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HOW TO

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18
Apr.2019
HOW TO

Build Up Technic マイキング編

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前回スピーカー設置編いかがでしたか? 機材を買い変える以外にも出来る音質改善Tipsの一例として参考になりましたでしょうか。2019年のBuild Up Your Studioでは従来のスタジオ事例だけでなく、環境改善のためのTipsや参加無料のセミナーイベントなどなど春のステップアップアイデアを詰め込んでお届けいたします!

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そして第二回はマイキング編、特別ゲストにおなじみ飛澤正人氏をお招きし、マイクを選ぶ前にすべきマイキングの基礎を伺いました。
これからレコーディングを始めようという方は必見です!

1:部屋の最も響かない場所を探すこと

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R:マイキング編というと、まず最初にどのようにどんなマイクを立てるのか、という発想をしてしまうのですが。

飛:実際にマイクを設置する前に大事なことがあります。それは録音を行う部屋の響きを知り、なるべくデッドな環境でオンマイクで収録を行うことです。アンビエンスの多い環境で収録してしまうと部屋の反射音の回り込みが多くなってしまい、結果ミックスの際にサウンドが前に出なくなります。

R:ミックスに影響が出てしまう訳ですね。無響室とは言いませんが極限までデッドな方が本当に良いのでしょうか。

飛:特別『その場所の響きが欲しい』という事でなければ可能な限りデッドで良いと思います。響きは後から足せますからね。

部屋の反射を極力拾わないために、この部屋の『最も響かない場所を探す』ことが「良い機材の性能を発揮するための第一歩」と言えます。

また一般的な洋間の場合、高い確率で反響してしまいデッドなポイントがありません。そのような場合は毛布で壁を覆ったり、ジュータンを敷くなどの処理だけでも改善できますから是非試してみてください。

2:パフォーマンスを左右するモニター環境

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R:部屋の最も響かない場所を見つけた後は、ついにマイクセッティングでしょうか。

飛:確かにソースに応じたマイクの立て方やマイク選定に一般的なセオリーはあります。しかし、ボーカリストやミュージシャンがポジションに着く前にまだやっておかなければいけない事があります。それはベストなパフォーマンスを引き出すモニター環境作りをすること。

特にボーカリストは自分のベストなモニタリングを知らない方も多く、返しのモニターが大きいとマイクから自然に離れてしまったり、声を張れなかったりと、仮にマイクの選定や距離が適正であっても返しのバランスが良くないとベストパフォーマンスを引き出せないことがあります。

私は歌ってもらう前に必ず自分の耳でモニター環境をチェックします。どんな楽器であろうとまずは自分が録られる立場になって、事前にバランスを作ってあげる事が重要です。

R:勝手にブース内でアーティストが歌の返しを上げてしまうこともありますよね。

飛:そうですね、バランスが悪く声を張りすぎて喉を潰してしまう人もいますから、普段一緒にやっているディレクターなどから現状の声の調子をリサーチしたり、途中でモニターバランスをチェックしたりして、適宜アーティストと相談しながら最適なモニター環境を作る事が大事です。

R:マイクを立てる前にやる事は色々あるんですね。

3:マイクの構造理解がソースを適切に捉える

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R:遂にマイクを立てる時ですね。

飛:そうですね。実際のマイクの立て方には教科書のようなセオリーはあります。しかし先に響きやモニタリング環境でも話した通り、セオリー通りの距離や立て方で音源が良いか悪いか、フレキシブルな発想力が現場では重要だと思います。

例えばアコギならホールを狙えと教科書は言うけれど、狙って良いギターもあれば低音が出過ぎるギターもあります。なのでアコースティック楽器にマイクを立てる時には、まず自分が動いて直接出音を聴きながら『最適なマイキングポイントを探す』のがベストです。
例えその結果がセオリーと違うマイキングだったとしても、自分の耳と直感を信じてマイキングして欲しいですね。

R:そのためにはセッティングするマイクの構造や特性(参考資料参照)を理解しておくことは必要ですね。

飛:そうです。ギター1つでもストロークやアルペジオか、歌でもしっとり系かロックか、どんな物を録るかでマイク選定は実は既に決まっています。

仮にどうなるかわからない初めてのボーカルだと、私はとりあえず3本立てて真ん中で歌ってもらいます。その後ブラインドで聞かせる事でどれが歌い手のパフォーマンスに合ってるかを相談して選んだりもしますね。

R:たしかに一昨年のマイク収録企画でも、マイクで歌いやすさが違うことをアーティストの皆さん実感されてました。

飛:あれだけ量があると如実にわかりますよね。一度あの環境を体験するとボーカリストは音に凄く敏感になります。

R:本当あの時は膨大なマイクとテイク数、やり過ぎてすいません(笑)。

飛:いえ、逆ですよ(笑)。ボーカリストは敏感になる事で歌いやすい環境を自分で作れるようになりますから、凄く良い事だと思います。経験は何にも代え難いです。あれだけのマイクを比較して経験すると、ボーカリストに自分の基準が出来ます。

R:お店としては是非比較して納得の一本をゲットして欲しいですね。しかし個人スタジオでは時に選ぶほどマイクの選択肢を用意できない場合もあると思います。

飛:そのような場合、自分個人のマイクでなければやはり万能型が良いでしょうね。

R:例えば手頃な価格帯ではLEWITTのLCT440PUREのように、レスポンスが早くて、周波数特性も癖が少ないようなモデルでしょうか。

飛:そうですね、あれはオールラウンドな一本だと思います。

しかし音源によってはアタックが強く立ち上がりが早い時にはコンデンサーだと扱えきれないし、ドラムにオンマイクで立てるならダイナミックしかない、ものすごい声が大きい人だとリボンを試したくなるなどのケースは確実にあります。

R:ソースに個性がある時、構造的条件が必要になる訳ですね。

参照:マイクロフォンの動作原理とSPECの見方

https://www.miroc.co.jp/now_on_sale/180831-micprinciple/

それでも一般的なソースの時に、従来の教科書のようなセオリーが必ずしも当てはまらないマイクがHear the Real Tone企画では一部出てきました。リボンの常識を覆したAEA N22やNeumann m149Tubeなどのサウンドがそうでした。

飛:そういう側面もあると思います。Neumann M149Tubeは本当に良いマイクで、コンデンサーの王様のようなマイクだと今も思います。

R:是非構造を理解した後は実際にサウンドをチェックして、自分に合った一本を見つけて手に入れて欲しいですね!

参考リンク

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・Hear the Real Tone番外編 飛澤正人のマイクロフォン一刀両断

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・Hear the Real Tone Entry Mic編

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・Hear the Real Tone Advanced Mic編

飛澤 正人
レコーディング/ミキシング・エンジニア

Dragon Ash や GACKT , HY , SCANDAL , 鬼束ちひろ などを手掛ける。1980年代後半にフリーのレコーディングエンジニアとなって以降、日本の最先端の音楽シーンに関わり作品を作り続けてきた。2017年5月、市ヶ谷から渋谷にスタジオを移転。VRやサラウンドに対応した “PENTANGLE STUDIO” を設立し、これまでの2MIX サウンドでは表現しきれなかった360°定位のバーチャル空間をイメージした3Dミックスを提唱している。

PENTANGLE STUDIO HP
www.pentangle.jp/index.html


    記事内に掲載されている価格は 2019年4月18日 時点での価格となります。

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