リミッティングしたサウンドから音圧はそのままにダイナミクスを復元する画期的なプラグイン「FG-X」が爆発的な人気を博しているSlate Digital。自らがミキシングの現場で培った経験をフィードバックし、使用者にとってより素晴らしいミックスとなること・直感的で使い易いツールを提供することを目標としており、それは今までリリースされてきたプラグイン群で証明されてきたことでもあります。
そのSlate DigitalからVirtual Mix Rack(以下VMR)タイプのイコライザーバンドル『Custom Series Bundle』がリリースされました!
Custom Series Bundle
Custom Series Bundleはイコライザの『Custom Series Equalizer』とパラレルリフトの『Custom Series Lift』という2つのモジュールのバンドです。シンプルなパラメーターではありますが、これらを組み合わせて幅広いサウンドが得られるよう趣向の凝らされたプラグインとなっています。その秘密をそれぞれご紹介します!
Custom Series Equalizer
4バンド+HPF/LPFのシンプルなイコライザ。しかし、各バンドそれぞれに異なるキャラクターを持たせており、これにより1モジュールで様々なサウンドを得られるように設計されています。
HF:チューブEQを元にブーストした際にも耳障りになることなくスムースなサウンド
HMF:複数のアナログEQを元に音源のインパクトとパンチが強調されるサウンド
LMF/LF:ソリッドステートEQを元に、濁りが無いながらも嫌味の無いサウンド
例えばManley Massive Passive EQやFocusrite RED2といったハイエンドイコライザのいいとこ取りを具現化したEQと言うと分かり易いと思いますが、それぞれの帯域ごとに欲しいサウンドの傾向をバッチリ押さえているのがSlate Digitalらしいと感じます。また、HPF/LPFも緩やかなスロープ特性により自然な効果、アウトプットレベルですらアナログシミュレートによってキャラクターが変化するというこだわりようです。
パラメーターの数が少ないからこそ欲しいサウンドが瞬時に得られる・・・とても素敵な逸品です。
Custom Series Lift
3ノブだけのプラグイン。なのにここまで「使える!」と思わせるプラグインはこれまで私は見たことがありません。アウトプットレベルは 上記のEQと同じで、残りの2ノブはそれぞれロー/ハイブーストをするだけのプラグインとなっています。一般的なEQではただ単純にブーストするだけでは馴染みが悪かったり耳障りなサウンドになりがちで、単にその帯域を持ち上げるだけでも今までエンジニアは高価なアナログイコライザやアナログコンプレッサーで調整する、他トラックの該当帯域をカットすることで実現してきました。ここでこのプラグインの本当の価値が明確になるのですが、この煩わしいプロセスがそれぞれ2ノブで解決してしまうという魔法のようなプラグインなのです!
例えばライン録りのエレキベースの線が細い、キックをもっとビッグなサウンドにしたい、といった場合にはLowLiftが活躍するでしょう。また、ボーカルにシルキーな高域を足したい、シンバルにきらびやかにしたいといった種の異なる要望にもHighLiftのノブ一つで解決してしまいます。
実際にミックスで使用するとどのトラックにもインサートできてしまう高い汎用性を持っており、より強いアナログ感を持たせたい音源にはVMRバンドルのSSLタイプEQやNeveタイプEQを交えながもラック内でどんどんミックスできます。非常にスピーディーかつ効果的なツールとして手放せないプラグインの一つとなりました。
この革新的なCustom Series Bundleを是非体感してください!
記事内に掲載されている価格は 2015年9月10日 時点での価格となります。
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