★ ADAM とHEDD。渋谷店で聴き比べイベントを開催中!
クラウス・ハインツ氏は、世界の制作シーンで定番機種となったA7Xを世に送り出したADAM Audioの創始者である。
それと同時に、2014年末から2015年初頭にかけてのオーナー交代劇で独立。新しいスピーカーブランドHEDD Audioの創業者でもある。
クラウス・ハインツ氏という一人の人物が理想を追い求めて作り上げたADAM とHEDD。共にリボンツイーターを搭載したブラックフェイスの精悍なルックスは似た印象を受けるかもしれないが、サウンドの方向性は異なる。Rock oNスタッフの中でも意見が分かれているところだが、『ADAMはタイトでメリハリがある』『HEDDはマスタリングに使うような滑らかな表現力がある』という印象だ。HEDDに関してはクラウス・ハインツ氏の子息であり、マスタリングエンジニアもあるフレデリック・ノップ氏がサウンド作りに参加していることが堅調に現れているかもしれない。
ここからはそれぞれの特徴とその違いを挙げてみよう。
比べて選ぶラインナップ
ウーファー 5インチ。ホームスタジオでも活躍するデスクトップサイズ。
ウーファー7インチ。メインのニアフィールドとして、真のリファレンスモニタースピーカーに。
7インチWウーファー +5inch / 4.5inch 。mid~メインで使えるリファレンスモニター。3Wayならではの余裕ある豊かな鳴りっぷりが魅力。
ADAM Audio
パワフルなアンプとヘキサコーンウーファーの完璧なコンビネーション
SXシリーズのモニタースピーカーでは、すべてのウーファーが高性能なPWMアンプによって駆動されています。 採用されているPWMアンプは90%を超える高効率を誇り、電力損失が少ないため従来のAB級アンプよりも 耐久性に優れ、高負荷にも対応することが可能です。X-ARTツイーターの駆動には、300kHzまでフラット な特性を誇るADAM独自設計の低ノイズ50Wアンプが使用されています。このアンプが高効率なツイーターと 組み合わせられることにより、正確で余裕のある高域再生が実現されています。
SXシリーズのウーファーコーンは、両面にケブラーコーティングが施されたハニカム構造のアラミド樹脂材 HexaCone によって作られています。このHexaConeは最小限の重量で最大限の強度を誇り、その結果、可聴周波数帯域 での自己共振を除去し、優れたダイナミクス特性を実現しています。HexaCone、X-ARTツイーター、そしてPWMアンプ のこれらすべての要素が組み合わされ、優れた音質と高い音圧の両立が可能となっています。
細かな音の輪郭を鮮明に描写するX-ART技術
SXシリーズのすべてのモデルは、ドイツのベルリンで手作りされるADAM独自のX-ARTツイーターを搭載しており、 メインモニター(S5X-H, S5X-V, S6X, S7A Mk2)にはX-ART技術を利用したX-ARTミッドレンジドライバーも 搭載されています(詳しくは52ページを参照)。正確なトランジェント特性を持つだけでなく、微細な音の輪郭を 捉える最高級の能力を持つドライバーにより、ADAMのモニタースピーカーは妥協のまったくない効果的なモニタリングツールとなっています。 SXシリーズのキャビネットは不必要な反射を抑えるためエッジに丸みを持たせており、日々のスタジオ業務で劣化しないよう 耐久性の高いプラスチックコーティングが施されています。
リスニング環境に適応させるためのコントロール機能
SXシリーズのスピーカーは、ルームアコースティックに合わせた音質調整を可能にする様々なコントロール機能を備えています。 S1Xにはそれぞれ低域と高域を調整するハイ/ローシェルビングEQ、ツイーターゲイン、そしてボリュームコントロールが設けられており、 S2XからS5Xまでのモデルにはフロントにマウントされた専用のコントロールパネルがあります(詳しくは52ページを参照)。S6Xと S7A Mk2はさらに細かな調整が可能なコントロールパネルをそれぞれ搭載しています。
オプション:DAコンバーター、外付けアンプユニット
24ビット/192kHz対応の専用DAコンバーターをS2X以上のモニタースピーカーでオプション搭載することが可能です。 また、S2XからS5Xまでの機種は、壁面にマウントする際に便利な外付けアンプユニットモデルに変更する事ができます。 その場合、19インチのアンプユニット・ラックが用意され、その中にコントロールパネルもマウントされます。全ての電子部品や コントロール機能は標準のSXシリーズと同様となっているので、音質に違いが生じることはありません。
HEDD Audio
エアーモーショントランスフォーマー(AMT)
スピーカーを造る方法についての多くの考えのうち、オスカー・ハイルの(1908–1994)Air Motion Transformer(AMT)は、空気を動かす方法において他に類がありません。スピーカーの歴史では、多くの異なる変換器デザインが出現しました。
それら全ては、ダイアフラムの動く速度が1:1の比率で空気を動かすピストンのようなダイアフラムを特徴とします。 我々がエレクトトロ・スタティック及びマグネティック・スピーカー、リボン、ボイスコイルベースのドーム及びコーンスピーカーまたは同じような派生デザインについて話すかどうかにかかわらず、これら全ては上記のデザイン・アプローチに他なりません。
異なるデザインは、ドイツ人でアメリカの物理学者オスカー・ハイルが全く新しい考えに基いて、折りたたまれた弾性を持ったダイヤフラムを提案する1960年代初期までは存在しませんでした。アコーディオン状に折り曲げられたダイアフラムが磁界内に置かれ、そのダイアフラムに仕込まれた導体に信号電流が流れると、隣り合ったプリーツ同士が吸引および反発を行い、その谷間の空気を放出または吸入するという動作原理に基づいています。
この方式の第一の特徴は、通常のユニットがダイアフラムに接した空気を1:1の比率でドライブするのに対し、アコーディオン状のプリーツによって圧縮された空気が3~5:1の比率で外気をドライブするエアモーション変換動作にあります。それはピストンモーションで空気を直接ドライブする、といったいわゆる一般的な形態による振動板というものは存在せず、したがってそれに起因する伝達ロスや歪みも発生しません。
しかし何よりもハイルドライバーのメリットは、圧縮伸張動作を行うダイアフラムによって、空気の動作スピードが何倍にも加速されることがあげられます。それはちょうどホーンと同じように空気負荷がよくかかることを意味し、立ち上がりおよび立ち下りの時間は大幅に短縮されます。結果ふつうのダイレクトラジエーターでは決して得られない、圧倒的なダイナミック・トランジェントが実現されることとなります。
1990年代初期に、クラウス・ハインツは彼がコンパクトで、信頼性が高く、優れた音質のツィーターを造るためにAMTを使ったというハイルの考えに興味をそそられました。ハインツは、後にベルリンでハイルの発明に基づくスピーカーを製造する会社であるADAM Audio社を創立しました。ハインツによってデザインされたX-ARTツイーターは、彼がADAM Audio社に在籍している間、 HiFiとスタジオ・モニター市場で広く称賛され、徐々にスピーカーのラウンドスケープとして革命をもたらしました。
今日、HEDD (Heinz Electrodynamic Designs)は、AMTの開発を更に一歩進化させました。 HEDDのスタジオ・モニターにおけるAMTは、特別なウェーブガイドにより従来より低いクロスオーバー周波数を実現し、より強い磁場は歪、及びインターモジュレーション低下させます。そして、それは2ウェイ・スタジオ・モニター(例えばHEDDのタイプ05とタイプ07)のミッドレンジを形づくるために非常に重要です。
HEDD Bridge
もし、より多くのアナログ・スタジオモニターが望むならば、HEDDブリッジシステムが貴方のモニタースピーカーをAES3/EBUやDante、更にRavenna/AES67のようなAudio-over-IPの環境でさえ使用可能にします。 我々が設計した入力モジュールは、全てのモニターの背面にあるフリーカードスロットに取付可能です。さあ、どの好みを選ぶかはあなた次第!
※2016.12.13現在は発売日未定
渋谷店頭で比較試聴ができる!
おおまかに特徴を比較してみたが、そこから導かれるサウンドと創造性の予感は実際に聴いて初めて感じるものだろう。Rock oN ではADAM Audio , HEDD Audio両メーカーのスピーカーをいつでも比較試聴することが可能。クラウス・ハインツ氏が追い求めたモニタースピーカーの理想形を是非とも店頭にて体験していただきたい。
比べて選ぶラインナップ
記事内に掲載されている価格は 2016年12月13日 時点での価格となります。
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