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2025年12月13日(土)、キャットミュージックカレッジ専門学校にて「ロックオンアニソン塾Vol.2 〜堀江晶太vs星銀乃丈⁉︎編曲師弟対決〜 」が開催されました。
講師に迎えたのは、PENGUIN RESEARCHのベーシストであり稀代のヒットメーカー・堀江 晶太氏と、最新のアニソンシーンを牽引する若手実力派クリエイター・星 銀乃丈氏。有償セミナーでありながら、会場には100名近い熱心な参加者が詰めかけました。大阪開催としては異例とも言える、注目度の高さを証明する一日となりました。
当日は予定されていた3時間を超えるプログラムが瞬く間に過ぎ去り、参加者からは「これほど濃密な内容なのに、まだ時間が足りない」という声が漏れるほど。技術論の枠を超え、第一線で戦うプロの思考に触れる極めて濃厚な時間となりました。
本記事では、そんな熱狂のセミナーの中から、特に全クリエイターが知っておくべき核心部分を厳選してレポートします。この記事を通じて、トップクリエイター二人が見据える「音楽制作の本質」を追体験してください。
講師プロフィール
編曲師弟対決
今回のセミナーは編曲師弟対決をテーマに、アプローチの違いを比較するため、以下のレギュレーションの中でお二人にアレンジデータの作成を行なっていただき、会場で比較・解説するものとなっております。
リハーサルから自ら客席に座り綿密に音出しチェックを行うお二人の姿からは、音楽に対する誠実さや来場者への心遣いがみられました。
トークはお二人の不思議な縁に関するお話からスタート。過去、堀江氏の講義に星氏が参加した際に音源を渡したことから始まった関係は、今や切磋琢磨し合う師弟関係へと発展しました。
リハーサルにてデータのチェックを行うお二人の様子
第1部|星銀乃丈 編曲解説

第1部では、星氏のアレンジについての解説からスタートします。1部、2部では、共通のトークテーマに沿って解説を行い、お二人の編曲アプローチや指向の差分を照らし合わせる流れとなりました。
会場の視線が集まる中、まず披露されたのは、ピアノと歌だけのシンプルなデモ音源でした。これがプロの手でどう化けるのか? 会場には、期待と少しの緊張感が漂いました。
ここからは実際のトークテーマとお二人のコメントをピックアップしてご紹介します。
元データを受け取って最初に着手したところ、軸にしたところ
星氏は、実際のアニメのオープニング映像を流しながら、「このサビでどんな絵が動くか」を逆算してアレンジを詰めることもあると語りました。
また、解説の中で堀江氏から使用音源についての質問が飛ぶ場面も。師ならではの鋭い視点で指摘を入れたり、テクニックを深掘りしたりと、実際の制作をリアルタイムで覗き見しているような、ライブ感あふれる雰囲気に包まれました。参加者も、制作に落とし込めるような要素を見つけてはメモを取る光景もみられました。
星氏のアレンジについて問いを投げかける堀江氏
この曲の自分らしさとは
理論的な正解だけでなく、「触ったときの感触」や「その音が持つ情緒」を優先する姿勢が、星氏にしか表現できないサウンドの核となっていると語られました。
また、トーク中には鍵盤を使用した指ドラムによる即興演奏や、製作中のデータを客観視するためのTipsの実演などもあり、参加者からも驚きの声があがりました。
その後予定されていた休憩時間は思わぬサプライズから始まりました。
そんな堀江氏の言葉とともに始まった即興のQ&Aタイム。
少しでも多くの言葉を交わし、現場のリアルを伝えたいという堀江氏の並外れたサービス精神と、若手クリエイターたちへの深い愛情が感じられました。突然の質疑応答にも関わらず、参加者からは多数の質問が寄せられました。
Q.超低音域(サブロー)の入れ方で意識している点はなんですか?
Q.音色を増やした時に渋滞しないコツはなんですか?
第2部|堀江晶太 編曲解説

充実した休憩時間も終わり、続く第2部では堀江氏による編曲解説がスタート。堀江氏の編曲の第一歩は、技術以前に「そのメロディを全力で好きになること」から始まります。今回のアレンジでも、デモの中に眠るフックを見つけ出し、いかに聴き手の心に「人懐っこく」届けるかを最優先に考えたといいます。
元データを受け取って最初に着手したところ、軸にしたところ
今回の課題曲に対し、お二人とも「メロディを愛すること」から始めたとコメントし、今回のアレンジでは、堀江氏はモチーフの反復によるドラマチックな展開を軸に据え、一方の星氏は日常系のフレッシュな雰囲気、主役となる音の流れを重視したアプローチを魅せました。
この曲の自分らしさとは
サウンド面でのこだわりも驚きの連続で、新しい実験・発見をし続けるといった堀江氏の制作に対する姿勢が実際の制作データに現れていました。
また制作において何よりパワーを持つのは、膨大な知識やテクニック以上に「自分自身がワクワクして、心からその作品を愛せているか」という純粋な気持ちだと堀江氏は語りました。「技術を磨くのは大切だが、その土台に自分自身のときめきがあること。」堀江氏はこの熱い想いを自ら体現し、次世代を担う若手たちにもまずは自分自身が一番愛せるものを作ろうと伝えました。
第3部|講評会+Q&A
第3部では、星氏、堀江氏がお互いの編曲データの講評を行いました。
それぞれの解説を終えた上で明らかになった、お二人の制作に対する姿勢やアプローチの違い。互いの作品を通して語られたのは、単なる技術論ではなく、どのように音楽と向き合い、どのように人生を重ねてきたのかという、普段はなかなか表に出ない本音でした。
お互いのアレンジを聞いて
星氏がテクニカルなドラムンベース風のアプローチをとったのに対し、堀江氏が選んだのは軽やかなビート。その違いは音楽のルーツにあるとのこと。
星氏は、幼少期に車窓から眺めた「変わりゆく名古屋の景色」という視覚的なイメージを音楽に重ね、一方で堀江氏のアプローチの根底にあるのは「クラシック」や「ディズニー音楽」の様式美だと語りました。

トークセッションを終えると、会場のあちこちから一斉に手が挙がり、質疑応答の時間は想像以上の盛り上がりを見せました。
制作の現場で日々悩み、試行錯誤を重ねている参加者の質問からは、音楽制作に対する真摯な姿勢と切実な想いがひしひしと伝わってきました。
実際に参加者からは、次のような質問が飛び出しました。
Q:アレンジが詰まってしまい、制作期間が伸びてしまう際の解決策は?
Q:様々なアプローチを身につけたい!どうインプットしていますか?

一つの問いに対して、お二人がそれぞれの立場や経験をもとに意見を交わし、ときには「そこは考え方が違いますね」といったやり取りを挟みながら話が広がっていきました。
その自然な応酬に、参加者は誰一人として目を離すことなく、真剣な表情で耳を傾けていました。
まとめ
アレンジは「メロディを全力で愛すること」から始まる
アレンジの第一歩は、デモの中にあるフックを見つけ、そのメロディを全力で好きになることから始まります。「その瞬間、自分自身が作品を心から愛せているか」というときめきこそが制作の土台となり、聴き手の心に届く「人懐っこい」音楽を生み出します。
「主役のスイッチ」と「必然性のある音選び」で音楽的な整理を行う
音が渋滞した際、音量やEQでごまかすのではなく、その音がそこに存在する理由やストーリーがあるかを問い直すことが重要です。フレーズごとに何を聞かせたいのか、主役を明確にして一貫性のある流れを作ることで、多くの音色が鳴っていても濁ることのない、耳の楽しい豊かなアンサンブルが実現します。
感動の理由を深掘りし、好きでい続ける努力をする
「良い曲だった」で終わらせず、なぜ自分がそれに感動したのか、なぜ美しいと思ったのかを具体的に言語化する習慣が、自身の表現の幅広さに繋がります。音楽を長く続けられる最大の秘訣は「好きでい続けること」であり、自分自身の心が動く瞬間を何よりも大切にすることが、結果として唯一無二の「自分らしさ」へと繋がります。
現場で活躍するクリエイターのリアルな言葉と音に直接触れられた今回のセミナーですが、次はどのような化学反応が生まれるのでしょうか。今後の開催にも期待が高まる、濃密な一日となりました。
Rock oN Umedaは、関西圏におけるクリエイティブ・コミュニティの中心として、次世代のクリエイターが等身大で学び、刺激し合える場を提供し続けてまいります。
アニソンやネット音楽といった、現代の感性を揺さぶる新しい文化。私たちはこれらを単なるブームとしてではなく、継続的な催しとして盛り上げていきたいと考えています。そこには、憧れのゲストから学ぶ技術だけでなく、同じ志を持つ者同士が繋がることのできる、コミュニティとしての発展があるはずです。
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ライター:梅田店スタッフ 岸本
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