮影時のシャッターを切る速さを設定するのが『シャッタースピード』で、1/x秒という単位で表されます。分母を『フレームレート』の2倍にする設定が一般的で、24fpsの場合は1/48秒が基準になります。多くのデジタル一眼レフカメラでは1/48秒という設定が用意されていないため、その場合は近い値に設定しますが(1/50秒など)、Blackmagic Pocket Cinema Cameraのようなシネマカメラでは1/48秒に設定することができます。

分母を『フレームレート』の2倍にする標準的な設定から、あえて『シャッタースピード』を変更する状況としては、たとえば1/50秒では被写体の指先がボヤけてしまう場合、1/100秒に上げることで指先をクッキリ捕らえられるかもしれません。また、最近増えてきたLED照明が取り付けられた会場などでは、『シャッタースピード』を上げることで、フリッカーの発生を抑制することができます。

● 3:レンズ

『フレームレート』同様、映像の質感に大きな影響をもたらすのがレンズです。最新のレンズの性能は凄く優秀で、高い解像感が得られますが、あえてクセのあるレンズを使用することで、雰囲気のある動画を撮影することができます。独特の個性を持ったレンズとして、クリエイターの間で人気があるのが、1970年代や1980年代に製造されたオールド・レンズです。設計が古いオールド・レンズは、ピントが外れていくときのボケ足のグラデーションがなだらかで、光の拡散からのフレア感も異なるなど、現代のレンズにはない個性を持っています。オールド・レンズには、予期しないことが起こるおもしろさがあり、動画撮影時のトーンづくりに有用なアイテムと言えます。今回のセミナーでは、単焦点の50mm/F1.4のプラナーのレンズを使用しました。ドキュメンタリーなど、予期しないことが起こりうる撮影では、24-105mmや24-70mmといったズーム・レンズの方が安全ですが、撮り直しが利く状況であれば、単焦点のレンズを検討した方がいいかもしれません。

● 4:LUT

イメージどおりに撮影できた動画でも、再生する機材やモニターによって、その見え方が変わってしまうことがあります。“Look Up Table”の略である『LUT』は、撮影した動画の見え方が変わってしまうのを防ぐフィルターです。Blackmagic Pocket Cinema Cameraでは、この『LUT』ファイルを複数インポートして、撮影時に適用することができます。『LUT』ファイルは、インターネットでさまざまなものが販売されており、無償で配布されているものもあります。また、DaVinci Resolveなどのビデオ編集ソフトには、ユーザー独自の『LUT』ファイルを書き出す機能も備わっています。

今回のセミナーでは、最初に照明を作り、その上で“Teal and Orange”という『LUT』ファイルを適用しました。動画撮影時は、現場に合わせてさまざまな設定を行う必要がありますが、好みの『LUT』ファイルを適用することで、それが各種設定の基準になり、結果的に撮影時間を短縮することができます。しかし『LUT』ファイルを適用すると、映像の色味やイメージが大きく変わってしまうため、やり過ぎは禁物です。

● 5:フィルター

最後に紹介する要素が、レンズに装着して使用する『フィルター』です。ミュージック・ビデオはフィクションの世界ですので、いかに現実感を無くすかというのが重要になってきますが、『フィルター』を使用するだけで映像の雰囲気をガラッと変えることができます。さまざまなタイプの『フィルター』が売られていますが、最近のトレンドはプロミスト系の『フィルター』で、ブラック・プロミストやブラック・ミストなどが多用されています。

今回のセミナーでは、NiSi製の『フィルター』を使用しました。NiSi製の『フィルター』は、1/8、1/4、1/2という3種類の濃度が用意されており、コントラストを変えずに光の拡散具合をコントロールして、被写体の肌の質感などを変えることができます。1/8が最も濃度が弱く、付けっ放しでもよいくらいの『フィルター』です。逆に最も濃度が強い1/2の『フィルター』を使用すると、やわらかいエッジのふわっとした映像になり、回想シーンのような雰囲気を得ることができます。

記事内に掲載されている価格は 2024年1月16日 時点での価格となります。

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