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May.2026
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ロックオンアニソン塾Vol.3 Akki × Kijibato 一夜限りのライブ制作セッション! イベントレポート

Akki Kijibato 作曲 編曲 レポート ロックオンアニソン塾Vol.3

2026年4月24日(金)、Rock oN Umedaにて「ロックオンアニソン塾Vol.3 Akki × Kijibato 一夜限りのライブ制作セッション! 〜”新曲”はこうして生まれる〜」が開催されました。

講師に迎えたのは、緻密な音作りでアーティストの魅力を最大化させる作編曲家・Akki氏と、変幻自在なアプローチでジャンルの境界を越えるクリエイター・Kijibato氏。平日夜の開催というタイトなスケジュールにもかかわらず、会場は熱心なクリエイターたちの熱気に包まれ、定員間近の満員御礼に。大阪の制作シーンにおける、二人の注目度の高さを改めて裏付ける一夜となりました。
当日は、緻密に構築されたトラックの裏側から、現場で即戦力となるテクニックまで、予定時間を忘れるほど濃密なセッションが展開。参加者の視線は一瞬たりともステージから離れることはなく、質疑応答ではプロの視点に鋭く切り込む質問が飛び交いました。
技術的なハウツーを超え、現代の音楽シーンを勝ち抜くための「美学」と「ロジック」が交差する、極めて刺激的な時間となりました。

本記事では、今回のセミナーで語られたトピックの中から、すべての音楽家が持ち帰るべき核心部分をダイジェストでレポートします。トップランナー二人が見据える「音の設計図」を、ぜひこの記事で追体験してください。

 

講師プロフィール

Akkiアーティスト写真

Akki

2001年8月24生まれ
国立音楽大学 演奏・創作学科卒業。幼少期よりピアノや音楽理論を学ぶ。
2017年より自作曲をインターネット上に投稿。
2018年からバーチャルYouTuber関連の音楽制作に多く関わる。
2022年、第3回キネティックノベル大賞(株式会社ビジュアルアーツ)音楽部門 大賞受賞。
長く残り愛される作品に携わりたいと思っている。

主な参加作品
・紫雲寺家の子供たち 劇伴
・「LIKE YOU o(>< = ><)o LOVE YOU?」(堀江晶太、星銀乃丈と共作詞・共作編曲)
・Tokyo 7th シスターズ
・DIALOGUE+
・ときのそら
・獅子神レオナ
・ななひら


Kijibatoアーティスト写真

Kijibato

大学在学時よりフリーランスとして、VTuber関連楽曲や各種コンテンツのリミックス等を製作する。
卒業後、作家事務所「ドリームモンスター」に所属。アニソンや各種コンテンツの作編曲・作詞を手掛けるようになる。
邦楽ロックやアニソンの影響を受けた「キャッチーさ」と、「クラブ・サンプリング要素」との融合が得意。
様々なジャンルの楽曲を制作するが、とりわけクラブ要素を取り入れた楽曲や電波ソングで定評を得ている。

主な参加作品
・推しの子
・学園アイドルマスター
・ウマ娘 プリティーダービー
・=LOVE
・≠ME
・東山奈央
・DIALOGUE+

第1部|Songwriting Session with Akki 〜作曲ライブ実演〜

 

第1部の幕開けは、Akki氏によるピアノを用いたリアルタイム作曲実演です。
観客から提示された音階を即興でメロディに組み込むなど、まさに「ライブ実演」ならではの緊張感と創造性に満ちた展開。
リクエストされた音がAkki氏の手によって即座に楽曲へと昇華されていく様子に、会場全体が一体となって引き込まれる刺激的なセッションとなりました。

会場を巻き込んだライブ実演

 

第1部のハイライトは、参加者を巻き込んだリアルタイム作曲です。
楽曲全体のテーマを参加者から募集したところ、決定したのは「USJ、脱出、チュロス」という、一見すると繋がりの見えないユニークなキーワード。
この難題に会場が沸き立つ中、さらに参加者から4つの音階を募り、それらを楽曲の核へと昇華させていく挑戦的なセッションが始まりました。
実演の終盤、参加者から難易度の高い音階が提示されると、Akki氏は「独自のルール」を追加して応戦。そのユーモア溢れる切り返しに、会場からは笑いが起こりました。
また、直前に弾いたコードをド忘れしてしまうというライブならではのハプニングも。しかし、そこは会場との一体感が成せる業。「今のコードはこれでしたよ!」と参加者が助け舟を出す一幕もあり、講師と参加者の垣根を超えた温かい空気に包まれました。
ゼロから音楽が構築されていく鮮やかな手捌きと、即興演奏のクオリティに、会場全体からも自然と惜しみない拍手が送られました。

作曲は選択の連続

 

実演の最中、Akki氏のとある言葉が、クリエイターたちの心に深く刻まれました。

 

Akki氏:
「頭の中に無限に生まれてくるメロディやコードの中から、その曲にとって最もふさわしいものを比較・選択し続ける作業が作曲なんです。」

 

その言葉を証明するように、実演中も一つのメロディに対して複数のパターンを提示したり、一度組んだコードを納得がいくまで組み直したりするシーンが見られました。
迷いなく筆を進めるだけがプロではない。「もっと良い選択肢があるはずだ」と自問自答し、最適解を導き出していく。
その真摯な思考プロセスを目の当たりにしたことで、参加者は単なるテクニック以上の「創作の本質」を学んだのではないでしょうか。

 

第2部|Arrangement Session with Kijibato 〜編曲ライブ実演〜

 

休憩を挟み、第2部ではKijibato氏によるリアルタイム編曲実演が幕を開けました。
圧巻だったのは、Kijibato氏の膨大な知識量に裏打ちされたジャンル横断的なアプローチ。
一つのメロディが、Kijibato氏の手によって次々と表情を変えていく様に会場は釘付けに。
引き出しの多さを活かしたロジカルかつ大胆な編曲術を、惜しみなく披露する濃密な時間となりました。

ジャンルに対する圧倒的知識量を披露

 

第2部の主役、Kijibato氏がステージに立つと、会場はその膨大な音楽的知見に圧倒されることとなりました。
特にキックとベースのダッキングについては、ボリューム・オートメーションで制御するクラブミュージック主流の手法を挙げつつ、ジャンルごとに兼ね合いやアプローチが異なる点などを解説し、現場に即したテクニックを惜しみなく披露しました。

 

Kijibato氏:
「ジャンルを覚える近道は、サンプルパックを買うこと。ジャンルを知ることは、クリエイターにとっての武器になります。」

 

実演中も、各ジャンルの特徴を的確に捉え、瞬時に楽曲の表情を変えていく鮮やかなアプローチに、参加者は深く見入っていました。
また、Kijibato氏のメモの中に「落ちサビ用楽器」という具体的な、しかしどこかユニークな記載が。会場からは思わず笑いがこぼれる一幕もありました。

 

サンプルパック活用術

 

実際にループ素材を用いた編曲を披露しながら、Kijibato氏は「かっこいいサウンドにするためには、妥協で音を入れてはいけない。そこにこそ時間をかけるべき」と、創作へのストイックな姿勢を語りました。
ループ素材をただ並べるのではなく、音が重なる部分をいかに綺麗に処理するか。その術を身につけることで『ただ貼っただけ感』が消え、楽曲としてのクオリティが跳ね上がるという実践的なアドバイスも。

また、サブスクリプション型サービス『Splice』の活用術では、「まとめてダウンロードしすぎると検索効率が落ち、結果的に検索汚染に繋がる」といった、実用上の注意点も紹介されました。

 

実演中、Kijibato氏が思わず「難しいなぁ~……!」と頭を抱えれば、それに対してAkki氏が「すいません~!」と茶目っ気たっぷりに返すなど、プロ同士の信頼関係が垣間見える微笑ましいやり取りが会場を和ませました。
実はAkki氏、自分の楽曲の編曲を丸々誰かに委ねるのは今回が初めてとのこと。「自分の曲が他者の手で変化していくのが新鮮です。」という声が漏れる中、Kijibato氏は終始、圧倒的な知識量と手数でそれに応え続けました。
二人の才能が火花を散らし、一つの楽曲が磨き上げられていくプロセスは、まさに「アニソン塾」でしか見られない贅沢な光景となりました。

第3部|完成レビュー & アウトロトーク

 

第3部では、完成したばかりの楽曲データをモニターに映し出し、制作プロセスを徹底解剖。Kijibato氏による編曲実演の裏側で、実はAkki氏が作詞も同時進行で行うという驚きの伏線回収もあり、会場も盛り上がりを見せました。
完成した「USJ・脱出・チュロス」をテーマにした楽曲を軸に、お互いのクリエイティビティを讃え合う対談がスタートしました。

 

 

お互いのアイデンティティについて

 

対談の中では、お互いの「作家としての強み」が浮き彫りになりました。
Kijibato氏は、Akki氏に対し「ピアノとメロディだけで既にオケ全体が見えている。転調が自然と手札として出てくる点も最高ですね。」と絶賛。
対するAkki氏は、Kijibato氏のスタイルを「常識にとらわれない、臆さない挑戦的な姿勢が魅力。一聴して楽しいと思えるジャンキーで刺激的なサウンドには、驚きの連続でした。」と語り、異なる武器を持つ二人の個性が火花を散らしたセッションであったことを裏付けました。

 

制作に悩むクリエイターへ

 

Akki氏からは、「一度作ってみて、ダメなら消してやり直す。臆さず消す勇気と、まずは一旦形にしてみることが何より重要」と、執着を捨ててトライ&エラーを繰り返すことの核心が語られました。
これに深く頷いたKijibato氏も、技術向上の観点から「どんなに気に入らなくても、まずは最後まで作り切ること。途中で投げ出してしまうと、ミックスやマスタリングを経験する機会を失い、スキルアップに繋がらない」と語りました。

お二人の意見に共通していたのは、「まずは一度出し切る」ことの重要性です。悩みすぎて途中で止まるのではなく、最後まで形にした上で、不要なものは消し、必要なものを選び抜く。この「完走と選択」の反復こそが、スキルアップへの最短ルートであることを示唆してくれました。

 

質疑応答

 

トークセッション終了後の質疑応答では、多くの参加者から手が挙がり、活発な意見交換が行われました。
質問の内容は、日々の制作過程で直面する技術的な課題や悩みなど、参加者それぞれの実情に即したものが多く、創作に対する真摯な姿勢が伺えました。

ここでは、会場から寄せられた代表的な質問と、お二人の回答を抜粋してご紹介します。

 

Q:楽器の定位についての処理は、どういったアプローチをされていますか?

 

Kijibato氏:
ピアノなど、左右がある程度決まっているステレオトラックに関しても、バランスが悪ければ容赦無くパンニングをします。センターにしなければいけない、という意識はないですね。良く聴こえるなら正解かな、と。

 

Akki氏:
僕もパンを動かしますね。耳だけが頼りです。
エンジニアさんに渡す時、ネットの情報だと「定位は中心に、エフェクターは切って出す」という情報が出てきますが、あれは嘘です。活動初期の頃そうしたことがあるんですが、全く思い通りにいかず…良いことないですね。

 

Q:作曲をする際にどこから書き始めますか?

 

Akki氏:
ランダムですね。今回は皆さんからもらった音を元に作りましたが、思いついたものがサビっぽいならサビから、イントロっぽいならイントロから作り始めます。

 

Kijibato氏:
コンテンツによりますね。コンペだったらサビが強くないといけないからサビから作ったり…。テーマ以外決まっていない場合なら頭からが多いですかね。

 

まとめ

 

音楽を「気楽に、楽しく」

 

最後にお二人が共通して伝えたのは、「もっと気楽に、楽しくいろんなアプローチを試してほしい」というシンプルで力強いメッセージでした。
プロの圧倒的な技術を目の当たりにした1日でしたが、その根底にあるのは音楽を楽しむ純粋な心。Akki氏の流麗なメロディと、Kijibato氏の緻密かつ大胆なアレンジが融合した今回のセミナーは、参加者一人ひとりの創作意欲に火を灯し、幕を閉じました。

 

Rock oN Umedaは、関西圏におけるクリエイティブ・コミュニティの中心として、次世代のクリエイターが等身大で学び、刺激し合える場を提供し続けてまいります。
アニソンやネット音楽といった、現代の感性を揺さぶる新しい文化。私たちはこれらを単なるブームとしてではなく、継続的な催しとして盛り上げていきたいと考えています。そこには、憧れのゲストから学ぶ技術だけでなく、同じ志を持つ者同士が繋がることのできる、コミュニティとしての発展があるはずです。

 

次回ロックオンアニソン塾Vol.4開催決定!

Akki氏とKijibato氏の対照的な制作スタイル、そしてそれらが共鳴していくプロセスを深く掘り下げた今回のセッションは、参加者からも大きな反響を呼びました。
この熱を絶やすことなく、次なるクリエイティブの衝突を求め、「ロックオンアニソン塾 Vol.4」の開催を2026年8月に決定しました!

次回、アニソン塾Vol.4開催情報や最新のイベントニュースは、以下の公式SNS・ウェブサイトにて随時発信してまいります。
いち早く情報をキャッチするために、ぜひチェックをお願いいたします。

Rock oN 最新情報はこちら

公式X (旧Twitter):Rock oN Company (@RockoNCompany)

イベントの速報や制作のヒントをリアルタイムでお届けします。

公式サイト:Rock oN Company

詳細なレポートや、最新のギア・制作ソリューション情報を掲載。

 

ライター:梅田店スタッフ 岸本

記事内に掲載されている価格は 2026年5月12日 時点での価格となります。

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