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みなさんどうも、Vツイン多田です。季節はすっかり春ですね!
春といえば年度初め、新生活、新学期。フレッシュな季節は家電やコンピューターを新調される方が多くいらっしゃると思います。今Macを買うとAppleシリコン搭載の次世代CPUのものになる訳ですが、環境新たに音楽制作を行いたいそこのあなた、ちょいとお待ちなさい。AppleシリコンのMacってそのまま制作用に使うとまだ未対応ソフトが多い事はご存知でしたか?
Appleシリコン(M1以降のCPU)搭載MacでDTMをするなら、Intel CPUから移行アシスタントで丸ごと引越ししてはいけない、などコレをやって下さいね!という設定や作法がありますが、今回はその中でもダントツに問い合わせが多く且つトラブルが起きた時の原因になっているセキュリティポリシーの変更を解説します。
本稿後半ではAppleシリコンで変わったセキュリティポリシーの補足解説をしていますが、早速設定したい方は下記の設定をどうぞ!
お友達も誘って、みんなでフレッシュになろう!
起動セキュリティユーティリティにアクセスして設定変更
1. Macの電源を切り、電源ボタンを長押ししてリカバリーモードを呼び出します。
2. 長押しを続け、『起動オプションを読み込み中』と表示されるまで押し続けます。表示すればボタンを離してOKです。
3. ハードディスクとオプションの選択肢が出てきたらオプションを選択します。
4. セキュリティ変更を実行するユーザーを選び、Macのログインパスワードを入力してログインします。
5. メインウインドウに復旧メニューが表示されたら、メインウインドウは操作せず上部メニューバーの『ユーティリティ』から『起動セキュリティユーティリティ』を選択します。
6. 起動セキュリティユーティリティウインドウ開きます。ここでOSが入っているストレージを選択して、『セキュリティーポリシー…』をクリックします。
7. デフォルトでは『完全なセキュリティ』が選択されていますが、これを『低セキュリティ』にチェックを入れて、その下の2つのチェックは『確認済みの〜』だけチェックを入れてOKボタンを押します。
8. セキュリティの変更を許可する為、Macのログインパスワードを入力してOKボタンを押します。
9. 最後にりんごマークから『システム終了』を選択して電源を切り、通常起動して作業は完了です!お疲れ様でした!
Appleシリコンで大きく変わったセキュリティポリシー
◾︎Macのセキュリティを意図的に低くするって、危険じゃないの?
デフォルトの『完全なセキュリティ』モードでも実行できるプログラムは、”Appleがアプリの正当性を証明済み”のものになります。
メモ帳やSafariなどMac購入時にプリインストールされているものや、Apple Storeからダウンロードできるアプリ、つまりAppleがアプリの挙動をある程度把握しているサードパーティー製プログラムになります。
お気付きの方も居るかもしれませんが、GaragebandやlogicはApple純正のソフトウェアなので、こちらをお使いの方は『完全なセキュリティ』モードであっても動作に支障ありません。
しかし現実はAppleが開発元でないプラグインや音源も使いますし、オーディオインターフェースのドライバなどと組み合わせて使う事になりますので、やはり『低セキュリティ』での使用をオススメします。
では逆に、『完全なセキュリティ』モードで実行できないプログラムとは何か。これはアプリが正しいものかどうかApple側でわからないプログラムの事を指します。
音楽制作系アプリに多い『低セキュリティ』モードでしか実行できないプログラムは、.dmgや.pkgファイルをメーカーサイトや管理アプリから自分でダウンロード/インストールする必要があり、この全てをAppleが把握しているわけではありませんので、使用するにあたりMacから許可を得なければならないのです。
■あんまり知らないソフトだけど、Macの機能使っていいよ!
具体的な例で言えば、DAWを立ち上げてマイクを入力したり音楽を再生したりする時、MacがDAWを安全なアプリケーションとして信頼した場合に限り、自分が持っている音声入出力の機能をDAWに対して”使っていいよ!”と自動的に許可しています。
Intel時代のMacであれば、大体のソフトウェアはユーザーが特に操作しなくても”使っていいよ!”と動いていたのですが、Appleシリコン(M1)以降はこの許可を出すための判断基準がデフォルトで『完全なセキュリティ』になっていて、簡単には使わせてくれなくなりました。
今回Macの設定変更で触ったセキュリティはこのアクセス許可の部分になり、Macが”いいよ!”と許可を出す基準が低くなります。
ちなみに”いいよ!”の返事が無い『セキュリティ制限なし』モードもあります。
この場合はウィルスやハッキングツールが空欄の署名を自分で埋めてデータを送信できてしまいます。たとえオフライン環境であっても全くお勧めしません!
今回設定した低セキュリティモードは、Intel時代で言えば『中程度のセキュリティ』に相当しますのでご安心を!
●参考記事
Appleシリコン搭載Macの起動ディスクのセキュリティポリシー管理
記事はこちらAppleシリコン搭載MacのRosetta 2
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記事内に掲載されている価格は 2023年4月7日 時点での価格となります。
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