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ANTENNA

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11
Apr.2019
ANTENNA

Build Up Your Studio 2019 – anre*f studio

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作曲家 菅原一樹氏が代表を務める株式会社anre*f(アンレフ)。都心に位置する「anre*f studio」は、菅原氏が音楽制作を行うアトリエとして2017年10月に設立。約20畳のメイン空間は広い2面からの窓から陽光が差し込み、オープンな空気感が気持ちいい。4畳ほどのキッチンが隣接し、お茶を入れながらクライアントやゲストミュージシャンを迎えリラックスした空間で作業が行える心地よいスタジオです。菅原さんにコーヒーを淹れていただき、まずはご自身の音楽活動についてお伺いしました。

Studio Info.

スタジオ名 : anre*f studio
オーナー:菅原一樹氏
設立:2017年10月

菅原一樹 氏プロフィール

株式会社アンレフ代表取締役。
作編曲家。東京都在住。

TV、WEB、アプリ、ライブ、パフォーマンス、イベント、映像作品、企業PR等の音楽を幅広く手がける。2018年、楽曲を担当したプロジェクトが国際広告祭ADC AWARD、ADFEST、Spikes Asiaでそれぞれシルバーを受賞。

anre*f recrods主催。
Refresh Resort サンプラー担当。

http://anref.jp

作曲家 菅原一樹氏について

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Roc : 居心地のいい空間ですね。今日はこのスタジオについて色々お伺いしようと思いますが、その前に、まず、菅原さんの音楽活動について教えてください。

菅原氏 : テレビ番組やコマーシャルの音楽、また広告映像として、 企業PRやファッションブランドをはじめとするイメージ映像などの音楽を制作しています。

Roc : 菅原さんが、この仕事を始められた経緯は?

菅原氏 : 学生時代に演劇のためのジングルを作ったのがはじめで、そこからずっと続いてる感じです。マネージメント会社に所属したことはなく、ずっとフリーでやってましたが、今年、株式会社anre*fとして法人化しました。

Roc : 菅原さんの音楽的バックグラウンドはどんな感じなんですか?

菅原氏 : エレクトロニカ、アンビエント、ノイズ、ポストロックあたりですね。いわゆるゼロ年代のシーンに影響を受けています。中高生の頃はメタルやプログレばかり聞いていました。アーティスト活動をするなかでテレビ関係の仕事をしてる方と出会う機会があり、その方たちと一緒に仕事としての音楽制作を続ける中で自分の作風というかジャンルが広がっていきました。現在はストリングスなど用いた劇版的な曲も書きますが、エレクトロニカが自分のベースにあります。

自由にサウンド実験ができる空間にしたかった

Roc : このスタジオでは普段、どんな作業をされていますか?
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菅原氏 : 作曲からアレンジ、レコーディング、ミックスダウンまでほぼ全部のプロセスをここで行なっています。プロジェクトによって外部スタジオで行う場合もありますが、ここでは歌、ギター、ベース、シンセ、バイオリンくらいまでならレコーディングします。WEB媒体の仕事だと、このスタジオで納品まで完結させることもありますし、J-POPものだと外部スタジオでミックスすることもあります。プロジェクトの規模や内容でケースバイケースですね。

Roc : アトリエ兼ミックススタジオという感じで、菅原さんの完全なプライベートスタジオですね。このスタジオを作るにあたって、大事にしたことはどんなことでしょう?

菅原氏 : まず、自由に機材を試す。そういう実験ができる場所にしたかったんです。もともと機材に疎く、スタジオ勤務などもしたことがないので、圧倒的に機材への理解が足りないという自覚がありました。それを少しでも解決することを目的のひとつとしてこの場所を作っていきました。あとは、朝から晩までずっといる場所なので、できるだけ過ごしやすい環境にしたかった。そのため、自分が好きなものだけを置くようにしてテンションを落とさずに仕事をできるような環境を作ることを大事にしました。機材を選定するにあたっては、選び抜いたうえで余計なものは置いてません。さらに、クリエイティブな作業はできるだけ午前中に行い、午後は事務処理といった作業に回す。自分の生活リズムとクリエイティビティが歯車が合うようにして、気持ちよく仕事ができるように心がけています。


ここからはスタジオの各コーナーごとに、菅原氏に使用機材を説明してもらいました。

DAW & Audio Interface


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DAWはApple LogicとAbleton LiveをiMac Proで稼働。多くの作曲作業をLogicで行い、Liveはライブパフォーマンス用に使用。「長年使ったLocgicから離れ、自分の手癖的なことから離れるために別のDAWを使ってみることも考えています。」とのこと。

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オーディオインターフェースはRME Fireface 800とFireface UFXを使用。入力数を増やすために2台をA-DAT接続している。iMac ProとはFireface UFXを接続し、直にモニタースピーカーに接続している。他にライブ用として2台のFirefaceがあり、計4台のオーディオインターフェースを所有。

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パソコンの操作にはワコム製のペンタブレットを使用。「DAW上でオートメーションもすごく書きやすく、作業効率がいいんです。めちゃくちゃ早いんですよ。」とのこと。

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モニターボリュームはRME ARC USBでコントロール。

Monitor Speaker
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スタジオに大きく鎮座するMusikelectronic Geithain ME801K。背面にCURRENT製のアッテネータを経由させ、アナログの段階でレベルを落としME801Kに送っている。「こうすることによってARC USBでコントロールするTotalMix FXのボリューム位置が適正になるように調整しているんです。ME801Kの本体のボリュームをなるべく触りたくなかったというのが理由ですが、これは実験中です。以前はMusikelectronic 906を使っていましたが、ME801Kを導入してローがよく見えるようになりました。ただこの部屋はまだ防音施工していないのでさすがにフルボリュームで出すことはないのですが。MEG ME801Kを使うようになってから、スピーカーを活かすのは結局のところ部屋次第だということに気がつきました。こういう当たり前のことを体験として確認できるのもこのスタジオでの実験の賜物です(笑)」

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ミックス時に併用するラジカセ SONY ZS-M5。「ME801KとZS-M5の双方で違和感なく楽曲としての力が残っているかを確認し、さらにヘッドホン、i-Phoneのイヤホンでも確認するようにしています。」

Synthesizers

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一番活用しているというDave Smith Instruments Prophet 6。「サウンドの個性が、力強い固まりとして出るところが好きなんです。他の音を重ねても個性が埋もれることなく、ミックスの中で残り続けるんです。楽曲の中で主要なパーツに使います。世代的にソフトシンセから入ったんですが、現在はほぼハードシンセです。単純にハードシンセの音が好きということもありますけど、自分の欲しい音がわかっていれば、手を動かし音を作る方が断然早い。膨大なソフトシンセのプリセットを1つずつ切り替えながら音を探すことよりも時間が短く済みますし、その分作曲の作業に時間を割けます。 

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いくつかの製品で構成されるモジュラーシンセラック。「moog Mother-32(写真:ラック下部 黒色のモジュール)は、エレクトロな楽曲で必ずと言っていいほどベースで多用しています。ユニークなのはMutable Instruments Clouds(写真:Mother-32の上部右側にマウント)。これは、入力された音声をアルタイムで処理するグラニュラー・オーディオ・プロセッサーで、アンビエント/ドローン的な空間系サウンドを生成するんです。リバーブ的な使い方もできます。これを通すと、本当にこの音にしかならないので、効果的に使えるように心がけています(笑)」

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モジュラーシンセラックの下に見えるのは60~70年代のエレクトリックピアノを再現するYAMAHA reface CP。さらにその下はマスター鍵盤のstudiologic Numa Nero。

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写真 上段 :
キックの重心の重さとアナログならではの独特な音像が気に入っているというアナログ・リズムマシンMFB Tanzbär。

写真 下段左 :
1980年初期のデジタル・リバーブのを再現するOTO Machines BAM

写真 下段中央 :
8トラック パフォーマンス・サンプラー elektron Octatrack MKII

写真 下段右 :
MIDIコントローラーのfader fox PC4

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ライブ時に使うという iOSアプリの Marcos Alonso Samplr。表示波形のタッチした箇所から再生する、等ユニークな機能とタブレットならではの優れた操作性をもつサンプラーアプリ。
HP >> http://samplr.net

Instruments

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雅楽系も含め、こまめに買い集めたというさまざまな楽器類。「今ならライブラリ音源を使うこともできますが、演奏家にレコーディングを依頼する際に奏法など具体的な話ができるよう、できるだけ楽器には触れておきたいと思っています。結局、自分の体験以上のものってないと思うんです。」

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ギターアンプ CARR AMPLIFIERSのMercury V。「8インチ一発なんですが、出力ワット数を8、2、1/2、1/10と切り替えて落とすことができ、リアンプするのに重宝して使っています。アンプシミュレーターじゃなく、空気を通した音を使いたいと思っていて、ソフト音源のエレピ等もこのアンプで鳴らしてマイクを立て、レコーディングすることもあります。このアンプ、ルックスも好みですし、いい仕事してます。」

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菅原氏はギタリストということもありギター類もスタンバイ。

Microphones & PreAmp

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スタジオの隅にはレコーディングブースが設置されており、この日はNeumann U87aiがスタンバイされていた。他にもAKG C414-XLII、SHURE SM57、そして高校生の時に購入したというSONY C-535Pを所有。マイクプリはSL4000Eコンソールで使われていたマイクアンプ基板2ch分を1Uのケースに組み込んだn-tosch HA-S149。シンセもHA-S149に立ち上げてありDAWレコーディング時にも使用している。

「この音しかない。」全ての機材選びに通底している菅原氏のポリシー


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Roc : 菅原さんの制作の中心音源はハードウェアシンセがメインで、今の時代、というか菅原さんの世代だと逆行してますよね? 多くの人が、ほぼソフトシンセなのに、、、加えて、コマーシャルなどの商業音楽制作の場合、リテイクを要求されることが多いですよね? ソフトシンセの方がすぐ再現できるので、効率を考えたら便利じゃないですか?

菅原氏 : はい、確かにリテイクはあります。でも、「後でなんとかなる」という考えで音作りに臨むと、結局「追い込んでない音」、「何にもならない音」になってしまい、それがクライアントにも感性の部分で伝わってしまいます。

そもそもリテイクはネガティブなものではなく、クライアントとお互いに「より良いものを作るための意見交換」であると考えています。「追い込んでいない音」がある段階では、良い相乗効果を生む意見交換をすることは難しいですし、それこそ効率良くないです。だから「追い込んだ音」である必要があり、それ実現するために一番効率がよかったのが僕にとってはハードシンセでした。今はハードがメインですが、ハード、ソフトに関わらず「これしかない!」という音を作ることを心がけるようになってからは、音の目的が明確になり、リテイクがきてもスムーズな意見交換がしやすくなったと思っています。

このスタジオを自由に実験できる場所にしたかったのは、「自分ならではのサウンドを追い求めるため」。そういう意図があったんです。



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記事内に掲載されている価格は 2019年4月11日 時点での価格となります。

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