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アコースティック楽器に使われるマイクロフォン
●MCMの第一印象は?
Rock oN : 普段アコースティック楽器の録音には、どのようなマイクをお使いになりますか?
奥村 氏 : クラシックスタイルとポップスで使い分けているのですが、ブラスセクションにはSennheiser e908とかが好評ですね。あと定番なのがDPA 4099の低感度モデルをよく使います。
最近はホーンセクションでもライブで振付けがある場合も多いので、コンタクトマイクを使う時も多いんです。コンデンサーマイクをスタンドに立てて録るのがベストなんですけど、距離の問題がどうしてもあるので。
Rock oN : MCMを使い始めたきっかけは何ですか?
奥村 氏 : Webで見つけてどんな音か気になって取り寄せてみたんです。現場に持っていって試しに声を出してみたらとても驚きましたね。「これは普通の音がする!」っていう(笑)。
Rock oN : 普通の音というのはどういう音なのでしょう?
奥村 氏 : よくあるハンドマイクをチェックした時と同じような感覚に近い音でした。最初は固定概念もあってピンマイクっぽいハイがギラッとした音かなと思ってたんですけど、全然違いましたね。
●現場で使ってみた印象
Rock oN : MCMを現場で実際に使ってみた印象はどうでしたか?
奥村 氏 : ブラスにつけてみたんですが、ボーカリストの後ろで演奏しても邪魔しない音になっていて、吹いた音色のまま使えました。スペックでは150dBまで対応可能ということなので、トランペット等の割と強めの音でも耐えられるのも大きいですね。
Rock oN : 管楽器以外ではどのような楽器に使いましたか?
奥村 氏 : それとは別の現場でちょうどアコースティックギターをバンドと一緒にレコーディングする機会があったんです、最初ダイナミックマイクを使っていたのですが音の回り込みがすごかったので、試しにMCMに変えてみたんです。そうしたら回り込みもなくアコースティックギターの音を拾うことができたんですよ。
それにダイナミックマイクだと手にぶつかってしまう可能性もあり、ある程度距離をとらないといけないのですが、MCMだとホールの近くを狙えるのが良かったですね。他のエンジニアも興味を持って「そのマイク、何ですか?」と尋ねられたりと、とても好評でした。
Rock oN : 楽器に接続できるマイクマウントクリップの印象はどうでしょうか?
奥村 氏 : このMCMのクリップが本当にいいですね。べっとり挟まずうまく適度に挟めるところがいいです。例えば管楽器だとクリップの挟み込みが強いもので振動を止めるようなものだと使えないので、楽器の鳴りを止めないというのも設計の段階でよく研究されているなという印象でした。バイオリンなど高価で繊細な楽器にも優しく装着できるというのは大事なポイントだと思います。
最近はプレイヤーがMCMを個人で購入して、現場で持ってくる人も見かけたりしましたね。
●おすすめのユーザーは
Rock oN : 最後にMCMをどんなユーザーにおすすめしますか?
奥村 氏 : 音響屋さんはピアノとかブラス、ストリングス周辺といろいろな楽器に使えます。
プレイヤーの方もアコースティックギターを録音したりバイオリンなどの弦楽器でどうしてもマイクをつけて録音したい方にはおすすめです。アコースティックギター類、バイオリン等の弦楽器でマイクを楽器に取り付けて演奏したい方にはオススメです。
とにかくフラットで音がいいので、一度ぜひ試してみてほしいと思います。
メーカーHP
NEUMANN
https://ja-jp.neumann.com/mcm-system
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