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こんにちは、Rock oN村上です。今年の夏も終わってしまい、すっかり秋らしい天気になってきましたね。
この芸術の秋に制作環境を整えたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。制作環境を揃えるときに重要なものといえば音の出入り口であるオーディオインターフェースです。
最近だと音楽制作以外にも配信、音楽鑑賞、テレワーク等にもワンランクアップさせるために音楽用オーディオインターフェースを導入される方も増えております。オーディオインターフェースは今やお手頃な価格の製品も10年前では考えられなかったスペックを持つ製品が増えており、そんな中今回ご紹介するのはオーディオインターフェースの老舗メーカーMOTU(Mark of the Unicorn)社のUSB-CオーディオインターフェイスM2とM4です。
2019年末の発売直後から、老舗メーカーならではの要点を押さえた性能とコストパフォーマンスの高さから一時は品薄でプレミア価格がついてしまうほど注目され、供給再開となった現在においてもオーディオインターフェースカテゴリーのトップセラー機種として人気を集めているM2 / M4。
すでに多くのレビューが様々な媒体でも掲載されていますが、今回はRock oNならではの目線でM2 & M4の知られざる魅力とオススメする理由を解説します!
同価格帯のモデルよりも一歩先を行くオーディオ・スペック
まず最初にM2&M4の基本的な特徴として、MOTU製品の国内代理店の株式会社ハイ・リゾリューションのサイトに記載の情報を引用します。
40年にも及ぶMOTU(Mark of the Unicorn)社に歴史に裏付けられた卓越した設計と、現代の音楽制作シーンをリードするESS Technology 社によるハイグレードDACを搭載し、最新技術と職人業による他を凌駕したオーディオ・スペックを実現しています。
特筆すべきはEIN-129dBを測定した超低ノイズのクリーンなマイクプリアンプと、ダイナミックレンジ120dBのラインアウトが挙げられます。
とにかくノイズの少ないこのマイクプリは、単体のマイクプリを用意できない宅録ユーザーにとって強い味方。単純にレベルを稼ぎやすく、またマイクとマイクプリを決められた予算の中で取捨選択する場合はやはりマイクに投資する方が多いという実情に見事にフィットしています。M4でレコーディングしたアコギの音を聴いてみて下さい!
(マイクはShure SM7B、DAWはStudio Oneで収録)
またPCオーディオのリスナー層からもUSB-DACとしても評価されているため、制作とリスニングの両面から人気があるということが、M2/M4のユーザーの多さの秘訣になっています。
M2とM4、なにが違う?
M2とM4の大きな違いは、製品搭載の入出力端子数とオーディオインターフェイスとして使用できるチャンネル数に違いがあります。
M2は2in 2out仕様、M4は4in 4out仕様となっていますが、単にチャンネル違いだけではなく、その入出力端子と機能、仕様をもう少し深掘りしてみましょう。
M2/M4アウトプットの共通仕様として、リアパネルにTRSバランスとRCAバランスがそれぞれ搭載されています。
アウトプットのTRSとRCAの出力はミラーリングされた仕様となるために同じソースを同時に出力させることが可能です。つまりバランスアウトからモニタースピーカーに接続しながら、RCAで民生機器のデバイスと一緒に接続して使用でき、モニター環境やレコーディングシステムを柔軟に構築できる設計となっているのです。M4においてはTRS x4出力 / RCA x4出力が搭載されているためステレオアウトを4系統まで同時に出力させることが可能となっています!
また、M4はフロントパネルのコンボ入力(マイク + ライン + 1MΩのインスト入力)を2系統搭載していることに加えて、リアパネルに2つのラインインプットを搭載しています。これによりフロントパネルのマイク/楽器入力接続を行いながら追加でステレオライン機器との接続にも対応し、配信や収録の現場にて高い汎用性とパフォーマンスを発揮します。
※M4のライン入力にはゲインボリュームが搭載されていないので、接続機種が出力ゲインで調整した使用が想定されます。
M2 / M4はどんな実用がされている?
マイク入力、ラインアウト、ヘッドホンなどあらゆる要素で高い性能を保有するM2 / M4は、シンガーや楽器奏者、音楽クリエイターはもちろん、配信用途やボイス収録、PCオーディオやポータブルアンプ用途にわたるまで、オーディオの入出力に関わるどんなシチュエーションにおいても一線を画す実力を発揮します。
かつて世界初のFirewireインターフェイスやAVBインターフェイスを世に輩出している高い技術力と長年の歴史に裏付けられたMOTUのMシリーズ・ドライバーを扱うことで往復レイテンシー2.5 msec以下の高速処理性能により、プラグイン音源を限りなく楽器のような感覚で演奏することも可能。リアパネルに入出力を備えたMIDIインターフェイス機能とレンジの広いラインアウトの性能を活用し、ライブやコンサートで音源ソフトウェアのプレイバックにM2 / M4を活用されるケースも激増しています。
M4にはインプットのダイレクトアウトとPCプレイバックの音声をブレンド(あるいはいずれかに特化)してモニタリングできるボリュームセクションがフロントパネルに搭載しています。ボーカルをはじめとしたレコーディングで柔軟かつ一歩進んだモニター環境を構築できるM4は価格以上のユーザビリティが提供されるのです。
M2 / M4シリーズがプリアンプ&DI、ヘッドホンアウトになる?!非公式の裏ワザ活用
M2 / M4はIntel / Apple Silicon MacやWindows 10 / 11にも対応しているほか、USBクラスコンプライアントデバイスとしてiOSデバイスでもオーディオインターフェイスとしても機能します。
iPhone / iPadとの接続使用など、バスパワーでは電力不足が想定される環境では電源供給型のUSBハブやモバイルバッテリーで給電環境を整えて使用するのですが、これを応用する形でUSB-Cで端末と接続せず、Mシリーズをスタンドアローンのマイクプリアンプ、DI、ヘッドホンアンプとしても使用できる性質を持っています!
本体フロントパネルにあるダイレクトモニター「MON」ボタンをオンにしてMシリーズ本体で音声信号をPCやデバイスを介さない内部ルーティングによる出力に対応します。これによりインターフェイス用途としてだけでなく、M2 / M4をスタンドアローン機器として48Vファンタム電源供給対応のマイクプリアンプやDI、あるいは入力信号をダイレクトに出力するヘッドホンアンプとしての用途など、実は公称以外の用途にも対応できるのが大きなポイントともなっています。
チャンク機能をも実装したDigtal Performer 互換のDAW、Performer Lite
現在MOTUハードウェア製品の登録ユーザーに提供されるPerformer LiteのライセンスバンドルがMシリーズのオーナーにも適用されます。
Performer LiteはMOTUが1985年から展開するPerformer、そして現在に至るDigital Performer(以下DP)をベースとしたDAWですが単なる製品付属の無償DAWと侮ることなかれ、重大な要素がふんだんに盛り込まれていることにも注目です。
・Digital Performerの目玉のひとつ:チャンク機能を搭載
DPは1つの楽曲プロジェクト内に同時に複数の楽曲データ(DPではシーケンスと呼ばれています)を立ち上げて個別に制作進行・管理使用できる仕様を持っており、これを管理する内蔵ブラウザを「チャンク・ウインドウ」としています。
チャンクは尺やアレンジ違いの制作など様々なバージョン制作を同時に進行する必要がある多忙な作家さん達から重宝されていることに加えて、ライブやコンサートのセットリスト構築、ステージでのオケデータのプレイバックにも活用できるためマニピュレーターの間では定番として知られていますが、このDPの目玉機能であるチャンクがPerformer Liteでも実装されています。
・旧PerformerやDigital Performerの楽曲データとの互換
35年以上音楽制作シーンを牽引し続けるPerformer / Digital Performerの旧バージョンデータとの互換にもPerformer Liteは対応しています。旧バージョンのDigital Performerを使用し続けている方や、過去にPerformerシリーズを使っていた方、過去楽曲を使用する必要が発生した方などに対しても最新の環境に対応したPerformer Liteを使用して再構築することも可能となっています。もちろん最新のプラグインフォーマットにもPerformer Liteは対応しているため、現在の環境で名曲のアレンジや処理を実現します。
※トラック数や標準プラグインなどの仕様差異によって一部制限が発生する場合があります
・Digital Performer ならでは要素が満載
プロユーザーの多いDAWであるDigital Performerのこだわり機能がふんだんに詰め込まれたPerformer Liteには、Zynaptiq タイムストレッチ技術や、ボーカル処理をはじめとしたオーディオのピッチ補正、楽譜制作、各種プラグインのバンドルのほかAU / VST2 / VST3対応など他のバンドルDAWでは叶わなかった機能が満載です。また、Performer LiteユーザーにはDigital Performer へのクロスグレード優待が提供されるため、もしDigtial Performerへのアップグレードを必要とする場合に通常よりも20%以上の割引でオトクに導入することが可能となっています。
2019年末のリリースながら、未だこれだけのスペックと性能を誇る¥50,000以下のインターフェイスは数々の新製品が登場する現在でも、これらスペックを超越する製品が登場していない事実を踏まえると、MOTU M2 / M4は現代の音楽シーンの裾野を広げ、制作のレベルを上げる一助になっていると言えるでしょう。
以上、MOTU M2 & M4の紹介でした。
Writer.村Coming Soon
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記事内に掲載されている価格は 2022年9月21日 時点での価格となります。
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