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Jul.2025
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バウンス清水が日本工学院にて「Neumannで学ぶイマーシブMIXスタートアップ講座」開催!イマーシブオーディオの解説をどこよりもわかりやすく【前編】

先日Rock oNスタッフ・バウンス清水が講師となり、「Dolby Atmos 実践で体感! Neumannで学ぶイマーシブMIXスタートアップ講座」と題したセミナーが、日本工学院蒲田校にて開催されました。

バウンス清水といえばイマーシブオーディオ関連の役立つ情報を届けるスペシャリストとして、これまでRock oNでのセミナー「今シブWorkshop!」やパラダイス記事「今シブ」などで多くのノウハウをお伝えしてきました。

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今シブ by バウンス清水
Dolby Atmos、360 Reality Audio等のイマーシブオーディオの制作に役立つ情報を中心にお届け!!

セミナー会場となった日本工学院蒲田校のNeumannイマーシブデモルームも、ゼンハイザージャパンのパートナースタジオとしてこれまでRockoNでも何度かスタジオの機材やセミナーをご紹介させて頂いた場所。ここでどのような内容のイベントを展開するのか、今回参加費は無料ということで、平日にも関わらず空間オーディオに興味を持っている多くのクリエイターが参加。

熱気に溢れた当日の模様を、前後編の2回に分けてご紹介します!

イマーシブ・オーディオとは?

バウンス清水:まずイマーシブ・オーディオとはなんぞやと。「イマーシブ=没入感」という意味らしいんですけれど、僕は「没入感」というワードがピンと来なくて。というのもあまり没入感を高めたくてこのイマーシブをやっているわけじゃないのになぁ・・と思い始めているからです。

僕としては空間オーディオは「スペーシャル・オーディオ(Spatial Audio)」という呼び方の方が、なんとなくしっくりきていて、最近は空間オーディオ派でいます。音楽配信のApple MusicとかAmazon Musicは、空間オーディオというジャンルと書いてあります。イマーシブ・オーディオではなく、空間オーディオという表記なので、音楽制作というくくり方をするならば空間オーディオの方が、今後はしっくりくるかなって思ったりしています。いっぱいフォーマットがある中で、どうだったらイマーシブ・オーディオと呼ばれているかというと、要は「立体的になったらイマーシブ・オーディオ」と呼ばれています。

一番左上がステレオですね。本当に今の音楽制作の種類。ステレオがあって、右に移動するとサラウンドです。

イマーシブ・オーディオのフォーマットには二大巨頭があって、1つはDolby Atmosで、空間オーディオの中で今一番強いフォーマットです。このスタジオも7.1.4chのDolby Atmosスタジオ・デモルームで、水平方向の音を出すというところと、上方向の天井スピーカーの4ch、最後の.4が足されて7.1.4チャンネル。こうした3Dサラウンドになるとイマーシブ・オーディオと呼ばれます。3Dになると没入感が増すということですね。

二大巨頭のもう一つの方は360 Reality Audioで、これはSONYが開発したフォーマットです。特徴としては「360」という名の通り、上方向だけでなく下方向にもサウンドフィールドがあり、自分を取り巻く全球体になっているフォーマットです。

これがイマーシブ・オーディオの二大勢力なんですけど、ざっくり簡単に言うと次のような特徴があります。

イマーシブ・オーディオの二大巨頭

●Dolby Atmosの特徴

Dolby Atmosの特徴は、Dolbyなので映画から始まっています。

天井スピーカーが加えて、半球状に音場が広がります。あのぐるっと回っているのはサウンドスピーカーたちです。いっぱい本数ありますけれども、あれで7.1という状態ですね。プラス天井の2列のハイトスピーカーが加わることによって、立体的な音場表現ができるようになったというのが特徴の1つ。

もう1つは、従来のチャンネル・ベースに加えて、オブジェクト・ベースで音を扱えるようになりました。これについては、後ほど詳しくお話しします。

●360 Reality Audioの特徴

360 Reality Audioの特徴1つめは360°全天球で、包み込まれるような没入感です。先ほども話したように、音が上だけじゃなく下もあるよということです。

2番めの特徴は、フル・オブジェクトベースであること。360 Reality Audioは、チャンネル・ベースのオーディオを扱うことはないです。全部オブジェクト・ベースのフォーマットというのが特徴です。

この2つのフォーマットが、二大勢力なんですけど、これをざっくり簡単に言うと、こういう特徴があると言えます。

立体的な音場であり、かつオブジェクト・ベース

まず「立体的な音場とは」、これは先ほど話した通りですね。Dolby Atmosは3Dサラウンドで上方向のスピーカーが、360 Reality Audioはそれにプラスして下方向があります。どちらも従来のLRのステレオに比べたら扱えるサウンドフィールドは、めちゃくちゃ広くなったというのが特徴の1つです。

2つ目はオブジェクト・ベースであるということ。ただし一つ注意点があります。

「イマーシブ・オーディオ=オブジェクト・ベースというわけではない」ということです。これから僕は「オブジェクト・ベースすげぇぜ」っていう話をしまくるんですけど、チャンネル・ベースのフォーマットはいっぱいあるんです。NHKの22.2というのは名前の通り「22.2チャンネルのチャンネル・ベースのイマーシブ・オーディオのフォーマット」なので、このオブジェクト・ベースであることがイマーシブ・オーディオではないということではない、というのが注意点です。

●チャンネル・ベースとは

それでは「チャンネル・ベースとオブジェクト・ベースはどういうことか?」というと、チャンネル・ベースは「事前に想定される出力チャンネルの数に合わせた形で音声を制作し、それぞれのチャンネルに対応する各スピーカーから再生する方式」です。ステレオ作品から5.1、7.1といったサラウンドもすべてこのチャンネル・ベースとなります。どういうことかというと「聴く人が2チャンネルだから、作り手も2チャンネルで制作して、作った人と同じ環境で聴いてもらう」これがチャンネル・ベースです。なので例えば5.1の作品を作りました。それを聴いてもらおうと思ったら、5.1チャンネルのスピーカーを聞き手にも用意してもらって聴く。これがチャンネル・ベースです。

●オブジェクト・ベースとは

それでは、オブジェクト・ベースは何かというと、「オブジェクトという音」が主体となっている方式になります。オブジェクトは音源に位置情報を持たせて、どのスピーカーからどのくらい音を出すかっていうのを計算して再生するやり方です。再生時に機器側でスピーカーの位置や数に合わせて最適なレンダリングを行い再生するため、再生時のチャンネル数に依存しない制作が可能です。

どういうことかというと、チャンネル・ベースは、5.1の作品を作ったら、5.1で聴いてもらうのが前提だというお話をしました。けれどもオブジェクト・ベースは相手がどういう環境で聴くかを問いません。ここだったらリアスピーカーがあそこにありますけれども、そこまでにLR。そこからリアスピーカーまで上半球全部がサウンドフィールドです。その状態を誰がどういう環境で聴いてもそうなるっていうのが、オブジェクト・ベースの良さです。

例えばボーカルをこの辺に置きましたという情報でオブジェクトをパンニングします。そうするとヘッドホンで聞いても、5.1でも7.1の環境で聴いてもオブジェクトを置いた場所からボーカルが聞こえるっていうのを担保されている。これがオブジェクト・ベースの良さです。制作者が考えることは、どの音をどの場所で流すかということだけになります。

立体的な音場の中で、どの音を、どの場所で、どんな大きさで、どんな音質で、どんな動きを持たせて鳴らすかっていうのを考えるのが空間オーディオのミキシングです。ミキシングというか、曲の作り方になっていくかと思います。

一言で言うと、こういうことになります。

「立体的な音場を自由に使って、音楽制作ができるようになった」というのが、この空間オーディオの音楽制作です。今日、特に皆さんに言いたいことは、黒バックに白文字で書いてあります(笑)。

完全ではない空間オーディオのフォーマット

ただこの2つのフォーマットも、僕の中では空間オーディオのフォーマットとしては完全ではないなと思っています。

まずDolby Atmosは上半球しかサウンドフィールドがないんです。その時点でもう完全ではないです、僕の中では。先ほどもお伝えした通りDolby Atmosは映画館の音響技術として始まっているし、今もそうなのでドルビーの人と話しても下を付け加えるようなことはしたがっていない、という印象があります。多分Dolby Atmosのまま空間オーディオが進んでいくのであれば、サウンドフィールドには下半分がない。というままで進んでいくことになるかと思います。

もう1つの360 Reality Audioは下半球があるのでサウンドフィールドとしては全部あるんですけど、距離のパラメータがありません。どういうことかというと自分を取り巻く球体の表面にしか音が置けないというフォーマットになっています。なので目の前でボーカルを出したいとかだと、ちょっとできないです。パンニングで音像を近づけても上から下に行っちゃうんです。球体表面にしかものが置けないので、上にいくか下にいくかの2択で、360 Reality Audioを扱った人ならわかると思いますが、もどかしく感じます。

そうして私が行き着いた答えは「フォーマットに捉われない音楽制作がしたい」です。これからDolby Atmosのミキシングをしようと思っている方はいっぱいいると思うんですが、Dolby AtmosのミキシングはDolby Atmosのミキシングなんですよ。何が言いたいかというとDolby Atmosは下半球のないミキシングなので、それを360 Reality Audioで出した時には下半球のあるフォーマットなのに下がない。悲しいですよね。で、どうするかというと、もう一回360 Reality Audio用にミックスする。いやですよね、めんどうくさいですよね(笑)。

そこには様々なフォーマットに変換できる柔軟性が必要だと思います。例えばこのソフトで作れば、Dolby Atmosでも出せるし、360 Reality Audioも出せる。

そんな便利なものを探して、ついに見つけました!

僕がすごく探したものを一瞬で発表しますので、皆さんメモしてください(笑)


いかがでしたか?「イマーシブのフォーマットに捉われない音楽制作がしたい」と、バウンス清水が見つけたものは何か?!

発表は次回!後編へ続く!!

●製品情報

・KH 150
驚異の低域性能と卓越の解像度を誇る、DSPコントロールによる2ウェイパワードモニター 1ペア

KH150
KH 150は、パワフルな2ウェイパワードのスタジオモニターで、リファレンスクラスのパフォーマンスを誇ります。バスレフキャビネットに搭載された6.5”ウーファーは、驚異的な低域性能と優れた最大SPL、変わらぬ明瞭度を発揮。DSPコントロールによるエレクトロニクスが優れた線形位相応答を実現するほか、Neumannの革新的なMA 1自動モニターアライメントにより、どんな部屋でも最適なキャリブレーションを実現します。

NEUMANN
KH 150 EU/KR 1ペア
¥495,000
本体価格:¥450,000
24750ポイント還元

・KH 120 II
次世代のモニタリング

KH 120 IIは、高く評価された前モデルと同じコンセプトに基づいていますが、全てのパラメーターにおいて性能を向上させるために完全に再設計されています。より深い低音、より高いSPL能力、より優れた解像度。内部DSPパワーにより、ノイマンの革新的なMA 1 Automatic Alignmentによる位相リニアクロスオーバーと室内適応アライメントが可能です。44Hzから21kHz(±3dB)までの極めてリニアな周波数特性を有していて、位相特性もリニアになります。そのためクリアな中音域と驚異的な透明感、そして時間領域における極めて高い精度、すなわち正確なインパルス再生と繊細なリバーブ再生を実現します。

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記事内に掲載されている価格は 2025年7月14日 時点での価格となります。

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