エレキギター収録マイク徹底比較!
〜ギタリストのための「音」探求ガイド〜
ライン録りが主流の時代だからこそ。
マイク録りでしか得られない「空気」と「魂」がある。
大変お待たせしました!WEB上で機材のサウンドを比較試聴できるRock oNの大人気企画、「HEAR THE REAL TONE」!
今回はエレキギターのエア録りを想定したマイクを特集します。対象に選んだマイクは、価格帯、楽器用、ボーカル用全て問わず、Rock oNのスタッフが「現在のトレンド等を鑑みて重要なプロダクトである」という観点で選びました。
今回は、レコーディングエンジニア経歴を持つ ROCK ON PRO / Product Specialist 前田洋介 監修のもと、昨年進化を果たしたRock oN Umeda UNLIMITED STUDIOにてレコーディング。Rock oN Umeda / 店長日下部、ROCK ON PRO / 長島が独自の視点での座談会も実施!それぞれの音楽ルーツや考え方の違いを是非お楽しみください!
みなさんのマイク選びにとって大きな参考になるコンテンツに仕上がっております!
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Rock oN Sound Radar - On Mic
ヨコ軸 :
右方向(Clear)- ナチュラルな特徴(一般的に、原音忠実、空間再現度が高いなど)
左方向(Power) - 厚みがある特徴(一般的に、コンプレッション感、パンチがあるなど)
タテ軸 : 色付けを指針に評価
上方向(High) -高域に特徴(一般的に、抜けが良いなど)
下方向(Mid-Low) -中低域に特徴(一般的に、温かみがある、太いなど)
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Rock oN Sound Radar ー Off Mic
ヨコ軸 :
右方向(Clear)- ナチュラルな特徴(一般的に、原音忠実、空間再現度が高いなど)
左方向(Power) - 厚みがある特徴(一般的に、コンプレッション感、パンチがあるなど)
タテ軸 : 色付けを指針に評価
上方向(High) -高域に特徴(一般的に、抜けが良いなど)
下方向(Mid-Low) -中低域に特徴(一般的に、温かみがある、太いなど)
洋介 : 今回の収録を終えてどうだった?
日下部 : こうやってチャートにまとめてみるとわかるのですが、SM57 や MD421-II などギター収録の定番と言われるマイクはキャラクターが濃く、このチャートでは端の方に位置していますね。このキャラクターが味として親しまれているんですね。
長島 : それで言うとコンデンサーマイクは意図せずともClearに寄っていて、感度の高さが影響しているのでしょうか。
洋介 : そうだね。感度が高いので実際に自分達の耳で聴いてるようなアンプや部屋の箱鳴りのようなところまで自然に捉えていて、それがクリアな印象に繋がっているようだね。
長島 : なるほど。マイク選定のヒントになりますね。余韻込みで収録したいのか、タイトにサウンドの芯だけを狙いたいのか、作りたい音を想像出来れば自ずとマイクが決まってきますね。
日下部 : 一方でダイナミックマイクでは程良いコンプ感でパワーがある印象のマイクが多いですが、気に入ったマイクはありますか?
長島 : 僕は SHURE / SM7B ですね。配信やボーカル収録で人気のあるマイクですが、低域の厚みがあるのでドライブギターのパンチあるサウンドの収録に使いたいです。
日下部 : なるほど。パンチってことなら僕は audio-technica / ATM25 がよかったですね。ローの密度が最高なのですが、低域が持ち上がってて分厚いというわけではなく、ぎゅっと詰まっているような印象で、低音のジューシーさはありつつタイトで、エレキギターの特にブリッジミュートのサウンドの特徴と非常にマッチしている。
それに加えて8kHzあたりのピークが程良くギターのエンハンスを行っており、重たいだけでない抜けも併せ持っている。バッキングではATM25、リードでは逆に中域に美味しさがあるボーカル向けマイクが組み合わせとして相性がいいかもしれません。
洋介 : そうだね。ボーカル向けのマイクは200~4kHzあたりに特徴があるマイクが多く、対照的だね。マイクの周波数特性を把握すれば無理にEQをしなくても音のマスキングが抑えられるから、それがイコール楽曲全体の厚みや奥行き感に繋がりやすいよね。
僕はこの中で Sennheiser / MD441-U をオススメしたい。金管楽器や競馬中継などでよく見かけるマイクなんですが、ダイナミックマイクで有りながらコンデンサマイク並の感度の良さを持ってて繊細な音が特徴。今回のラインナップのダイナミックマイクの中では一番空間表現が上手。低音のロールオフ機能や近接効果の有無などでサウンド調整も幅広く行えるので音作りの自由度が高く、エンジニア心がくすぐられる。個人的には20cm程オフ目に立てて、キャビ自体の鳴りも込みで録ると更に美味しくなるんじゃないかな。
長島 : ギター収録は奥が深いですね。僕が普段作ってる音楽では生楽器を扱うことが少ないので二人とは少し好みの基準が違うようで。一般的なバンドサウンドではなかったりするので用途として厚みを出す目的でSM7Bのような思いっきりウォーミーなものだったり、逆にパーカッシブな用途のカッティングギターでは思いっきり明るく軽やかなものだったりを求めてしまいます。
なのでどっちかというとTheオンマイク!と言った残響の少ないタイプのサウンドが気になります。オフマイクについてはあまり馴染みが少なくどういう基準で選定をするものか迷ってしまいますね。
洋介 : オフマイクはリボンのラインアップなんて厚みや奥行き感を表現するのに合うんじゃないかな。SM7Bが好きならもう何歩か後ろに下がったような感じで。リボン特有の自然な減衰がオフマイクでありつつも部屋自体のぼやけた残響は抑えて録ってくれてるから長島さんの用途にマッチしてると思う。
日下部 : 特にギターはアンプやエフェクターでディレイやリバーブの空間系のエフェクトを込みで音作りすることも多く、そういう時は後から編集出来る範囲が狭く事前のサウンドメイキングを活かすマイク選びとマイキングが必要になりますもんね。潰しが効かないエア録りだからこそ最大限、ソースとマイクの相性やマイキングを考慮して狙ったサウンドを追求するんですよね。
「エア録り”だから”音が良い」とかはないと思いますし、たぶんこの意識こそが唯一無二のサウンド実現の最後のスパイスになっているんだと思います。精神論にはなっちゃいますが(笑) 理屈でいうと、少しエンジニア目線にはなりますが、アンサンブル内での役割を考えて狙う音自体をちゃんと想像するっていうこと自体に意味があって、それがそもそも想像出来てなければ、まぐれでしか俗にいう”良い音”ってのは生まれませんって話です。
洋介 : 本当にその通りだね。最近アンプシミュレーターが発達してどんどんリアルなサウンドに近づいてて、録り直しが出来るってこともあって音作り自体に拘る人が減っている傾向がある。
でも、ギターってそれぞれの音作りでしか出せない微妙なニュアンスがあって、竿ごと、プレイヤーごとのサウンドがあるんだよね。だからこそそれに疎かにしないというのはプレイヤーとエンジニア両方の課題だね。あとは単純に楽しいよね。こういうサウンド追求は参加した人の好みが色濃く反映されて、今日のこの3人でもかなり好みが分かれてる。日下部君みたいな若い世代と僕達の世代、好きな音楽ジャンルでも求められるサウンドっていうのが変わるから皆であーでもないこーでもないって言いながら作っていきたいね。
Gear Lineup!!
オンマイク
audio-Technica ATM25
audio-Technica AE4100
Beyerdynamic M88 TG
LEWITT MTP 440DM
LEWITT MTP 550DM
LEWITT MTP 840DM
SENNHEISER e835
SENNHEISER e845
SENNHEISER e906
SENNHEISER MD 421 II
SENNHEISER MD 421 KOMPAKT
SENNHEISER MD 441 U
TELEFUNKEN M80
YAMAHA YDM505
sE ELECTRONICS V7
SHURE SM57
SHURE SM7B
SHURE Nexadyne 8
NEUMANN KMS104
SHURE KSM9
オフマイク
AEA N22
AKG C414 XLII
Aston Microphones Spirit
audio-Technica AT4040
audio-technica AT4080
audio-Technica AT5045
Earthworks Ethos
LEWITT LCT440PURE
LEWITT LCT940FET
LEWITT LCT940HALF
LEWITT LCT940TUBE
NEUMANN U87Ai
Ohma World Ohma Condenser
Ohma World Ohma Ribbon
Samar Audio AL95
Samar Audio VL37A
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記事内に掲載されている価格は 2025年7月11日 時点での価格となります。