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22
Jul.2015
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『10年以上、いつまでも輝き続ける小さな宝石』RME Babyface Pro発売記念Max Holtmann 氏インタビュー

 

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2015年4月、Musikmesse 2015で衝撃のデビューを飾ったRME Babyface Pro。初代Babyfaceはコンパクトさと品質を両立しホームユースからリスニング市場まで人気を博したオーディオI/O。後継となるBabyface Proは『Reengineered,not remastered』というコンセプトの元、設計を完全に一新。RME最新技術である Steady ClockⅢ や ICCほかアナログサーキットに至るまで技術の粋を凝縮。

おなじみRME Max Holtmann 氏を迎え、氏が手がけたデザインや改良されたバスパワー動作の秘密など、WEBやチラシには無いここだけのとっておき情報を多数掴むことができたその内容をインタビュー形式でどうぞ!

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Rock oN(以降 略 R):Maxさん、本日はお忙しいところご来店いただきありがとうございます。

Max 氏(以降 略 M):こんにちは。よろしくお願いします。

2R:早速ですが、大盛況に終わった先日の Avid Creative Summitのセミナー講師をしてみて、日本のRMEファンの印象はいかがでしたか?

M:はい、国内お披露目ということもあり、受講者のみなさんはBabyface Proに対して非常にエキサイトしてくれましたよ。セミナー自体も非常に良い環境で、サウンドクオリティを体感いただけるとても良いイベントとなりましたね。

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R:今回Babyface Proは発売前から多くのユーザーが注目しています。初代Babyfaceはオーディオリスナーからも大好評でしたが、Babyface Proのターゲット設定はオーディオリスナーからプロフェッショナルまで幅広く設定されたものなのでしょうか? それとも今回名前の通りプロフェッショナルに向けて焦点を合わせていますか?

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M:はい、BabyfaceProのターゲッティングはハイエンドからプロフェッショナルと言えます。それを裏付ける上でも少し違う視点で話をしましょう。私はBabyface ProはRME Micstasy(フラッグシッププリアンプ・ADコンバーター)とのコンビネーションが素晴らしいと思っています。これまでMicstasyを使ったシステムを組もうとするとそのクオリティに見合った高価なデバイスが必要でしたが、Babyface Proのマイクプリの品質はMicstasyに近いクオリティがあります。

例えばBabyface ProとMicstasyをADATで繋いだ12inでチャンネル数が足りるのであれば、プロフェッショナルなユーザーが満足のいく結果が得られるでしょう。このように私達は、プロフェッショナルが仕事で使うことを想定したクオリティをBabyface Proに持たせてあります。

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R:自宅スタジオでBabyface Proから始めた人が成長してMicstasyを使ったり、大きなスタジオで仕事をする時もそのままBabyface Proを使っていける、ということですね。

M:そのとおりです。ほかには、Babyface Proをあらゆる環境下で快適に使えるように、マイクスタンドを挿して使うための専用穴がボディ下にあったり、付属するUSBケーブルをL型にしてコンパクトに設置出来るようにするなど工夫をしています。

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R:なるほど。初代Babyfaceは好調な売れ行きが続いていたのに生産完了となりました。ということはBabyface Proは後継機種と捉えてよいのでしょうか?

M:Babyfaceは当時としては素晴らしいものでした。しかし正直なところ私達の理想を満たす域にはまだ到達していませんでした。そういったこともあり、Babyface Proを開発するにあたり私達は一切の妥協を許しませんでした。Babyfaceと比較すると価格が多少あがってしまいましたが「より良い物を作りたい」という思いを優先しました。もちろん(Babyfaceと)同じクオリティレンジで同じ価格帯のものを作ることは可能でした。しかし私達はこのBabyface Proを作ったのです。BabyfaceではできなかったことがBabyface Proでは確実にできるようになっています。

質問の答えとしては、Babyfaceという名前を受け継いでいるので後継機種であることに間違いはありませんが、これは過去の製品の焼き直しではありません。Babyface Proのキャッチコピーを思い出して下さい『Reengineered,not remastered』。私達は一から全く新しいものを作ったのです。実はBabyface Proは最新型の『Steady Clock3(RME独自のジッター抑制技術)』を初めて搭載しました。(UFXはSteadyClock第二世代)  細かい数値などは今お伝えできませんが、これまでのSteady Clockと比較して最高の精度で最高の結果(ジッター抑制)が出るものです。搭載した技術からもBabyfaceProを超えるものはありません。

R:Steady Clock3! UFXにも搭載されていない最新バージョンが存在していたとは驚きです。RMEは「例え価格帯の異なる製品が2つあったとしても、そのクオリティに差は無い」という哲学を持っています。例えばFireface UCと Fireface UCXではキャラクターこそ違うものの、音質のクオリティの優越は無いとMAXさんはおっしゃいましたよね。

M:はい。その通りです。

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R:一切の妥協無しで生まれたBabyface ProとBabyface。この2つに音質のクオリティ差はありますか?

M:…心苦しさがあるのですが、その答えは「Yes」です。Babyface Proは確実にBabyfaceより良いものです。先述のSteady Clock3、そして弊社ADI-8 DS Mk IIIと同じAD/DAコンバーター・チップを搭載している点からもそれは明らかですね。

R:なるほど、Babyface Proへの強い自信を感じます。機能と共に、私は非常に美しいデザインも魅力だと思いました。これはRME社内でデザインしているのですか?

M:はい。Babyface Proは僕がデザインしたんですよ。

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R:そうなんですね! フォルムや質感もすごく素敵です。実物を目の前にして、この小さなボディによくこれだけの機能が収まったな、と驚いています。実際に手に取ると適度に重いですよね(680g)。

M:ここに至るには努力を要しました。実はBabyface Proの筐体は最初、もっと四角ばった形だったんです。しかし開発が進むにつれ、もっと小さく、Apple製品のようにもっと美しいスリムなデザインを求めていきました。とはいえ大量のコンポーネンツ(機能を構成する部品)をその中に組み込まなければなりません。多くの課題を乗り越えて、最終的に全ての兼ね合いが取れたデザインがこれだったんです。

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R:正直信じられないほどのコンポーネントとクオリティが驚くほど小さな筐体に収まっていると思います。これだけ大量のコンポーネンツが詰まっているということで消費電力が気になります。AC電源とバスパワー、供給電源の違いで音質に差が出たりはしないのでしょうか?

M:Babyfaceは正直に話すと電源による音の差がありました。電圧の話ですが、コンピューターの状態により通常5Vのバスパワーが4V、ひどい時では3V近くにまで落ちることがあります。そうなることBabyfaceでは音に影響が出てしまっていました。しかしBabyface Proは3.6Vまでなら5V時と全く同じ音色と動作が保証されるよう各コンポーネントの消費電力を設計をしています。だから安心して使用いただけます。

R:素晴らしい!その情報は初耳でした。ACアダプタ無しのモバイルレコーディングも積極的に活用できますね。少しBabyfaceの話とそれますが、802のインタビューの際にUSBフォーマットを採用する理由などもお話をいただきましたが、ネットワークオーディオなど接続フォーマットに関して今後の展開はどのようにお考えでしょうか。

M:802のインタビューの時にも話しましたが、AVBには強い興味を持っています。コントロールプロトコルを一本化できる点がその理由ですね。現時点ではDanteなどは接続機器ごとの操作を覚える必要がありますが、その点でもAVBは優れていると考えています。ThunderboltやUSB 3.0についてはBabyfaceProの入出力からも帯域的に不要なものと今回考えていますが、RME自体としてはもちろんあらゆる可能性を排除せず、今後様々な展開を考慮する姿勢を絶えず持っていますよ。

R:ありがとうございます。では最後に、Babyface Proを通じてMAXさんがユーザーに一番伝えたいことを一つ挙げるとしたら何でしょうか?

M:一つだけ伝えたい事。それは、Babyface Proは長い間ずっと使って行けるデバイスであるということです。RME製品は10年使っても見劣りしない高い性能と優れた音色を持ち、重要なドライバ開発も長く続けていきます。未来にリリースされるOSにも迅速に対応します。Babyface Proでは筐体も信頼性の高いアルミ合金を採用し、表面には擦り傷や引っ掻きに強い処理を行いました。大事に使ってくれさえすれば10年後も美しいままですよ。Babyface Proは発売から3〜4年で「買い替えてください」という市場にあふれた製品ではないのです。

R:実は私も御社HDSP 9632のユーザーなのですが、10年以上経った今もメインのI/Oカードとして使っています。ドライバーのアップデートがまだ続いています。Babyface Proもこうやって10年以上使い続けられる製品だということが分かります。

M:いまAdobeやAvidがPay by Month(使用期間中、毎月小額の使用料を支払う販売方法、サブスクリプション。)の製品を多く発表していますよね。若い音楽制作者はRichではない人もいるから、Baby Face ProはPay by Month で販売してもよかったかもしれませんね(笑)。

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R:10年以上使えるBabyfaceProならそうですよね(笑)。最新のSteady Clock3 やフラッグシップ機並の高品位マイクプリなど注目のトピックが沢山ある中で、最も強く伝えたい事が『信頼性』なことに感動しました。実にRME社、そしてMAXさんらしい言葉だと思いました。

M:長く使える事、それはプロの方が強く気にするところだと私は思っています。

R:まさしくその通りですね。私もBabyface Proなら現役のHDSP 9632から買い替えようかなと思えてきました。Pay by Monthで購入できますか?(笑)

M:考えておきましょう(笑)

R:今日はお忙しい中ありがとうございました。

M:こちらこそ。どうもありがとう。


わずかな時間でありましたが、途中Max氏がBabyface Proのことを「全く妥協のない、あらゆる機能が詰まった小さな宝石のような製品」とBabyface Proを喩えていたことが印象に残りました。

今、最前線で業務に就いているプロフェッショナル。そして10年後の未来にプロフェッショナルとして活躍しているであろう求道中のアマチュアも含めBabyface Proをすべてのクリエイターに手に取って貰いたいですね。

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記事内に掲載されている価格は 2015年7月22日 時点での価格となります。

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